マイクロプラスチック
英語:microplastics
直径数ミリメートルかそれ以下の大きさに再編化された微小なプラスチック類の総称。海洋の生態系に悪影響を及ぼしうる要因として調査研究が進められている。
東京大学・海洋アライアンスのウェブサイトでは、「直径5ミリ・メートルより小さなプラスチックごみ」をマイクロプラスチックと定義している。ただし、どれくらいの大きさまでをマイクロプラスチックに分類するかは、研究者によって違いがあるという。
マイクロプラスチックは、難分解性プラスチックが経年劣化などにより砕けて砕片となり、しかし元素レベルで分解はされずあくまでもプラスチック片であり続ける、そのようなプラスチックごみである。海に流れ出て海洋を漂い(海洋ゴミとなり)、海洋生物が誤食することで、生物の発育不足や有害物質の生体濃縮が生じる可能性がある。ひいては水産資源の減少や有害化、生体バランスの崩壊などが生じる懸念につながる。
マイクロプラスチックによる海洋汚染の実態や、その影響は、2010年代半ば以降に本格的に研究が進められ始めた状況にあり、同年代後半現在のところ未だ全貌は把握されていない。
関連サイト:
海のマイクロプラスチック汚染 ― 東京大学海洋アライアンス
平成 28 年度海事問題調査委員会報告書「マイクロプラスチック問題について」 ― 一般社団法人海洋会
マイクロプラスチック【microplastics】
マイクロプラスチック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/19 20:26 UTC 版)


マイクロプラスチック(英: microplastics)は、(生物物理学的)環境中に存在する微小なプラスチック粒子であり、特に海洋環境において極めて大きな懸念材料となっている[1]。一般には、直径 5 mm 以下のプラスチック粒子または、プラスチック断片と定義されている[2][3][4]。海洋研究者の一部は1 mmよりも小さい顕微鏡サイズの全てのプラスチック粒子[5]と定義している。この定義は、現場での採取に一般に使用されるニューストンネットのメッシュサイズが333 μm (0.333 mm) であることから適切でないとの議論もあり[6]、5 mmよりも小さい粒子と定義している研究者もいる[7][8]。
マイクロプラスチックは、 もともとは、レジ袋、コンビニの弁当箱、ペットボトルの蓋などの[要検証 ] プラスチックゴミ(一般的にプラゴミと呼ばれる)である。プラスチック製品の大半は石油が使われているが、そのまま固めるのではなく、石油にさらにエネルギーを加えて化学合成して作られる。全世界で年間[いつ?]に製造されるプラスチック製品は約4億トンであり、その用途は、約半分が容器、包装などに使われている。これらの製品は一度使用すると捨てられる「使い捨て製品」が多く、代表的なものはレジ袋である。現在[いつ?]日本では全国で年間約300億枚のレジ袋が消費されている。その他のプラスチック製品としてペットボトル、食品パッケージ、コンビニの弁当箱などがあり、これらを合計すると、日本では1世帯1日あたり約数百グラムのプラスチックゴミが発生する。プラスチックゴミは人間が的確に処理していれば海に影響を及ぼすことはない。ポイ捨てされたもの、ゴミ箱からあふれて処理されず放置されたものなどが河川や下水に侵入したり、風に飛ばされたりして最終的に海へ流れ着いている。海洋を汚染するマイクロプラスチックの大半は人間が日々の生活で排出されたものに由来している。[9]
マイクロプラスチックは、マイクロサイズで製造された一次的マイクロプラスチックとより大きな二次的マイクロプラスチックに区別できる[10][11]。一次的マイクロプラスチックの例として、化粧品があげられる。二次的マイクロプラスチックは大きなサイズで製造されたものが、自然環境中で5㎜以下に破砕・細分化したものである。主に、ペットボトルやビニール袋が紫外線などに晒されて劣化することで発生すると考えられている。どちらも人体・環境に甚大な悪影響を与えることが懸念されている。
海洋生物がマイクロプラスチック自体と、それに付着した有害物質(PCBやDDTなど)を摂取し[11]、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている[12]。2020年現在、実環境よりも有害物質とマイクロプラスチックをかなりの量増やした場合には毒性影響が確認されているが、実環境ではマイクロプラスチックに吸着または含有された有害物質による生物への毒性影響はまだ確認されていない[13]。これについて日本学術会議は、実環境での軽微な影響を評価する手法が開発されていないからだとして、その手法の開発と調査・研究を推進することが必要だと提言している。また、今後マイクロプラスチックの量が増え続けると悪影響が表れること、マイクロプラスチックは回収が困難であることから、予防的な対策が必要だと提言している[14]。

