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ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

リアル系ゲームの一部だけ美少女化して力尽きてしまったSLG『いじばと』運営に、カオスな世界を生んだ経緯を聞く。「美少女を入れる前はプレイヤーが300人でした」-PR

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2019年末、タイトル画面は美少女なのに、ゲームを始めるとリアル調のキャラクターが登場する謎のゲームに出会った。
タイトル詐欺というか、ローカライズで力尽きたというか。
その名も、『異世界で始める偉人大戦争(いじばと)』(1月19日にリニューアルし、『超偉人大戦(すーぱーいじんたいせん)』と改名)。

あまりにカオスすぎて、「どうしてこの状態で出せたのか」と思ってツイートすると、即座にRT数4桁を突破し大いに笑ったのだが……なんと、このツイートを見た運営さんから仕事の依頼が来てしまった。
しかも「なんでも語るから、好き放題書いて記事にしていいよ、ギャラも払う」と。
そして、実際に話を聞くと「リアルなイラストから美少女にしてプレイヤーが激増した」とか「他のゲームではありえない事件が起きた」とか、見た目以上に楽しく刺激的な話の連続だった……!

インタビュイー:伊藤D
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EYEDENTITY GAMES JAPANのローカライズスペシャリスト。『いじばと』ではディレクターを務める。
コーエー系、『Civilization』や『Age of Empire』など、洋の東西を問わず戦略ゲームを遊び、スマホ系では『ブラウザ三國志』をずっと遊ぶ超ヘビー戦略ゲームプレイヤーでもある。

インタビュワー…ゲームキャスト、寺島壽久
nama
よろしくお願いします。
いきなりですが、このツイートでお仕事がいただけた理由からお聞きできないでしょうか。
自分で言うのもなんですが、今見るとひどいツイートだな、と。

伊藤D:
それに関しては順を追って説明していった方が良いと思うので、最初から経緯を説明させてください。
まず『いじばと』ですが、これは最初『俺は英雄王になる』という名前で発表されていて、渋いゲームとしてリリース予定でした。
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nama
本当に、しぶい!

伊藤D:
もともと、私がコーエー系のゲームが好きで、『信長の野望』、『三國志』、『提督の決断』、『チンギスハン』、『大航海時代』までだいたいやっているファンで。
海外ゲーで言うと、『Civilization』、『Age of Empire』などをやり込んでます。
オンラインゲームでは『ブラウザ三國志』にハマりまくっていて、同ジャンルの『いじばと』に関しても遊んでみて内容もいいし、「やろう」という話になりました。
私もゲーム内を見ていて、コーエー系のイラストでやれば自分のようなSLG好きをにがっつり遊んでもらえると思って自信満々にCBT(クローズドβテスト)のリリースをだしたのですが……。

nama
そこで事件が。

伊藤D:
CBTの応募者が300人でした。

nama
!?

伊藤D:
聞いたこともないような低い数字で、社内はただ事ではない空気になりました。
TwitterでもAmazonギフト券1,000円を500人がもらえるリツイートキャンペーンを実施して、ツイートRT数が136人。
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nama
Amazonギフト券の応募が定員を割ることって、あるんですね……。
ですが「5章クリアのスクショ」が必要ですから、ハードルが高かったのでは。

伊藤D:
ハードルでいいますと、条件をクリアした実際の応募者は16名でした

nama
100人の枠に対して16人(真顔)
基本無料ゲームでは「事前登録●万人!」とか、「DL数××万突破!」とか、派手な文句が飛び交うイメージがありますが……。
サクラを疑う余地すらない厳しい数字ですね。
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▲公式Twitterのフォロワーも128人

その、この数字を見たときのご感想と、現場の反応は……?

