「ジョジョの奇妙な冒険」連載25周年を記念して登場するスマートフォン「L-06D JOJO」。携帯電話本体とジョジョがコラボするのは初のことであり、「月までブッ飛ぶこの衝撃……」と驚くとともに「おれはフィーチャーフォンをやめるぞ!」などと決意した人も多かったのではないだろうか。5月16日のNTTドコモの発表会で実機に触れられたので、外観やコンテンツを中心に「あ…ありのまま」お伝えする。
ハードウェアとしてはベースモデルの「Optimus Vu L-06D」と変わらず、XGA表示(768×1024ピクセル)対応の5インチ液晶や2000mAhのバッテリー、有効約800万画素のカメラを備える。NOTTV、防水、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信など日本向けサービスも網羅している。外観の大きな違いは、カラーがオリジナルの「JOJO White」であること、そして背面に荒木飛呂彦氏のサインと描き下ろしイラストが入っていることだ。外観を見て「意外!」だったのは描かれているイラストが第6部の主人公である空条徐倫(じょりーん)だったこと。ジョジョの代表的なキャラクターといえば第3部の主人公 空条承太郎が思い浮かぶ。「理解不能!理解不能!」とまではいかないが、なぜ他の商品ではあまり見かけない徐倫を採用したのだろうか。ドコモ側は「単行本の余白に描かれているような、ラフスケッチのテイストで描いてほしいとお願いしていた」(説明員)そうだが、徐倫採用の真意は「分からない」とのこと。携帯電話とのコラボは初めて……ということもあり、外観でも新鮮さを演出するために徐倫を描いたのかもしれない。イラストの徐倫も本編とは異なるポップでかわいらしい印象を受ける。
一方で、ヱヴァコラボモデル「SH-06D NERV」やガンプラケータイ「945SH G Ver.GP30th」などと比べると、ハードウェアの作り込みが乏しい印象も受ける。説明員は「ヱバにはハイテクなイメージがあるが、ジョジョで大事なのはアナログな世界観だと思っている。過去のアニメ(映画)やOVAなどのコンテンツは使っておらず、基本的に原作の持ち味を忠実に再現することにこだわった」と話す。ハードではイラストとサインのみに抑えてアナログ感をあえて出し、コンテンツでジョジョの世界を体験してもらおうという狙いなのだろう。
ベースモデルがなぜ「Optimus Vu」なのかも気になる。ジョジョは日本で生まれた作品なので、ジョジョスマホが出るなら国内メーカーが開発するものと思っていた。例えばソニーモバイル(旧ソニー・エリクソン)は「ジョジョ打ち」やオンライン辞書のジョジョ語など、そこはかとなくジョジョの要素をケータイやスマートフォンに取り入れていた。また製品名に着目すれば、ジョジョの作品に登場する「弓と矢」と関連させて、富士通の「ARROWS」(直訳すると「矢」)とコラボするのも面白そう……という意見も筆者の周囲で挙がった。Optimus Vuをベース機に採用したのは「電子書籍サービスとの親和性を考えたため」だという。Optimus Vuのディスプレイはアスペクト比が4:3で、雑誌や書籍、コミックを読むのに適したサイズを実現している。(後述するが)L-06D JOJOには「ジョジョの奇妙な冒険」原作がプリインストールされており、コミックの読みやすさも重視したわけだ。アスペクト比4:3の5インチディスプレイを搭載していることもあり、サイズは約90(幅)×140(高さ)×9.4(厚さ)ミリと大きく(特に幅)、片手で操作をするのは少々厳しい。両手持ち前提と考えておいた方がよさそうだ。側面は丸みを帯びており、手に「なじむ。実に! なじむ」形状といえる。また、個装箱もジョジョ仕様になる予定だ。価格は「Optimus Vu」よりやや高めになる予定。
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