さらにマイクロプラスチックはプラスチック廃棄物の破砕から発生するばかりではなく、歯磨き粉、ハンドソープ、フェイスクレンザー、その他の角質除去製品や化粧品に普遍的に配合されており[15] 、そもそも人類が以前から意図的に製造・使用し排水中に垂れ流している。
発生源と拡散状況
マイクロプラスチックの発生源と疑われているものは複数存在する
- 工業用研磨材、(角質除去タイプの)洗顔料、化粧品またはサンドブラスト用研削材[16]などに直接使用するために生産されるマイクロプラスチック、または多種多様な消費者製品を生産するための前段階の原料(ペレットまたはナードルと呼ばれる)として間接的に使用するために生産されるマイクロプラスチック("一次マイクロプラスチック")。マイクロビーズとも呼ばれる(en:Microbead)
- 特に海洋ゴミなどの大きなプラスチック材料が壊れて段々と細かい断片になる結果、環境中に形成されたマイクロプラスチック(いわゆる"二次マイクロプラスチック")。この崩壊をもたらす原因は、波などの機械的な力と太陽光、特に紫外線 (UVB) が引き起こす光化学的プロセスである。
- 家庭での衣類の洗濯による布からの合成繊維の脱落。下水道に流れ込む洗濯排水中のマイクロプラスチック粒子と環境中のマイクロプラスチックの組成との比較により、1 mm未満の粒径のマイクロプラスチック汚染の大半が脱落した合成繊維から構成される可能性があることが示唆されている[17]。最近数十年間の世界のプラスチック消費量の増加により、マイクロプラスチックは全世界の海洋に広く分布するようになり、その量は着実に増大している[7]。人口密集地から遠い北極海の海氷中でも確認されている[18]。
- 人工芝や稲作で利用される肥料カプセルなど園芸・農業分野のプラスチックごみが海に流出し、二次マイクロプラスチック化する可能性が指摘されている[19]。
通常、家庭から下水道に流されたものは、下水処理場で処理される。マイクロプラスチックもある程度除去され、自然界に放流される水には少ししか残らない[20]。ただし、大雨が降った際にはすべての水を処理することができず、一部はそのまま自然界に流れ出ることになる。
牛島ほか(2018)[21]によれば、2016年10 - 12月に日本の5つの湾と琵琶湖で合計197匹の魚を採取して検査したところ、うち74匹の消化管から140個マイクロプラスチックが検出された[21]との報道がされた[22]。
『ナショナルジオグラフィック』日本版(2018年)は、9割の食塩からマイクロプラスチックが検出され、特にアジアの国々で産出される食塩には、相当量のマイクロプラスチックが含まれていると報じた。世界平均では、平均的な成人が食塩を通して1年間に摂取するマイクロプラスチックは、約2000個であるとしている[23]。食塩は不可欠であるため、健康に大きな影響を与える可能性がある[24]。
ロシアのスプートニクは、2018年3月25日の日本語版記事で『サイエンティフィック・リポーツ』の掲載論文について引用し、太平洋を浮流するゴミを約7万9000トンと算出した上で、うち31%がマイクロプラスチックであるとした。また、東日本大震災によって海洋流出した災害ゴミについても言及している[25]。
海中以外では大気中への飛散が確認されており[26]、人間の大便・胎盤・血液などからも発見されている[27]。
2021年から、新型コロナウイルスの流行で、プラスチックごみが増加している。大気環境学会誌によると「コロナ禍による在宅学習・在宅勤務によって宅配やテイクアウトが盛んになり、プラスチック容器ゴミが急増した。」「不織布マスクの9割はプラスチックであり、月間推定で1290億枚のマスク、65億枚の手袋が世界全体で使用され、不適切管理により新たな環境汚染要因となっている(Prataet al.,2020)。」とされている。[28]国内では、2020年4月から7月にかけて全国の大都市部における家庭からのプラスチックごみの排出量が、前年同月比で10%前後増加した。タイのバンコクでは、2020年4月の一日当たりのプラスチックごみの排出量は3432トンとなり、前年より62%も増加した。[29]
2022年、オランダの科学者らによる調査で、スーパーマーケットの75%の肉や乳製品からマイクロプラスチックを検出された。また、畜産動物の飼料からは100%のマイクロプラスチックが検出された[30]。
海洋環境への潜在的影響


2008年9月9日から11日までアメリカ合衆国ワシントン州タコマ市のワシントン大学タコマ校で開催された、マイクロプラスチックの海洋ゴミの存在、影響および環境運命についての最初の国際研究ワークショップに参加した研究者たちは、以下の根拠によりマイクロプラスチックが海洋環境に問題をもたらしていることに合意した。
- マイクロプラスチックが海洋環境中に存在することが確認されている。
- これらの粒子の滞留期間が長い(したがって、今後も集積する可能性が高い)。
