国民民主党(玉木雄一郎代表)は21日、国会内で北朝鮮による拉致被害者家族連絡会との懇談を行った。

 同党は連絡会と現在の課題認識を共有し、一刻も早い拉致被害者を救出する取り組みを進めるため懇談を開いた。

 連絡会からは北朝鮮に13歳で拉致された横田めぐみさんの弟の拓也氏や哲也氏、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)の西岡力会長などが出席した。

 日朝首脳会談から20年が経過した。毎年、「拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」に出席中の玉木氏は「その都度、拉致問題に進展がないことに対して政治家として誠に申し訳ない気持ちでいっぱいになります」と謝罪した。

 めぐみさんは1977年11月15日に拉致されて47年目。今年の10月5日の誕生日で還暦を迎えている。

「あまりにも残酷な月日の流れ、そのなかでわれわれ政治家が結果が出せていないことへの罪の重さを実感しながら、家族会が求めておられる全拉致被害者の即時一括帰国ということに一歩でも近づけることができるように全力で取り組んでいきたいという思いを改めて伝えたいと思います」と玉木氏は語った。

 昨年、岸田政権は拉致問題の解決を目指して北朝鮮・金正恩朝鮮労働党総書記と会談を実現させるために事務方に交渉を指示していたという。

 拓也氏は政治状況が拉致問題におよぼす影響に「(昨年)8月に岸田首相が総裁選に出ないむねを表明された。これは私たち家族会からみると事実上の水面下交渉がストップしていることを意味していると受け止めてしまいます。そうした政治の停滞が混乱が、命のかかった拉致問題、47年間待ち続けても助けてくれないことを放置しています」と懸念を示した。

 石破茂首相は総理就任後の10月17日に家族連絡会と首相官邸で面会している。

「全拉致被害者即時一括帰国にはタイムリミットを設けていることです。私たちの親世代、有本恵子さんのお父さまは96歳、めぐみの母で私たちの母である横田早紀恵は88歳、家族会に親世代は2人しかいません。50年近く戦い続けて会えないことは絶対に許しません。親世代が健在のうちに再会することを求めています」と拓也氏は玉木氏たちに強く訴えた。