ロシア反体制派ナワリヌイ氏、「せきと発熱」訴える 刑務所内でハンスト

Russian opposition politician Alexei Navalny attends a court hearing in Moscow, Russia February 20, 2021.

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画像説明, ナワリヌイ氏は2年8カ月の禁錮刑で収監されている

ロシア野党勢力の指導者で、刑務所に収監されているアレクセイ・ナワリヌイ氏(44)が、せきと発熱が続いていると訴えている。また、刑務所内では結核にかかる人が出ているという。

ナワリヌイ氏はインスタグラムへの投稿で、刑務所内の自分の班から3人が、結核で病院に移送されたとした。また、せきが続き、摂氏38.1度の発熱があるとした。

さらに、「結核にかかっているなら、背中の痛みと両脚のしびれを追い出してくれるかもしれない。そうだといいな」と皮肉を述べた。

ナワリヌイ氏は先週から、背中と脚の急な痛みへの適切な治療を求め、ハンガーストライキを続けている。投稿では、今後もそれを続けると表明した。

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同氏は2014年に横領罪で執行猶予つきの有罪判決を受けた。昨年8月、神経剤ノビチョクで襲われ、ドイツで治療を受けた後、今年1月に帰国。裁判所によって執行猶予が取り消され、地方の刑務所に収監された。有罪判決については、政治的なものとの見方が広がっている。

体重が13キロ減少

ナワリヌイ氏に対しては、弁護士らが刑務所を訪れ、ソーシャルメディアへの投稿を手助けしている。弁護士らによると、刑務所に医師は存在せず、所内の医療部門は医師以外の医療関係者が1人いるだけだという。

弁護士の1人、オルガ・ミハイロワ氏は独立系テレビ局ドーシチに、ナワリヌイ氏は収監されてから体重が13キロ減ったと述べた。うち8キロはハンガーストライキ前に減少したものだとした。

また、当局について、状況改善に努めていないと主張。「毎日、深刻な悪化がみられている」、「彼の健康が悪化してから1カ月、当局は黙ったままだ」と批判した。

「必要な医療支援をしている」

一方、政府寄りの新聞イズベスチャは、ナワリヌイ氏に呼吸器疾患の症状がみられることから、医療部門に移されたと伝えた。

また、刑務所当局の声明を紹介。同氏は新型コロナウイルスを含むさまざまな検査を受けているとした。

声明によると、ナワリヌイ氏は発熱などの症状が出ているが、医師が体調を管理している。刑務所内では結核は発生していないという。

刑務所当局は先週、適切な治療を受けられず、睡眠も奪われているとするナワリヌイ氏の主張を否定。「必要とみられる医療的支援はすべて」施しているとした。

デモ参加者らが拘束

Navalny's personal doctor Anastasia Vasilyeva is held by police outside the prison

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画像説明, ナワリヌイ氏の担当医アナスタシア・ワシリエワ氏も拘束された

刑務所の外では6日、同氏の処遇に対する抗議デモが開かれ、数人が拘束された。デモには「医師同盟」と呼ばれる支援者たちも参加した。

医師同盟の代表でナワリヌイ氏の担当医アナスタシア・ワシリエワ氏は、ナワリヌイ氏との接触を試みたが断られ、警察に拘束された。

拘束された人の中には、米CNNのマシュー・チャンス・モスクワ特派員も含まれていた。チャンス氏は「ナワリヌイの流刑地の外で、ロシア警察に拘束されたところだ」とツイッターに投稿した

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人権団体アムネスティ・インターナショナルのアニエス・カラマール事務総長は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ナワリヌイ氏の「恣意(しい)的な拘束と健康状態の悪化」について訴えたと述べた。

カラマール氏は「ロシアが彼をじわじわと死に至らせようとしているのが、実際の可能性としてある。彼は直ちに、信頼する医師の診療を受け、解放されなくてはならない」とツイートした。

欧州人権裁判所は2月、ナワリヌイ氏の生命が危機にあるとして、解放すべきだとの判断を示している。

一方、アメリカでロシア政府の工作員として働いたとして、1年半にわたってアメリカで拘束されたマリア・ブティナ氏が先週、ナワリヌイ氏を訪問。ロシア国営メディアの映像では、ブティナ氏が長々と熱弁をふるい、刑務所についてホテルよりいい環境だと話した。

BBCのサラ・レインズフォード・モスクワ特派員はこの映像について、ナワリヌイ氏の主張を否定しようと、当局が指示したものであることは疑いないと説明。当局は、同氏が健康状態についてうそをつき、政治的迫害の被害者などではないと示そうとしているとした。