- 海洋生物によるマイクロプラスチックの摂取が実証されている。
これまでの研究はもっと大きいプラスチックに重点が置かれてきた。(釣り糸や漁網などの)プラスチックに絡まるか、プラスチックを摂食するか、喉に詰まらせて窒息することによって、生物が衰弱死してしまうか、陸地に乗り上げて身動きができなくなるといったことに関連する問題は広く認識されている。
これとは対照的に、マイクロプラスチックは5 mmよりも小さくて目立たない存在である。この大きさの粒子は極めて幅広い生物種が利用しうる形態であるが、摂食されることが実証されている例は、沈積物摂食性のゴカイ(タマシキゴカイ (Arenicola marina))と濾過摂食性のイガイ(ヨーロッパイガイ (Mytilus edulis))[32]の2例しか挙げられていない。食物網の下位にいる生物種の摂食の影響がほとんど知られていないことが不安をもたらしている[7]。栄養段階を通じてマイクロプラスチックが移行するかどうかは、まだわかっていない。
マイクロプラスチックを摂食した後の海洋生物への影響は次の3つが考えられる。
小動物は、偽りの満腹感のために食物の摂取が減る危険があり、その結果、飢餓状態に陥るか、それ以外の物理的被害を受ける。しかし、海洋生物に対する長期的な影響は現時点では不明である。
また、プラスチックごみが生物相を散布する運び屋の働きをすることも実証されているので、大洋中の拡散の機会が増大することによって全世界の海の生物多様性が危機にさらされている[33]。侵略的外来種と侵入種の拡散は、汎存種の拡散と同じくらい大きな問題である[34]。
海洋環境中に入り込むプラスチック材料の約半数は水に浮くが、生物の付着によってプラスチックゴミは海底に沈みやすくなる。沈んだプラスチックは底生生物と底質のガス交換プロセスを阻害する可能性があるが、これが重要になるのは大きいプラスチックゴミの場合である[要出典]。
海に漂うマイクロプラスチックは数百年漂うと考えられていたが、実際にマイクロプラスチックの年齢を調べたところ外洋では1-3年、陸近くでは0-5年と比較的若いものが多いことがわかった。古いものは海底に沈殿していると考えられる[35][36]。
2023年の実験ではマイクロプラスチックに紫外線を照射すると年1.7-2.3%の割合で分解されたことから、著者らは過去に海に流出した浮遊プラスチックの7-22%はすでに分解されただろうとしている[37][38]。しかしながらこれはあくまで、わずか50ミリリットルの模擬海水中で、無色のバージンプラスチックに250 W m −2もの強度の紫外線を直接意図的に照射した実験であり、光が減衰する海水内に沈降した染色や不純物付着などのある廃棄物由来マイクロプラスチックが、好天の日中のみに紫外線でなく通常の太陽光で照射される現実の自然環境とは全く異なる。
海洋プラスチックを能力をもつ微生物が見つかっており、Rhodococcus ruberはポリエチレンを年1.2% [39]、Parengyodontium albumはポリエチレンを日に0.044%分解する能力をもっている[40]。しかしこれら微生物が自然環境下でプラスチック汚染を減少させるほどプラスチックを分解している証拠は2024年時点で報告されていない。
大気中
2019年8月14日に学術誌「サイエンス・アドバンシス」で発表された研究論文より、北極で雪に交じって降ってくることが判明している。マイクロプラスチックが風で巻き上げられ、大気中を長距離飛んで北極圏まで運ばれたとみているが、その仕組みの全容は分かっていない[41]。また、2019年4月15日に「Nature Geoscience」で発表された研究論文でも、フランスのピレネー山脈に降ってくる雪にも混じっていた[42][43]。2020年6月24日には南極に生息するナンキョクトビムシから、ポリスチレンの破片が見つかったいう論文が発表された[44]。
大気中の量は都市ほど多い傾向がある[45]。
マイクロプラスチックと残留性有機汚染物質 (POPs)
プラスチック粒子は、環境と周囲の海水中に普通に存在する合成有機化合物(例えば、残留性有機汚染物質=POPs など)をその表面から吸収することによって高度に蓄積して運搬する可能性がある[46]。マイクロプラスチックが、このような経路を通ってPOPsを環境から生物に移行させる媒介者の働きをしているかどうかはまだ不明であるが、マイクロプラスチックが食物網に入る潜在的な入口であることを示唆する証拠[47]がある。さらに、プラスチックの製造中に加えられた添加剤が摂食時に浸出して生物に深刻な害をもたらす可能性も懸念されている。プラスチック添加剤による内分泌かく乱は、人と野生生物の生殖に関する健康に等しく影響を及ぼす恐れがある[48]。
