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和田紙工(京都)

「誰でも使える断裁機」- 勝田断裁機一筋半世紀

堅牢性と操作性、安全性などに信頼

 (有)和田紙工(本社/京都市南区、和田三徳社長)は、創業から50年以上にわたり、「勝田断裁機一筋」のユーザーである。先代が創業時に導入したオーバーホール済みの断裁機がきっかけで、その後も他メーカーの断裁機は一切使用することなく、同社の製本品質と成長を支えてきた。現在はスタッカーを備えた2台の断裁機を使用しており、和田社長は「半世紀にわたって何の問題もなく、今後も安心して付き合っていけるメーカーと言える」として、全幅の信頼を寄せている。


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和田 社長

 同社では創業からこれまで、他メーカーの断裁機を試すことなく、勝田断裁機のみを選び続けてきた。その理由は、何と言ってもその堅牢性と信頼性にある。勝田断裁機は、堅牢な鋳物構造を持ち、重厚なつくりが特徴だ。和田社長は「勝田断裁機は長期間使用しても品質が劣化せず、常に高精度な断裁ができることが強みだ」と話す。この信頼感が同社の製本作業を支える中核となり、現在もスタッカーを備えた2台の断裁機が稼働中である。特に、製本作業における断裁の重要性について、和田社長は「断裁の精度が製品の仕上がりを左右するため、勝田断裁機の性能が当社の品質を保証していると言っても過言ではない」と語っている。

合言葉は「機動力」。職場環境の改善に注力

 同社が近年、注力しているのは職場環境の改善である。和田社長がリーダーシップを発揮し、5S対応による改善活動に力を入れている。和田社長は「職場環境を改善することで、社員一人ひとりのモチベーションが向上し、結果的に生産性が高まる」と話す。この活動により、同社は全体の作業効率を向上させることに成功している。

 これに加えて、同社では「経営計画発表会」を毎年のように実施し、全社員の目標を共有するとともに、和田社長が自ら作成した「ルールブック」を基に定期的な勉強会を開催している。これにより、社員全員が同じ方向を向き、一丸となって取り組む姿勢が強化されている。このような取り組みを通じて、同社は従来以上に強固な組織体制を構築している。

 また、同社が合言葉とする「機動力」は、豊富な加工設備によって支えられている。10台以上を保有する折機は、B全からミニ折まで幅広く対応可能で「特にミニ折の技術には自信がある」と和田社長。さらに、同社は2丁付が可能な中綴じ機を3台保有。勝田製作所の断裁機もA倍判からの断裁が可能だ。これによりチケットやカード、ラベル感圧紙、タッグ紙など、多種多様なサイズの断裁に対応している。和田社長は「丁寧な断裁技術により、顧客の厳しい要望にも的確に応えている」と話す。特にナナメ断裁や印刷前の生紙の化粧断ちについても美しい仕上がりを実現できることを強みとしている。


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10台以上の折機を設備


 さらに、技術力・設備力だけでなく、同社では顧客との信頼関係を築くために、取引先を定期的に訪問し、密なコミュニケーションを図っている。これにより、急な注文や突発的な仕事にも迅速に対応できる体制を整えている。和田社長は「顧客との信頼関係を深めることが、当社の強みである機動力の向上に直結している」と話し、日々の努力を怠らない姿勢を示している。このような取り組みの結果、同社は着実に取引先を拡大しており、現在では126社との取引を誇っている。

モニター上で情報を一括確認。スタッカーも備えて省力化を実現

 昨年に導入した新型の断裁機は、操作性と省力化の面で大きな進化を遂げている。モニター上で寸法を一括して確認できる機能を備えており、これによりオペレーターは作業中にステップを逐一確認する手間が大幅に省けるようになった。同社のオペレーターは「モニターにすべての情報が表示されるため、効率的に作業できる」と話す。


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2023年に導入した勝田断裁機


 また、スタッカーとの連動により、従来の作業に比べて省力化が図られている。もう一人のオペレーターは「折りなどの次工程において、紙を揃え直す必要がなくなったので、作業時間と作業負荷が激減した」と効果を話す。和田社長は「新しい断裁機は使い勝手が大幅に向上しており、これがその後の製本・折り加工の品質向上につながっている」と満足感を示している。


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スタッカーにより作業の流れもスムーズ


 現相談役である先代社長は「勝田断裁機は誰でも使える断裁機」とよく口にしていたようで、その操作のしやすさと抜群の安全性を評価していたという。さらに、足踏み式のオプションやクランプ圧の記憶機能など、操作性の向上が多くの利点をもたらしていることも和田社長が評価しているところだ。

京都で一番顧客の多い製本会社を目指して

 同社が目指すのは、「お客様数京都一の製本会社になる」ことである。その実現のためにも和田社長は日々の努力を惜しまない姿勢を見せる。さらなる顧客との信頼関係を構築し、信頼を深めることに重点を置いている。

 そして、和田社長は今後も顧客満足度の向上と作業効率の改善を目指し、社員一丸となって邁進していく意志を示している。和田社長は「次世代が誇りを持って働ける会社を作っていくことが私の使命」と語っており、今後のさらなる成長が期待される。

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