ミャンマー、国外逃亡した警官の送還をインドに要請 「友好関係維持のため」と
ミャンマーで国軍によるクーデターをめぐり警察とデモ隊の衝突が続く中、複数の警官が国軍の命令を拒否し、国境を越えてインドへ逃れた。ミャンマーは6日、越境した警官を同国へ送還するようインドに求めた。
インド当局によると、ここ数日の間に、ミャンマー国軍の命令遂行を拒否した警官数人とその家族が越境してインドへ入ったという。
ミャンマー当局はインドに宛てた書簡で、「友好的な関係を維持するために」警官をミャンマーへ送還するよう求めた。
2月1日のクーデター以降、ミャンマー各地で大規模な抗議デモやストライキが相次いでいる。
治安部隊はデモ隊に強硬姿勢をとっており、これまでに少なくとも55人の死亡が報告されている。
デモ隊は6日も各地で軍への抗議を続けた。最大都市ヤンゴンでは警察が催涙ガスやゴム弾、閃光弾を使ってデモ隊を追い払ったと報じられた。
新たな死傷者は報告されなかった。
「友好関係維持のため」本国送還を要請
インド・ミゾラム州チャンパイ地区の高官マリア・CT・ズアリ氏はロイター通信に対し、ミャンマーのファラム地区の担当者から警官の本国送還を求める手紙を受け取ったと述べた。
書簡には、ミャンマー側はインドに渡った警官8人に関する情報を入手しており、「隣国間の友好関係を維持するために、インドに到着したミャンマー人警官8人を拘束し、ミャンマー側へ引き渡していただきたい」と書かれてあった。
ズアリ氏は、インド内務省からの指示を待っていると明かした。
ロイター通信によると、ここ数日の間に、ミャンマーの警官とその家族ら約30人がインドへ逃れたという。
6日には数十人のミャンマー人が混乱から逃れるため国境で行列していると、AFP通信はインド当局者の話として伝えた。
事の発端は
ミャンマー国軍は2月1日にクーデターを起こし、民主的に選出されたアウンサンスーチー国家顧問らを拘束。国民民主連盟(NLD)から政権を奪取した。
その数日後には多くの国民が仕事をストライキし、一部の人が街頭での大規模な抗議活動に参加するなど、市民の抵抗が始まった。
治安部隊は武装していない抗議者に実弾を発砲するという、暴力的な弾圧を行った。軍は死者についてコメントしていない。
ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官によると、クーデター発生以降、国会議員や抗議者、少なくとも29人のジャーナリストなど1700人以上が拘束されている。
バチェレ氏は、抗議デモの規模が大きく情勢把握が困難なため、実際の人数ははるかに大きい可能性もあるとしている。