マイクロプラスチックを摂取することでそれに由来する化学物質も取り込まれ、さまざまな生殖、発がん性、突然変異原性の影響がありうる。 多くのプラスチックに使用されているビスフェノールA(BPA)は自己免疫疾患や内分泌かく乱と関連しており、男性の生殖能力の低下や乳がんの原因となる可能性がある[49]。フタル酸エステルも食品包装プラスチックに含まれており、生殖機能[50]や甲状腺機能[51]に影響を与えるとされている。
フタル酸エステル、ビスフェノールA(BPA)、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)などプラスチック製造に添加剤として使用される化合物は大気や水中に放出することでも環境を汚染するが、人に対するこれら化合物の暴露はそれらを添加剤として含むマイクロプラスチックを人が取り込むことによっても起こる。屋内の換気および空調システムを通じて持続的にダストとして循環しているマイクロプラスチックの吸入は、人がマイクロプラスチックを取り込む主要なルートの1つである[52]。このような環境下でほとんどの人が常にプラスチックの添加剤成分にさらされており、内分泌系や生殖系をいろいろな機序で攪乱しうる[53]。
現在のレベルでは、マイクロプラスチックがPCB・ダイオキシン・DDTなどのPOPsの外洋における世界的に重要な地球化学的貯留層になる可能性は低い。しかし、小規模なスケールでマイクロプラスチックが化学的貯留層として大きい役割を果たすかどうかは明確ではない。大都市の港湾や、農業排水と工業廃水が集中する排水路などの汚染された人口密集地域においては貯留層機能があると考えられる[要出典]。
ヒトへの害

2019年時点では、欧州アカデミーによる政策のための科学的助言 (Science Advice for Policy by European Academies)が欧州委員会[55]に提出したレポートは「現在の環境中で測定できるマイクロプラスチック濃度は遥かに濃度レベルが低く、しきい値を下回っており、マイクロプラスチックが人間あるいは環境に影響を与えるという信頼できる証拠は無い。ただし汚染が今の速度で続けば状況が変わる可能性がある」とし[56]、世界保健機関(WHO)は「水道水とボトル入り飲料水に含まれるマイクロプラスチックが現状人体に影響を与えることはない」としていた[57][58]。しかし以下に述べるようにそのわずか2-3年後からマイクロプラスチックの人体中への暴露の証拠が次々と見つかってきており、上記の見通しは楽観的すぎたことが明確になった。
ナノプラスチックは貝類や甲殻類の腸組織に浸透することができ[59]、それらを食べる人間の体内に入る[60]。 海産物を食する人は年間11,000個のマイクロプラスチックを摂取すると推定されており、微細なマイクロプラスチックがすでに人間の血液にも見つかっている[61][62][63]。2022年に発表された「Environment International」の研究では、対象とした人々の80%の血液中にマイクロプラスチックが含まれており、マイクロプラスチックが人間の臓器に取り込まれる可能性があることを示した[64]。インドネシアの漁師の便を調査したところ、50%がマイクロプラスチックを含んでいた(1グラムの便あたり3.33〜13.99μgのマイクロプラスチック)[65]。
ハワイは循環する海洋ゴミを運ぶ海流にさらされている。ハワイの住民は全員沿岸郡に住み人口のほぼ50%が週に少なくとも魚介類8オンスを食べており、これは海洋マイクロプラスチックへの曝露と蓄積の増加に関連していると考えられる。胎盤を含む一部の人体組織は法的理由や将来の科学的利用の可能性のために保存されており、人体の内部汚染を遡及的に監視することができる。そこで胎盤を生体内蓄積試験に用いて、妊娠中のマイクロプラスチック曝露を評価し、過去20年間のプラスチック汚染の増加が、ヒト胎盤におけるマイクロプラスチック蓄積の増加と相関しているかどうかを判定した。その結果2023年の調査では、ハワイでの2006年の出産から保存された胎盤の60%にマイクロプラスチックが含まれていたが、2021年にはすでに100%に達していた[54]。
プラスチスフェア:マイクロプラスチックによる新病原体伝播の可能性
プラスチック破片に生息する微生物の集団をプラスチスフェア(plastisphere)という。そこではプラスチックがそれら微生物の人工生息地として機能し、病原体微生物の移動可能な貯蔵庫となりうることが示唆されている[66][67]。わずか1グラムの海洋プラスチックに1立方メートルの外洋水に含まれる微生物バイオマスの10倍が生息している可能性があるとされる[68]。たとえばビブリオ菌は通常外洋では稀だが北大西洋中部のプラスチスフェアに広く分布しており、海中から「ヒッチハイク」することで思いがけない場所での海洋生物や人間に病気を引き起こす可能性がある[69]。
