1.カーリース/車のサブスクとは?
カーリースと車のサブスクにはどのような違いがある?
カーリースとは、「専門業者がユーザーの代わりに車を購入し、料金の支払いに応じて車両を貸し出す」というサービスです。カーリースの利用者は、好きな車に毎月定額の料金で乗ることができます。
車のサブスクリプションサービス(以下、車のサブスク)も、毎月定額の料金を支払ってサービスを利用する仕組みです。
カーリースと車のサブスクはどこが違うのでしょうか? どちらも毎月定額で車を利用できる点は同じで明確な区別はありませんが、トヨタの「KINTO」やホンダの「楽まる」のような“自動車メーカーが提供しているサービス”は、「車のサブスク」と説明されます。一方、自動車メーカー以外の業者が運営しているサービスは、車のサブスクではなく「カーリース」と呼ばれることが多い、というのが実情です。

出典:楽まる公式サイト KINTO公式サイト
カーリース(車のサブスク)と車の購入を比較する
車を購入する際にカーローンを利用する場合は、車両代金と手数料を合わせて月賦払いが可能。支払い後に車両を自己所有したい人に向いているといえます。そうしたメリット・デメリットを踏まえ、カーリースが向いている人・向いてない人について考えていきましょう。
カーリース (車のサブスク) |
車の購入 ※カーローンを利用 |
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メリット | ・諸手続きを業者に代行してもらえる ・毎月の出費が一定のため安心感がある ・人気車種の納車期間が購入する場合よりも短いことがある |
・予算内で自由に車両を選べる ・費用は分割での支払いになる |
デメリット | ・車両の維持管理に注意が必要 ・中途解約は違約金を伴う ・月あたりの走行距離には制限がある |
・所有権はユーザー側にない ・ローン返済前の車両売却は不可 ・金利手数料がかかる |
目的 | 月々定額でマイカーのように使いたい | 最終的には車を所有したい |
2.カーリースが向いている人とは?
その1.「ランドクルーザー」のような人気車種に早く乗りたい人

出典:KINTO公式サイト(納期のめどや価格の情報は2024年7月時点のものです。条件や状況により変動するため公式サイトをご確認ください。)
ランドクルーザーのような人気車種を購入しようとすると、納車までに時間がかかる場合があります。例えば、千葉トヨペットが公表しているスケジュールには、「ランドクルーザー"250"(ガソリンVXモデル)の納期は、2026年2月以降(2024年6月29時点※)」と記載されています。
一方、KINTOで契約すると、ガソリンモデルで4カ月~5カ月、ディーゼルモデルで6カ月~9カ月程度です。人気車種の納車待ちを短くしたい人はカーリースが向いているといえます。
※最新の納期情報は千葉トヨペットの納期情報ページをご覧ください。
車種にこだわる方にオススメのカーリース3選
webCGが車種にこだわる方にオススメのカーリース会社3社を表にまとめました。
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名称 | 定額カルモくん | SOMPOで乗ーる | KINTO |
選べるメーカー | 国内全メーカー | 国内全メーカー 海外メーカー |
トヨタ レクサス スバル |
月額料金 | 1万2490円~ ※ボーナス払い0円 |
1万1190円~ ※ボーナス払い0円 |
3万3110円~ ※ボーナス払い0円 |
ボーナス払い | 不可 | 可 | 可 |
リース期間 | 1~11年 | 3年、5年、7年、9年 ※1年単位で相談も可能 |
トヨタ・スバル: 3年、5年、7年 レクサス:3年 |
任意保険 | 月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まれる |
メンテナンス | 月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まれる |
走行距離制限 | 1500km/月 | 500km/月 1000km/月 1500km/月 2000km/月 3000km/月 ※250~3000km/月まで相談可能 |
1500km/月 |
公式 | 詳しく見る | 詳しく見る | 詳しく見る |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。グレード・追加オプション・ボーナス設定などによって価格は変動します。
上述したようにKINTOは、ランドクルーザーのようなトヨタの人気車種の取り扱いがあり、いち早く乗りたい方にはオススメです。
SOMPOで乗ーるは、メルセデス・ベンツやプジョー、ジープといった海外ブランドの車種の取り扱いがあります。輸入車の購入やメンテナンスに不安のある方にとっては好ましいサービスといえるでしょう。
定額カルモくんは、国内全メーカーの車を幅広く取り扱っています。走行距離制限が長く、リース期間も1~11年のなかから選べるなど、ユーザーのニーズに合ったサービスを提供しています。
それぞれの特徴・サービスの違いを項目別に確認し、選ぶ際の参考にしてください。
その2.毎月の出費を一定にしたい人

車を購入・所有すれば、自動車税の支払いや整備・車検の費用などが発生し、それに応じてコスト負担の多い月と少ない月が出てきます。毎月一定料金となるカーリースであれば、そうした支出の変動はなくなるため、出費について安心感が得られるはずです。
その3.保険や税金の支払い手続きなど、わずらわしい手間を減らしたい人
車は利用したいけれど、車そのものには詳しくない。自動車の所有に伴うわずらわしい手続きなどは、極力他人に任せたい……。そんな方こそ、トータルサポートで安心・快適なカーライフが実現できるカーリースがおすすめです。料金設定もわかりやすく、料金のシミュレーションが容易にできるサービス。その手軽さを実感できることでしょう。
例えばKINTO ONEは、マイカーにかかる費用がコミコミ&定額で、WEBで申し込んだ後は販売店で受け取るだけという手軽さです。

