小惑星の標本閉じ込めた頑固な留め具、やっと開いた NASA
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は11日、地球近傍小惑星「ベンヌ」で回収した貴重な標本を閉じ込めたまま、なかなか開かなかった2個の留め具を、数カ月かけてようやく開くことができたと発表した。
NASAはこれまでに、探査機「オシリス・レックス」がベンヌで採集した岩石や粉じん約70グラムを回収している。ところが昨年10月、標本採集に使ったロボットアームの内部にあるカプセルに一部の物質が残り、手の届かない状態にあることを明らかにした。
ロボットアームTAGSAMのヘッド部分は35個の留め具で閉じられていて、そのうち2個がなかなか開けなかった。
こじ開けるのは簡単ではなかった。標本を傷つけたり汚したりするリスクを最小限に抑えるため、NASAは事前に承認された機材や道具を使う必要があった。
そうした道具は狭い空間の中で機能するものでなければならず、長さや重さ、動かす範囲にも制約があった。
「キュレーションチームは目覚ましい粘り強さを見せ、我々が分解を続けられるよう、あの頑固な留め具をTAGSAMのヘッドから取り外すという素晴らしい仕事をやってのけた。我々はこの成功に歓喜している」。プロジェクトを率いるNASAのニコール・ラニング氏はそうコメントしている。
この問題に対応するため、NASAは外科器具用の鋼鉄から2個の道具を制作した。
11日午後の時点で、閉じ込められていた標本はまだ明らかになっていない。分解の工程はまだ幾つか残っているといい、その工程が完了した後に隠されていた標本の写真を撮影し、取り出して重さを測ることができると説明している。