マイクロプラスチック上のプラスチスフェアは、さまざまな経路で生態系や食物連鎖に入りうる。たとえば農作物はサブマイクロメートルの大きさのマイクロプラスチックを直接吸収し根から芽に運ぶことが知られている[70]。数十マイクロメートルを超える大きさのマイクロプラスチックは、頸動脈・肺・結腸などのさまざまな人間の組織や排泄物で見つかっている[71][72]。したがってプラスチスフェアにより病原体や抗菌薬耐性の人類への伝播・拡散が加速し、今までにない伝染病が発生しても何ら不思議ではない[73]。
国際的取組
- 2016年(平成28年)5月16日に富山市で開かれた先進7カ国 (G7)環境相会合で、海を漂う微細プラスチックごみについて「海の生態系にとって脅威だ」との認識を確認した。
- 2016年(平成28年)から福井県小浜市にある福井県立若狭高等学校海洋科学科(旧・福井県立小浜水産高等学校)が、若狭湾におけるマイクロプラスチックの研究を開始し、2019年(令和元年)7月21日、京都大学で日本、アメリカ、台湾の高校生たち約100人が参加した海洋ごみのシンポジウム(国際会議)「international micro plastics youth conference2019 海と日本」を開催。マイクロプラスチックをテーマにしたアメリカのドキュメンタリー映画の翻訳依頼を受け、約10人の生徒が1カ月かけて、映画全体の3分の1を字幕の翻訳作業に取り組んだ。その後、福井県若狭町にある福井県海浜自然センターで上映会が開かれた。また、2020年(令和2年)11月12日、台湾で開催された「第2回国際ユース会議2020」に若狭高校もウェブ参加し、研究内容を発表した。
- 欧州連合(EU)はマイクロプラスチックによる海洋汚染防止のため、EU内で流通するプラスチック製容器・包装などを全て再利用かリサイクルが可能なものへ2030年までに切り替える方針を2018年1月16日に発表した。リサイクル技術向上のため1億ユーロを投じる[74]。
- イギリスのテリーザ・メイ首相は2018年1月11日、2042年までにプラスチック廃棄物を可能な限りなくす長期環境計画を公表した[75]。
- 海洋国家である日本においては環境省が主体となり、他の海洋ゴミと同様に調査・対策研究を進めている[76]。
- 2019年(令和元年)6月28・29日に大阪市で開催された第14回20か国・地域首脳会合 (G20会議)において、2050年までに新たな海洋汚染をゼロに削減する構想「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が提唱され、日本が2025年までに世界で1万人の人材を育成し、廃棄物リサイクル技術を輸出するなどの支援を行う計画も発表した[77]。
- 2020年(令和2年)九州大学応用力学研究所の磯辺篤彦教授(海洋物理学)の研究チームが、日本やタイの他大学や研究機関と連携し、5カ年計画でタイのマイクロプラスチックごみの研究を開始。タイ湾や周辺海域に漂う量や流入経路、生物への影響を分析し、対策をまとめてタイ政府へ提出する予定であると発表した[78]。
脚注
- ^ 『読売新聞』 2016年4月2日 33面掲載。
- ^ ‘環境省_令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第3章第1節 プラスチックを取り巻く国内外の状況と国際動向’. Accessed 17 May 2021. https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r01/html/hj19010301.html.
- ^ ‘Microplastics - ECHA’. Accessed 17 May 2021. https://echa.europa.eu/hot-topics/microplastics.
- ^ US Department of Commerce, National Oceanic and Atmospheric Administration. ‘What Are Microplastics?’ Accessed 17 May 2021. https://oceanservice.noaa.gov/facts/microplastics.html.
- ^ Browne, Mark A: "Ingested microscopic plastic translocates to the circulatory system of the mussel, Mytilus edulis (L.)", Environmental Science & Technology, 42(13), pp. 5026–5031, 2008
- ^ Moore, C J: "A comparison of plastic and plankton in the North Pacific central gyre", Marine Pollution Bulletin 42(12), pp. 1297–1300, 2001
- ^ a b c Moore, Charles James 2008, pp. 131–139.