出典:KINTO公式サイト(KINTO ONEの魅力ページより一部抜粋。2024年7月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。)
その4.時期と状況に合わせて乗り換えたい人
暮らしに合わせて車を変えられたなら、カーライフは一段と充実することでしょう。その点、カーリースはマイカー所有よりも乗り換えが促進されるので好ましいといえますし、短期契約が可能なプランともなれば、その傾向はますます強まります。
また、SOMPOで乗ーるではリース契約開始から3年目以降に免許返納、もしくは免許証が失効した場合は、中途解約が可能な「免許返納オプション」というサービスを提供しています。状況が変わって車が不要になった場合、車両を“所有”していると売却・廃車などの手続きが必要になりますが、カーリースの場合はそうした負担を軽減してくれます。

出典:SOMPOで乗ーる公式サイト(2024年7月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。)
その5.一台の車に長期間乗り続けたい人
「柔軟にライフステージに合わせて車を変えたい」「短期間で乗り換えて多様なカーライフを送りたい」という方がいる一方で、「一台の車と長く付き合いたい」という方もいます。カーリースのプランには、正規販売店でのメンテナンス費用が含まれるものもあり、安心して利用できます。また、契約期間の長さに応じて契約料が割安になることがある、というのもメリットのひとつです。
実際にどれくらいの金額になるのか、定額カルモくんの料金を例に、人気車種であるホンダ「N-BOX」の契約期間別の月額料金を見ていきましょう。
契約期間 | 月額料金 |
11年 | 1万7320円 |
9年 | 1万9630円 |
7年 | 2万3260円 |
5年 | 2万6010円 |
3年 | 3万4760円 |
1年 | 7万6120円 |
※ホンダ「N-BOX」Gグレードのガソリン車をオプションなしで契約した場合
ただし、車は機械である以上、良好なコンディションを保つための配慮も必要になってきます。カーリースのプランは、サポート体制やメンテナンスの対応などもチェックしたうえで選ぶことも重要です。
3.こんな人はカーリースに向いていない?
これまでそのメリットについて述べてきたカーリースですが、誰にとってもベストのサービスであるというわけではありません。では、必ずしもカーリースが向いているといえないのは、どんなタイプの人でしょうか。具体的に5つの例を挙げてみましょう。
その1.車を一括購入する余裕がある人
カーリースは、大きな初期費用を伴うことなく、手軽に、一定の費用負担で車を利用できるというのがメリットです。しかし、車両を一括購入できるだけの資金的余裕があるのなら、利息の支払いやローンなど、トータルコストの点でそちらが優位になることが考えられます。
その2.マイカーとして所有したい人
カーリースは一定期間車を借りるサービスであり、契約が終わると車を返却することになるため、マイカーとしての所有を理想とする人にとって、カーリースがベストとはいえません。
もっとも、業者によっては契約満了時に車を買い取ることのできるプランも用意されていますので、それを前提にカーリースのサービスを利用するという手もあります。
その3.車の外装・内装をカスタマイズしたい人

