ESB
読み方:イーエスビー
別名:エンタープライズサービスバス
ESBとは、システム構成の一種であるサービス指向アーキテクチャ(SOA)をベースとして、企業全体のアプリケーションを統合するための技術、あるいはそのためのミドルウェアのことである。
ESBはHTTPやSOAP、JMS(Java Message Service)などのプロトコルをサポートしており、異なる基盤の間でのデータのやりとりを行うためにデータ形式の変換を行ったり、データの振り分け(ルーティング)や非同期連携を行ったりすることができる。ESBを利用することによって、企業内の各種アプリケーションやWebサービスを統合することが可能となる。
EAIの代表的な製品としては、IBMの「WebSphere Enterprise Service Bus」などがある。
参照リンク
WebSphere Enterprise Service Bus - 日本IBM
エンタープライズ・サービス・バス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 23:24 UTC 版)
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エンタープライズ・サービス・バス(英: Enterprise service bus, ESB)は、一般に標準に基づくミドルウェアインフラストラクチャー製品で実装されるソフトウェアアーキテクチャの構成要素であり、上位のより複雑なアーキテクチャの基盤となるサービスを提供するイベント駆動型で標準ベースのメッセージングエンジン(バス)である。
ESB は一般に Enterprise Messaging System の実装の上の抽象化層を提供し、コードを書かずにメッセージングの利点を活用できるようにする。一方、以前からあるエンタープライズアプリケーション統合 (EAI) はハブ・アンド・スポーク型アーキテクチャによるモノリシックな構成であり、ESB ではその構成要素を機能単位に分割し、必要に応じて協調動作するよう分散配置される。
ESB 自体はサービス指向アーキテクチャ (SOA) の実装ではないが、SOA 実装のための機能を提供する。ESB は必ずしも Webサービスに基づいてはいない。例えば、ESB Muleは従来のシステムとの連携を容易に行えるようにするためにFTP, SMTP, POP3, RESTなどの非Webサービス技術にも対応している。ESB は標準ベースで柔軟であり、各種転送媒体をサポートしている。呼び出されるサービスと転送媒体の結合度を弱めるのは、SOA の特徴ではなく、ESB の特徴である。
ESB 製品の多くは SOA での利用を第一に考えられており、それにより利用が広がりを見せている(BPELなど)。
主な特徴
エンタープライズサービスバスは一連の機能を総称する便利な用語であり、その実装は様々である。ESB が実体のある製品なのか、アーキテクチャ的なスタイルなのかは議論となっており、ESBの実装も定まっていない(中核となるサーバを持つ場合もあるし、持たない構成もある)。例えば、SOAP と WS-Addressing を組合わせたものが ESB であるという者もいる[1]。いずれにしても、以下のようなESBの中心となる機能は共通で認識されている。
カテゴリ | 機能 |
---|---|
呼び出し | 同期および非同期の転送プロトコルをサポート |
ルーティング | アドレス指定可能性、コンテンツベースのルーティング |
調停 | アダプター、プロトコル変換、データ変換/翻訳 |
複合イベント処理 | イベント翻訳、相関、パターンマッチング、出版-購読 |
その他サービス品質 | セキュリティ(暗号と認証)、高信頼なデータ転送、トランザクション |
管理 | モニタリング、監査、ロギング、計測、など |
さらに、ESBは以下の特徴を備えることが多い。
- プロセス編成、ビジネスプロセス定義機能(別製品で提供されることもある)。
- 大規模な実装のための部品であり、異機種混合のシステムを SOA(サービス指向アーキテクチャ)によって管理可能にする。ただし、ESB MuleのようなオープンソースのESBは、中小規模のための部品である。
- オペレーティングシステムやプログラミング言語に依存しない。例えば、Javaと.NETのアプリケーションの相互運用を可能にする。
- XMLを通信言語として使用。
- Webサービス標準規格をサポート。
- 各種メッセージ交換パターン(MEP)をサポート(同期、非同期、send-and-forget、出版-購読など)
- 標準ベースのアダプター(J2EE Connector ArchitectureやSAPなど)で既存システムとの統合をサポート
- コンポーネント指向設計によるモジュラー・アーキテクチャ
- データ形式の変換のために、変換サービス(XSLTやXQuery)を備え、メッセージの送信側アプリケーションと受信側アプリケーションで必要な形式が異なる場合にも対応。
- メッセージ送受信のためのスキーマに対する妥当性検証
- 中核のない構成の場合、メッセージを状況によってルーティングしたり変換したりする。
- SLA(サービス水準合意)に従って、メッセージ遅延などをモニタリングする。