- ^ “第1回 忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2020年2月17日閲覧。
- ^ 日本環境化学会「地球をめぐる不都合な物質 拡散する化学物質がもたらすもの」講談社 2020年2月7日、p51.52(2021年6月15日閲覧)
- ^ 高田秀重「マイクロプラスチック汚染の現状,国際動向および対策」『廃棄物学会誌』第29巻第4号、廃棄物資源循環学会、2018年、261-269頁、doi:10.3985/mcwmr.29.261、ISSN 18835864。
- ^ a b 山下麗、田中厚資、高田秀重、海洋プラスチック汚染: 海洋生態系におけるプラスチックの動態と生物への影響 『日本生態学会誌』 2016年 66巻 1号 p.51-68, doi:10.18960/seitai.66.1_51
- ^ 微小プラスチックごみ、海洋汚染の要因に 有害物質ため込み濃縮 生態系・人間の健康に悪影響も『日本経済新聞』朝刊2018年2月23日(ニュースな科学面)
- ^ “マイクロプラスチックによる水環境汚染の生態・健康影響研究の必要性とプラスチックのガバナンス” (PDF). 日本学術会議健康・生活科学委員会・環境学委員会合同環境リスク分科会 (2020年4月7日). 2023年6月20日閲覧。
- ^ 「マイクロプラスチックによる水環境汚染の生態・健康影響研究の必要性とプラスチックのガバナンス」『学術の動向』第25巻第5号、日本学術協力財団、2020年5月、5_92-5_93、doi:10.5363/tits.25.5_92、ISSN 1342-3363、CRID 1390848647552167552、2023年6月19日閲覧。
- ^ “洗顔料や歯磨きに含まれる マイクロプラスチック問題 環境省”. 2025年1月16日閲覧。
- ^ European Commission, GREEN PAPER On a European Strategy on Plastic Waste in the Environment, COM(2013)123 final, 7.3.2013, p 6.
- ^ “Accumulation of Microplastic on Shorelines Woldwide: Sources and Sinks”. Environmental Science & Technology 45 (21): 9175–9179. doi:10.1021/es201811s 2012年1月27日閲覧。.
- ^ 「プラスチック微粒子 北極海の氷 汚染最悪レベル」『日本経済新聞』夕刊2018年5月21日(社会・スポーツ面)2018年5月26日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “流出するマイクロプラスチック 稲作で使う○○が海や川に”. NHKニュース. 2021年5月19日閲覧。
- ^ 施設管理部 環境管理課. “2-5-2 下水道におけるマイクロプラスチック調査の動向について” (PDF). 東京都. 2023年6月5日閲覧。
- ^ a b 牛島大志、田中周平、鈴木裕識 ほか、日本内湾および琵琶湖における摂食方法別にみた魚類消化管中のマイクロプラスチックの存在実態 『水環境学会誌』 2018 年 41 巻 4 号 p. 107-113, doi:10.2965/jswe.41.107
- ^ “魚4割、体内に微細プラ 国内各地の海や湖で確認 京大「影響調査を」”. 『日本経済新聞』夕刊. (2017年9月5日)
- ^ “9割の食塩からマイクロプラスチックを検出”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2020年2月4日閲覧。
- ^ “塩を控えすぎていませんか? ~予防医学から見る、減塩の弊害~|(株)EM生活”. www.em-seikatsu.co.jp. 2020年2月4日閲覧。
- ^ “太平洋のゴミ、想像以上の規模だと判明”. 『スプートニク日本』. (2018年3月25日)
- ^ ロジャー・ハーラビン (2019年8月15日). “北極にプラスチックの雪が降っている……最新研究で明らかに” (日本語). BBC NEWSジャパン 2019年8月18日閲覧。
- ^ Morgan, McFall-Johnsen (2022年3月30日). “マイクロプラスチック、人間の血液内で発見される…その影響は今のところ「何も分かっていない」”. BUSINESS INSIDER. 2022年3月30日閲覧。
- ^ 大気中マイクロプラスチックの現状と課題,大気環境学会誌,2022年,57巻3号,p.A66~A72,大河内博,吉田昇永,趙鶴立,藤川真智子,谷悠人,勝見尚也,宮崎あかね,高田秀重,板谷庸平,緒方裕子,新居田恭弘,梅澤直樹,小林華栄,浦山憲雄
- ^ コロナ禍における海洋プラスチック汚染を考える,原田禎夫,2021,森林環境,p17~20
- ^ “Microplastics detected in meat, milk and blood of farm animals”. 2022年7月13日閲覧。
- ^ Urbanek, Aneta K.; Rymowicz, Waldemar; Mirończuk, Aleksandra M. (2018-09-01). “Degradation of plastics and plastic-degrading bacteria in cold marine habitats” (英語). Applied Microbiology and Biotechnology 102 (18): 7669–7678. doi:10.1007/s00253-018-9195-y. ISSN 1432-0614. PMC PMC6132502. PMID 29992436 .