伊藤D:
まず、私としては『信長の野望』のイラストに近いですし、面白い戦略ゲームですし、そういったゲームが好きな方に届くと思っていましたのでショックでした。
会社では「これを、どうするんだ!」と、日々、問い詰められる状況で。今だから言えますが、現実逃避するほどつらかった。

結局、思い切って美少女の要素を取り入れました。具体的には、タイトルをラノベ風に『異世界で始める偉人大戦争』変更して、イラストもラノベ風の美少女をメインにして。

nama
しかし、美少女要素は一部だけで、ゲームを始めるとリアルタッチのキャラクターがガッツリ出てきますよね?
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伊藤D:
これは妥協です。
ほんとうは全部変えたかった。
しかし、どうしようも『俺は英雄王になる』の状態でリリース予定だったので、サービス開始時期まで時間が決まっていて縛りがありました。だから、ここだけは変えようと。

nama
時間との戦いで最低限を変えた結果、雑コラのようになる……と。
そんな対応で、効果はあったのでしょうか。
失礼とは思いますが、プレイヤー300人という数字はイラストのテイストだけではないと思うのですが。

伊藤D:
結果から言いますと、皆さんに喜んでいただけて、話題にしていただけました。
ゲームの基本は同じなのですが、これほど違うのかと。
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※RTキャンペーンは声優色紙も当たるため『いじばと』と『英雄王』で異なる

nama
旧タイトルはフォロワー数128人に対して、現在はフォロワー数2.9万……。
これが美少女の力か!
正直「安直だな」と馬鹿にしていましたが、数字で並べると恐ろしいほど違う。
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伊藤D:
この結果も良かったので、周囲の反対を押し切って“女神と野球拳”というシステムを導入(※女神とじゃんけんして、勝つと女神が3段階まで脱ぐ。女神が脱ぐほど国が強くなる)して、これもユーザーさんにすごく喜ばれて。
実際、攻略wikiで1番見られているのがリセマラページで、次に高いのが野球拳のページという状況で「やった」と。
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▲野球拳。Appleの審査を通ったことにプレイヤーが驚いたという。

nama
いつの世も美少女は強い。もはや「硬派路線で頑張って!」とは言えないですね……。

伊藤D:
ここから、やっと寺島さんにお仕事を依頼した話になるのですが、今思うと当時はすごく調子に乗っていたなと。
ニコニコ生放送でアイドルや声優と楽しく話して有頂天になっていたのですが「やっぱり、ゲーム性だな」と思うきっかけがあり、お話させていただきました。

nama
ここまでのお話を伺うと、初回の硬派路線こそ反省すべきところで、美少女路線で反省する必要がないように思えますが……。

伊藤D:
もちろん、美少女で喜んでいただいているのは良いことです。
しかし、リリースしてから戦略ゲームとして細部を改善し続けてきた結果、目に見えてプレイヤーの反応が良くなってきて、入り口は美少女でも続ける理由は面白さだと改めて感じて反省しまして。
たとえば、継続率が2倍になり、全体として十分に勝負できるところにきました。

nama
継続率とはゲームをプレイヤーが続ける割合ですから、初期リリースの2倍もプレイヤーが増えやすくなったということですね。

伊藤D:
そういった説明をどう行おうかと思っていたところ、寺島さんのツイートを見つけて「中途半端にやっていたのを見透かされている、この人に好き放題書いてもらうのがいいのではないか」と、今回記事をお願いすることとなりました。

nama
なるほど「好き放題に言う人に書いてもらおう」と。そういった理由があったのですね。
今回、記事に関して「好きに質問して、記事を書いてよい」とあって驚いたのですが、納得できました。

伊藤D:
数字が改善したいま、最初に『俺は英雄王になる』で想定していた“コーエーなどの戦略ゲームが好きなユーザー”にも満足していただける状態だと思っています。
だから、ここでもう1度「戦略ゲームとして面白いから、遊んで欲しい」と訴えたい。
基本無料ゲームには最初に宣伝をパーっとやるタイプと、数字が良くなってから宣伝を仕掛けるタイプがあります。我々もここで面白くなったので仕掛けたいと。

nama
入り口は美少女で、でも面白いからプレイヤーが続けてくれる、というところにきたと。
しかし、そうすると世界観はどうなるのでしょうか。
もとの渋いテイストには戻せませんよね。