- ユーザーの優先順位付けに従ってサービスをクラス分けする。
- アプリケーションが一時的に動作できない場合、メッセージをキューに保持する。
主な利点と欠点
利点
- 既存のシステムを素早く安価に利用できる。
- 柔軟性の向上。要求仕様が変わっても容易に対応可能。
- 標準仕様に基づいている。
- 企業内の一部門から始めて全体に適用できるスケーラビリティ。
- 中核となるサーバなどが不要。
- システムを停止させずに機器追加などが可能。
欠点
- エンタープライズメッセージモデルは一般に強制的である。
- ESB の価値を高めるには、多数の異なるシステムがメッセージ標準によって協調動作する必要がある。
- ベンダーによっては、実装のためにさらなるハードウェア投資が必要。
- ESBを構成するための新たな技能を必要とする。
- 従来のメッセージ指向システムに比較すると、変換(翻訳)層が新たに追加されている。
導入する場合の注意点
主な製品
- 有償ソフトウェア
- ActiveMatrix ESB(TIBCO Software)
- ASTERIA WARP(インフォテリア)
- DataSpider Servista(アプレッソ)
- Fiorano ESB(フィオラノ ソフトウェア)
- IBM Integration Bus(日本アイ・ビー・エム)
- IBM WebSphere ESB(日本アイ・ビー・エム)
- InterSystems Ensemble
- Information_Builders iWay Service Manager
- Microsoft Azure Service Bus (日本マイクロソフト)
- Microsoft BizTalk Server (日本マイクロソフト)
- Mule ESB (MuleSoft)
- OpenText AppWorks (オープンテキスト)
- Oracle Enterprise Service Bus (日本オラクル)
- Progress Software Sonic ESB (Trilogyにより買収)
- SAP[要曖昧さ回避] Process Integration
- Talend Open Studio for ESB(Talend株式会社)
- Talend Enterprise ESB(Talend株式会社)
- Talend Platform for Data Services(Talend株式会社)
- Sonic ESB (Aurea)
- webMethods enterprise service bus (Software AGにより買収)
- WebOTX ESB (日本電気)
関連項目
- Java Business Integration(JBI)
- イベント駆動型プログラミング
- サービス指向アーキテクチャ (SOA)
- ビジネスプロセス管理 (BPM)
- 企業アプリケーション統合 (EAI)
- メッセージ指向ミドルウェア (MOM)
- クラウドインテグレーション (iPaaS)
参考文献
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- Dave Chappell, "Enterprise Service Bus" (O’Reilly: June 2004, ISBN 0-596-00675-6)
- 渡邉了介(訳)『エンタープライズサービスバス — ESBとSOAによる次世代アプリケーション統合』、オライリー・ジャパン、2005年2月、ISBN 4-87311-220-6
外部リンク
- Apache Camel Apache
- 日本Apache Camelユーザ会 Sourceforge.jp
- アプリケーション統合 日本IBM
- SOAを支えるESBの重要性とは ZDNet Japan
エンタープライズサービスバス(ESB)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 05:58 UTC 版)
「信頼できる唯一の情報源」の記事における「エンタープライズサービスバス(ESB)」の解説
エンタープライズサービスバス(ESB)を使用すると、組織内の任意個のシステムが、別のシステムで変更されたデータの更新を受信できる。信頼できる唯一の情報源を実装するには、任意の実体に対して、正しいデータソースを特定する必要がある。この実体への変更(作成、更新、および削除)は、ESB を介して公開される。そのデータのコピーを保持する必要がある他のシステムは、この更新を購読し、それに応じて独自のレコードを更新する。任意の実体について、マスターとなるデータソースを特定する必要があり、これはしばしばゴールデンレコードと呼ばれる。任意のシステムは、特定の実体(顧客など)に関する情報を公開することもできるし、他の実体(製品など)に関する情報について別のシステムからの更新を購読することもできる。[要出典] 別のアプローチとして、ポイントツーポイントのデータ更新があげられる。しかし、システムの数が増えるにつれて指数関数的にコストがかかるため、このアプローチはITアーキテクチャとしては支持されなくなっている。[要出典]
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