- ^ Thompson, Richard C. (2004-05-07). “Lost at Sea: Where is All the Plastic”. Science 304: 838.
- ^ Barnes, David K: "Accumulation and fragmentation of plastic debris in global environments", Phil. Trans. R. Soc. B, 364, pp. 1985–1998, 2002, doi:10.1098/rstb.2008.0205 PMID 19528051
- ^ Gregory, M R: "Environmental implications of plastic debris in marine settings – entanglement, ingestion, smothering, hangers-on, hitch-hiking and alien invasions", Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci, 364(1526), pp. 2013–2025, 2009
- ^ 九州大学『海に漂うマイクロプラスチックの年齢を推定する手法を開発』(レポート)2023年5月15日 。
- ^ Rie Okubo; Aguru Yamamoto; Akihiro Kurima; Terumi Sakabe et al. (2023). “Estimation of the age of polyethylene microplastics collected from oceans: Application to the western North Pacific Ocean”. Marine Pollution Bulletin (Elsevier) 192. doi:10.1016/j.marpolbul.2023.114951.
- ^ “プラスチックは太陽と細菌が分解、だからもう大丈夫?”. Molly Taft - Gizmodo (2024年4月11日). 2024年6月1日閲覧。
- ^ Annalisa Delre; Maaike Goudriaan; Victor Hernando Morales; Annika Vaksmaa et al. (2023). “Plastic photodegradation under simulated marine conditions”. Marine Pollution Bulletin (Elsevier) 187. doi:10.1016/j.marpolbul.2022.114544.
- ^ Maaike Goudriaan; Victor Hernando Morales; Marcel T.J. van der Meer; Anchelique Mets et al. (2023). “A stable isotope assay with 13C-labeled polyethylene to investigate plastic mineralization mediated by Rhodococcus ruber”. Marine Pollution Bulletin (Elsevier) 186. doi:10.1016/j.marpolbul.2022.114369.
- ^ A. Vaksmaa; H. Vielfaure; L. Polerecky; M.V.M. Kienhuis et al. (2024). “Biodegradation of polyethylene by the marine fungus Parengyodontium album”. Science of The Total Environment (Elsevier) 934 (15). doi:10.1016/j.scitotenv.2024.172819.
- ^ Melanie Bergmann; Sophia Mützel; Sebastian Primpke; Mine B. Tekman; Jürg Trachsel; Gunnar Gerdts (2019-08-14). “White and wonderful? Microplastics prevail in snow from the Alps to the Arctic(白くて素晴らしい? マイクロプラスチックは、アルプスから北極圏にかけて雪が降る)” (英語). サイエンス・アドバンシス 5 (8). doi:10.1126/sciadv.aax1157 2019年8月18日閲覧。.
- ^ Steve Allen; Deonie Allen; Vernon R. Phoenix; Gaël Le Roux; Pilar Durántez Jiménez; Anaëlle Simonneau; Stéphane Binet; Didier Galop (2019-06-18). “Atmospheric transport and deposition of microplastics in a remote mountain catchment(遠くの山岳流域における大気輸送とマイクロプラスチックの堆積)” (英語). Nature Geoscience 12: 339–344. doi:10.1038/s41561-019-0335-5 2019年8月18日閲覧。.
- ^ “そよ風で移動するマイクロプラスチック”. Nature Geoscience (2019年4月16日). 2019年8月18日閲覧。
- ^ “プラスチック、南極の陸上食物連鎖に「すでに侵入」研究”. AFP BB News (2020年6月24日). 2020年6月24日閲覧。
- ^ “プラスチック微粒子、大気中にも飛散か…新宿で1立方mから5・2個検出”. 読売新聞オンライン (2022年5月11日). 2022年5月11日閲覧。
- ^ Mato Y: "Plastic resin pellets as a transport medium for toxic chemicals in the marine environment", Environmental Science & Technology 35(2), pp. 318–324, 2001
- ^ José G.B Derraik (2002). “The pollution of the marine environment by plastic debris: a review”. Marine pollution bulletin (Elsevier) 44 (9): 842-852. doi:10.1016/S0025-326X(02)00220-5 .;
Teuten, E L: "Transport and release of chemicals from plastics to the environment and to wildlife", Philosophical Transactions of the Royal Society B – Biological Sciences, 364(1526), pp. 2027–2045, 2009 - ^ Teuten, Emma L; Saquing, Jovita M; Knappe, Detlef RU; Barlaz, Morton A; Jonsson, Susanne; Björn, Annika; Rowland, Steven J; Thompson, Richard C; Galloway, Tamara S; Yamashita, Rei; others (2009). “Transport and release of chemicals from plastics to the environment and to wildlife”. Philosophical transactions of the royal society B: biological sciences (The Royal Society) 364 (1526): 2027-2045. doi:10.1098/rstb.2008.0284 .