伊藤D:
そこは、これまで楽しんでくださったユーザーさんの意見を取り入れて、突っ走りたいと思います。リアルな偉人がいて、美少女化した武将もいる。野球拳できる女神もいる。
それで面白いではないかと。
中途半端で始まったカオスな世界観ですが、ユーザーさんにアンケートをとると今の世界観で行って欲しいという声が1位なんです。
イベントなどもやりたい放題できるし、下手に設定をリアルにするより楽しんでもらえる自信もあります。
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実際、現在は初期の萌え4コマだけでなく、ロード画面に西洋絵画などを入れて意図的に“なんでもあり”にしています。
タイトル画面もリリース時は美少女推しでしたが……
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リニューアル直前はこちらのように、混ざってます(笑)
リニューアル後は、もっと大胆に混ぜていますのでタイトル画面でご確認ください。
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nama
ユーザーの意思を組んでタイトル画面がかわっている……「話題にならないから美少女なんて、安易だなぁ」と思っていたのですが、その効果を数値で見ると劇的ですね。

『いじばと』は、唯一無二のゲーム体験ができるゲーム

nama
ゲームの細かい点が改善されて、快適になったのはわかりました。
『いじばと』は、何が魅力のゲームなのでしょうか。
『いじばと』はトラビアン系のゲーム(※)で、同じジャンルゲームはたくさんあります。。となると、あえてリニューアルされた『いじばと』を選ぶ決め手は。
※『トラビアン』系とはプレイヤー1人1人が1国の主となり、軍備を整え、同盟を組んで戦争し、世界統一を目指すMMO・リアルタイム戦略ゲーム。1つのサーバーには数百~数千人のプレイヤー(=国)が配置され、数カ月にわたってそれは激しい戦争が繰り広げ、サーバーの王者を目指すスマホでも最も激しい戦略SLGのジャンル。
だが、その激しさは面白さでもあり、根強い人気を誇る

伊藤D:
トラビアン系のゲームは、どれも見た目が同じというか地味に見えてしまいますよね。しかし、『いじばと』は差別化ができていると自信を持って言えます。
この手のゲームに必要とされる仕組みが全部入っているのはもちろんですが、単なるコピーではありません。
このゲームは、大雑把に言って3倍ぐらいテンポが速い。開始してからすぐ戦争になって、戦争の陣地の取り合いもスピーディーです。

nama
ゲームをやってみて思ったのは戦争の独特さは感じました。
この系統のゲームでは普通、「今から2時間後に軍隊が到着する」というペースで戦争が進むのに、RTSさながらに大勢が何度も繰り返し突撃して戦っていて。

伊藤D:
そうです、RTSのように戦争が楽しめて、プレイヤーのテクニックが楽しめる。これは他にないと思います。
このスピードの影響で、サーバーによっては1カ月で統一される場所も出てきました。

nama
ええ、1カ月……?
※通常、この手のゲームでは3カ月~半年程度かけて戦争が行われる

伊藤D:
ゲームの最終目的はマップ中央の城を占領することで、そこは簡単に倒せない障壁があります。
しかし、テンポが速いと「倒せるのではないか?」と一気に遊ぼうとするのか、一気に占領してしまった方がいまして。

nama
ゲームが破綻しませんか。

伊藤D:
大丈夫です(笑)
あとは、この手のゲームでは課金していないプレイヤーが戦争で一方的に倒れるだけの時期があるものですが、陣取り合戦では防御の薄い土地を攻めるという役割があります。
PvPのギルドバトル系RPGなどでも、面白いゲームは「課金者も無課金者も役割があって楽しめる」ようになっています。そういった要素を取り入れられているゲームだと思っています。

nama
低レベルのプレイヤーでも戦争で防御の薄い土地が占領できる設計で、戦争ではこまめにそういった土地も占領するのが勝利につながると、生放送でもおっしゃってましたね。
スピーディーな展開、戦力差による役割を意識した戦争は確かに特徴で、前者はかなりゲームとして他にない要素ですね。トラビアン好きとしては「3倍速」と聞くとやりたくなる。

