グアンタナモ米軍基地へ移民を移送、トランプ氏の命令めぐる疑問は未解決
ワシントン(CNN) キューバにあるグアンタナモ米軍基地へ移民を移送する軍用機が、現地時間の4日に出発した。米国土安全保障省によると、同機には犯罪歴のある移民およそ10人が乗せられている。
米当局者や関係者によると、移民はグアンタナモで現在の収容者とは別の施設に収容される予定。
今回の措置は、グアンタナモ米海軍基地に移民数万人を収容する準備を指示したドナルド・トランプ大統領の覚書に基づく。グアンタナモには移民対応の拠点が設置されているが、これまでは米本土から移送される移民ではなく、主に海上で阻止された移民への対応に使われていた。
関係者によると、グアンタナモでの移民拘束が法的に許される期間や、拘束されている移民の権利などをめぐる疑問はまだ解決されていない。同基地で拘束される移民が法的支援や社会支援を受けられるかどうかも分かっていない。
トランプ政権高官は、グアンタナモを犯罪者のための施設と位置付ける。ピート・ヘグセス国防長官は3日、米南部の国境地帯で演説し、「我が国から出国する移民だけでなく、犯罪者にとっても格好の場所だ」と強調した。
国防総省はグアンタナモ基地で移民を収容するテントの設置などを行っている。海兵隊も建設を支援しており、陸軍は警察や給食、医療などのサービスを提供する予定。同施設の最大収容人員は200人未満。民間業者と政府の間では、3万人を収容できるテント施設の建設に向けた協議も本格化しているという。
移民は軍用機でグアンタナモに移送され、その後それぞれの出身国に強制送還される見通し。