イラン最高指導者、核交渉めぐりトランプ氏を「欺瞞」と批判
(CNN) イランの最高指導者ハメネイ師は12日、トランプ米大統領がイランに対して呼び掛けている核開発に関する協議を拒否した。
ハメネイ師は首都テヘランで行われた大学生との会合で、トランプ氏がイランと交渉する用意があると発言しているものの、トランプ氏による対話の呼び掛けは世界の世論を欺くためのものに過ぎないと語った。
トランプ氏は先にFOXニュースの取材に対し、ハメネイ師に対して手紙を書いたとし、「イランへの対応策は二つある。軍事的に行うか、取引を行うかだ。私は取引きしたいと思っている。イランを傷つけたいわけではないからだ」と語っていた。
トランプ氏は、イランにとってはるかに良い結果になるので交渉してほしいと伝えているが、そうでなければ、イランに核兵器を持たせるわけにはいかないため、米国は何らかの対処をする必要があるなどと述べていた。
イランのアラグチ外相は12日、テヘランでアラブ首長国連邦(UAE)大統領の外交顧問と会談した際に、トランプ氏からの書簡を受け取ったと明らかにした。
ハメネイ師は学生との会合で、個人的にはまだトランプ氏からの書簡は受け取っていないと述べた。
イラン政府は長年にわたって同国の核開発は平和的なものだと主張している。2018年にトランプ政権が核合意から離脱して以降、イラン政府は米国との外交に関して懐疑的な見方を強めている。
ハメネイ師の発言は、経済制裁の緩和に向けて米国との新たな交渉を求めている国内の批判者にも向けられた。ハメネイ師は「交渉の目的が制裁の解除なら、現政権との対話はそこにつながらない。むしろ制裁をより複雑にし、より強い圧力がかかるだろう」と語った。