本書は「わたし」が偶然出会った個性的で軽やかな「喜和子さん」の人生の謎を追う物語と、ユーモラスに語られる上野の帝国図書館(現国際子ども図書館)の歴史や逸話が交互に進行する。日本に図書館という概念自体がない明治時代に作られた図書館が陥る資金難、戦禍、存続危機…多くの人が近づける知と学びの象徴であるその歴史を知ると驚くし、喜和子さんの平坦(へいたん)ではない人生が図書館や本が繋(つな)ぐ縁によって明かされていく様子を読むとわくわくする。
夢見る帝国図書館 中島京子著、文春文庫
知の象徴 歴史に先人の奮闘
残り596文字(全文:815文字)
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