カーリースは車を“借りる”、つまりいずれは返却することを前提としたサービスですので、ユーザーの思いどおりに車両を仕様変更・改造することはできません。ドレスアップやアクセサリーの装着など何らかの変更を加えた場合は、契約が終了し車両を返却する際に元の状態に戻す必要がありますので、要注意です。
その4.使用の頻度・走行距離が多くなる人
カーリースにおいては、使用の程度、つまり走行距離に制限が設けられています。リミットを超えた場合は追加料金を支払うことになりますので、その点が気になる方は「カーリースで制限なしのプランを選ぶ」か、そもそもカーリースは利用しないのがベターといえます。
その5.運転自体に自信のない人
契約終了時に車両を返却する必要があり、原状回復義務が前提となっているカーリース。運転が苦手な人=車両を傷つけてしまう可能性が高い方は、特に注意が必要です。
4.カーリースについてのよくある質問
「コミコミ定額でカンタン」といわれるカーリースですが、経験のない方からすれば、さまざまな不安や疑問が浮かんでくるのは当然のこと。“よくある質問”を3つ挙げ、そのポイントを紹介します。
Q.カーリースのメリットは?
まずカーリースでは、車両の手配に関する作業をすべて業者が行うため、車両を購入する場合とは異なり煩雑な手続きが必要ない、というのがポイントです。
経済的なメリットとしては、まとまった車両購入代金の支払いがなく、初期費用が安価であり、さらにローンの金利も考えずに済む、といった点が挙げられるでしょう。
契約後は、保険・税金や車両点検・整備などについても“おまかせ”でトータルサポートが受けられるため、車にあまり詳しくないユーザーも安心できます。
Q.カーリースのデメリットは?
まずカーリースを利用するうえで注意すべきは、「マイカー所有とは異なり、ユーザーの自己判断で自由に車を処分できない」という点です。そのため、車が必要になる期間、つまり適切な契約期間を考慮したうえで利用するのが望ましいといえます。
また“借りる”サービスであるため契約に際しては審査が伴い、契約後も好きなだけ車を使っていいわけではなく、基本的に月あたりの走行距離に制約があるという点には注意が必要です。
Q.カーリースが向いている人におすすめのサービスは?
カーリースでは、「自分好みのモデルを選びたいものの、そのほかのことはよくわからない」という方も多いようです。ここでは、車種にこだわる方に向けて、いま注目を集めているカーリース会社3社の特徴を紹介します。
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名称 | 定額カルモくん | SOMPOで乗ーる | KINTO |
選べるメーカー | 国内全メーカー | 国内全メーカー 海外メーカー |
トヨタ レクサス スバル |
月額料金 | 1万2490円~ ※ボーナス払い0円 |
1万1190円~ ※ボーナス払い0円 |
3万3110円~ ※ボーナス払い0円 |
ボーナス払い | 不可 | 可 | 可 |
リース期間 | 1~11年 | 3年、5年、7年、9年 ※1年単位で相談も可能 |
トヨタ・スバル: 3年、5年、7年 レクサス:3年 |
任意保険 | 月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まれる |
メンテナンス | 月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まない ※オプション |
月額料金に 含まれる |
走行距離制限 | 1500km/月 | 500km/月 1000km/月 1500km/月 2000km/月 3000km/月 ※250~3000km/月まで相談可能 |
1500km/月 |
公式 | 詳しく見る | 詳しく見る | 詳しく見る |
※最新情報は公式サイトでご確認ください。グレード・追加オプション・ボーナス設定などによって価格は変動します。
まず定額カルモくんは、国内全メーカーの車を幅広く取り扱っていて、走行距離制限も長め。リース期間も1~11年のなかから選べるなど、高い満足度が期待できるサービスといえるでしょう。
SOMPOで乗ーるでは、メルセデス・ベンツやプジョー、ジープといった輸入車もセレクト可能。もともと海外ブランドの車にあこがれてはいたが、購入手続きやメンテナンスに不安がある、という方におすすめできます。
トヨタ系のKINTOには、トヨタのみならずレクサスやスバルの人気車種の取り扱いがあり、それらにいち早く乗りたい方におすすめです。詳しくは以下、カーライフ・ジャーナリスト 渡辺陽一郎さんの解説をご覧ください。
5.まとめ
- カーリースは「専門業者がユーザーの代わりに車を購入し、料金の支払いに応じて車両を貸し出すサービス」で、なかでも自動車メーカー系業者のものは「車のサブスクリプションサービス(サブスク)」として展開されている。
- 「初期費用の抑制」や「諸手続きの簡素化」などカーリースならではのメリットがあるものの、決して万人向けのサービスということではない。リースならではの制約を考慮したうえで、マイカー購入よりもメリットがあるのか比較検討したほうがよい。
- ひとくちにカーリースといっても、サービス内容はさまざま。現在は独自メニューを用意し差異化を図っている業者が多いので、自分自身のニーズをよく考えて、ベストマッチのプランをチョイスしたい。
これまで説明してきたように、人によっては向き・不向きがあるカーリース。一見、ご自身のニーズに合っていないと思われる場合でも、業者によっては適したメニューが用意されている、ということもあります。
自らの理想と各社のサービスをよく見極め、理想的なカーライフを実現しましょう。
カーライフ・ジャーナリスト 渡辺陽一郎さんからのコメント
KINTOはトヨタ車を対象とした定額制カーリースです。一番の特徴は、任意保険までリース料金に含まれること。しかもその任意保険は、車両保険までカバーしており、家族・友人を含むすべてのドライバーに適用されるタイプです。
例えば、契約者の子供が親の承諾を得て、未成年の友人と一緒にドライブへ出かけたとしましょう。その際、未成年の友人に運転を交代し交通事故の加害者になってしまったケースでも、KINTOであれば任意保険が適用されます。KINTOの任意保険は、運転者に関して年齢条件などを一切付帯していないからです。
このようなすべてのドライバーに適用される任意保険は、保険料が高額です。価格が250万円くらいの場合、全ドライバー対応で車両保険まで付帯すると、任意保険料が月額換算して2万5000円前後に達する場合もあります。
一方、KINTOの初期費用フリープランで「カローラ クロス2.0G」(価格は241万円)を契約すると、月額料金は、ボーナス月加算のない均等払いで約4万6000円です。この月額料金に、すべてのドライバーに適用される任意保険料まで含まれるのですからとても割安です。
KINTOでは契約期間終了時の買い取りができず、必ず返却せねばなりません。従って車両を買い取って自分の所有車にすることはかないませんが、KINTOを利用し数年間にわたって使うことは可能です。
このようにKINTOは、任意保険料が高くなる若年層を中心に、トヨタ車に乗りたいユーザーに適しています。