伊藤D:
それだけではないんですよ。
このゲームを日本向けにサービスした結果、まったく予想のしなかった出来事が次々と起きているのです。
『いじばと』は、現時点では他では味わえない体験ができるゲームだと自信を持って言えます。

nama
そこまで言われると、気になりますね。

伊藤D:
システムも異なりますが、類似ゲームに比べて日本人が多く、それがゲーム内容にまで影響を及ぼしている唯一無二のゲームだと思います。

nama
日本人が多いだけで、そんなに変わるものですか。

伊藤D:
『ブラウザ三國志』などをやり込んだ私でも、まったく未経験の風景が広がっていますね。
日本人が多いと会話が発生しやすいとか、コミュニケーションがとりやすいとか良いことはたくさんあるのですが、協力プレイを好む傾向が予想外の展開を生んでいます。
とあるサーバーでは、大きな戦争が1回も発生せずに統一されてしまいました。

nama
戦争ゲームなのに、戦争が発生しない?

伊藤D:
サーバーの中心的な同盟が手を組んで、サーバー内で最も強いプレイヤーが在籍するギルドを作って、中央の城を共同で攻め落としてしまいまして。
本来、対戦ゲームなのに「サーバー内の全プレイヤーが協力してゲームをクリアする」というまったく新しい遊ばれ方をしてしまいました。

nama
戦争ゲームを、全プレイヤーが協力してクリアする……私もかなりこの系統のゲームをやっていると思っていましたが、聞いたことがない展開ですね。
この手のゲームは、日本、韓国、中国のプレイヤーが1つのサーバーに集まって、各国の陣営に分かれて戦う印象が強いというか、必ずそうなっているものだと思っていました。
2度目になってしまいますが、これではゲームが破綻してしまいませんか?

伊藤D:
2度目になりますが、大丈夫です(笑)
プレイヤーも日本なら運営も日本なので、日本独自でレイドボスが登場するとか、協力も楽しめる展開を考えています。
そういった面も含めて、日本でしか楽しめないゲームになっていると思います。タイトルを変更するのは、そういった予想外の遊びに対応して楽しませることができるように改善されるという、我々の自信でもあります。

nama
文化の違いが、ゲームの違いになっている……確かに唯一無二の体験ができるトラビアン系ですね。
日本人が初めて遊ぶにもいいし、『ブラウザ三國志』や『kingdom conquest』など、この手の戦略ゲームを遊んできた歴戦のプレイヤーでも新しい体験ができそうです。

伊藤D:
はい。私たちもそう思っています。

nama
ただ、私もいま遊んでいて、1つ難点が……。
どのサーバーに行っても既存のプレイヤーが強くて、ちょっと勝てそうにない状況で。新サーバーオープンなどはしないのでしょうか。

伊藤D:
はい、リニューアルに合わせて1月19日から新しく第五サーバーをオープンしています。
新しいサーバーでは全プレイヤー初期状態から競うことができます。

nama
ということは、試すのにちょうどいい時期、と。

伊藤D:
これを見て気になった方に、この機会にぜひ遊んでいただきたいと思っています。唯一無二の体験ができるかと思います。
もちろん、今遊んでくださっている既存サーバーの方にも面白い何かを考えていますので、ご期待ください。

nama
ありがとうございました。

以上。

正直に言ってしまうとイロモノと考えていたが、触ってみると遊びやすいし、日本でしか味わえないトラビアン系と言われると、純粋に興味がわく。
昨日から私も遊んでいるので、見かけたら一緒に遊んで欲しい。

また、リニューアルに合わせてAmazonギフト券がもらえるキャンペーンもしているので、ゲームを始めたらこちらもチェックしてみて欲しい。もしかしたら倍率が低くなるかも…?


アプリリンク:
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