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「ポルシェ911のライバル」 2028年にアルピーヌ新型A310発売へ 実用重視の4人乗りEV

公開 : 2025.02.03 18:05

アルピーヌはポルシェ911のライバルとして2028年に新型EV「A310」を投入予定だ。2+2のスポーツカーで、実用性を重視しながらも軽快感あるハンドリングを目指している。

A110よりも実用的なツアラーモデル

アルピーヌは、同社のEVラインナップのフラッグシップモデルとして、新型「A310」を投入する。2+2のツアラーで、ポルシェマセラティロータスなどのライバルと肩を並べるものとなる。

2028年に登場予定で、「未来のスポーツカーの象徴」になると期待されている。

昨年10月に公開された「A390ベータ」コンセプト。クロスオーバー車だがデザインはA310と近いものになりそう。
昨年10月に公開された「A390ベータ」コンセプト。クロスオーバー車だがデザインはA310と近いものになりそう。    アルピーヌ

アルピーヌの新ラインナップには、最近発売されたホットハッチA290、今後発売予定のクロスオーバーのA390、そして次世代のA110 EVのクーペおよびコンバーチブル版が並ぶ。高い評価を得ている現行世代のA110は、今年末に生産終了予定である。

このラインナップは、さらに3車種のEVが加わることで完成を見る。これらは、米国市場に参入するための大型のEセグメント車であると考えられている。

新型A310は、1970年代に登場した同名の4シーター・クーペから車名を引き継いだ。アルピーヌは同車を、A110 EVよりも実用的なツアラーモデルとして位置づける計画だ。これは、ライバルブランドのポルシェにおける718ケイマンと911の関係を反映したものである。

アルピーヌのマーケティングディレクターであるブルース・ピラード氏は以前、AUTOCARの取材に対し、「A110は2シーターであるため販売台数が限られるが、2つのシートを追加することで大きな違いが生まれると考えている」と語っていた。

A310のセールスポイントとなるのは、新しいアルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)によって実現する軽さである。このプラットフォームはスポーツEV専用に開発されたもので、来年A110 EVで量産デビューを果たす。A290やA390などのモデルでは、アルピーヌの親会社であるルノー・グループのプラットフォームが採用される。

ルノー・グループのCEOであるルカ・デ・メオ氏は、バッテリーによる重量ペナルティがあるにもかかわらず、このAPPによりA110 EVは「同等のエンジン車よりも軽量になる」と主張している。参考までに、現行のA110は1102kgと量産車の中で最も軽量なクルマの1つであり、アルピーヌはEV時代においてもこの軽さを維持したい考えだ。

アルピーヌのブランドCEOであるフィリップ・クリーフ氏は、アクティブ・トルク・ベクタリングなどのパワー制御ソフトウェアを使用して「軽量車のドライビング・ダイナミクス」を実現し、数百kgの重量増加による動力性能の低下を打ち消す、と述べた。

フェラーリ458やアルファ・ロメオジュリア・クアドリフォリオといったスポーツカーの開発に携わったクリーフ氏は、アルピーヌブランドを特徴づける軽快なダイナミクスを守り続けることに尽力していると話す。

前述のピラール氏は、A310を「未来のスポーツカーの象徴」であり「真のアルピーヌ」にするためには、こうした措置が必要だとした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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