- ^ Wright, Stephanie L.; Kelly, Frank J. (2017-09-25). “Threat to human health from environmental plastics” (英語). BMJ 358: j4334. doi:10.1136/bmj.j4334. ISSN 0959-8138. PMID 28947623.
- ^ Benson, Robert (March 2009). “Hazard to the developing male reproductive system from cumulative exposure to phthalate esters—dibutyl phthalate, diisobutyl phthalate, butylbenzyl phthalate, diethylhexyl phthalate, dipentyl phthalate, and diisononyl phthalate” (英語). Regulatory Toxicology and Pharmacology 53 (2): 90–101. doi:10.1016/j.yrtph.2008.11.005. PMID 19110024.
- ^ Kim, Min Joo; Moon, Shinje; Oh, Byung-Chul; Jung, Dawoon; Choi, Kyungho; Park, Young Joo (February 2019). “Association Between Diethylhexyl Phthalate Exposure and Thyroid Function: A Meta-Analysis” (英語). Thyroid 29 (2): 183–192. doi:10.1089/thy.2018.0051. ISSN 1050-7256. PMC 6488044. PMID 30588877 .
- ^ Kannan, Kurunthachalam; Vimalkumar, Krishnamoorthi (2021-08-18). “A Review of Human Exposure to Microplastics and Insights Into Microplastics as Obesogens” (English). Frontiers in Endocrinology 12. doi:10.3389/fendo.2021.724989. ISSN 1664-2392 .
- ^ D'Angelo, Stefania; Meccariello, Rosaria (2021-01). “Microplastics: A Threat for Male Fertility” (英語). International Journal of Environmental Research and Public Health 18 (5): 2392. doi:10.3390/ijerph18052392. ISSN 1660-4601 .
- ^ a b Weingrill, Rodrigo Barbano; Lee, Men-Jean; Benny, Paula; Riel, Jonathan; Saiki, Kevin; Garcia, Jacob; Oliveira, Lais Farias Azevedo de Magalhaes; Fonseca, Eduardo Jorge da Silva et al. (2023-10-01). “Temporal trends in microplastic accumulation in placentas from pregnancies in Hawaiʻi”. Environment International 180: 108220. doi:10.1016/j.envint.2023.108220. ISSN 0160-4120 .
- ^ “Microplastic Pollution | SAM - Research and Innovation - European Commission”. ec.europa.eu. 2019年7月4日閲覧。
- ^ “A scientific perspective on microplastics in nature and society | SAPEA”. www.sapea.info. 2019年7月4日閲覧。
- ^ | 飲料水中のマイクロプラスチック「現状では人体に危険ない」 WHO 2019年8月29日 閲覧
- ^ “Microplastics in drinking-water”. WHO (2019年8月28日). 2024年8月8日閲覧。
- ^ Lehner, Roman; Weder, Christoph; Petri-Fink, Alke; Rothen-Rutishauser, Barbara (2019-01-10). “Emergence of Nanoplastic in the Environment and Possible Impact on Human Health”. Environmental Science & Technology 53 (4): 1748–1765. Bibcode: 2019EnST...53.1748L. doi:10.1021/acs.est.8b05512. ISSN 0013-936X. PMID 30629421 .
- ^ Waring, R.H.; Harris, R.M.; Mitchell, S.C. (September 2018). “Plastic contamination of the food chain: A threat to human health?”. Maturitas 115: 64–68. doi:10.1016/j.maturitas.2018.06.010. ISSN 0378-5122. PMID 30049349.
- ^ Microplastics and Micropollutants in Water: Contaminants of Emerging Concern (Report) (英語). European Investment Bank. 27 February 2023.
- ^ “Microplastics are in our bodies. How much do they harm us?” (英語). Environment (2022年4月25日). April 25, 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月17日閲覧。
- ^ Smith, Madeleine; Love, David C.; Rochman, Chelsea M.; Neff, Roni A. (2018). “Microplastics in Seafood and the Implications for Human Health”. Current Environmental Health Reports 5 (3): 375–386. Bibcode: 2018CEHR....5..375S. doi:10.1007/s40572-018-0206-z. ISSN 2196-5412. PMC 6132564. PMID 30116998 .
- ^ Carrington, Damian (March 24, 2022). “Microplastics found in human blood for first time”. The Guardian March 28, 2022閲覧。
- ^ Luqman, Arif; Nugrahapraja, Husna; Wahyuono, Ruri Agung; Islami, Izzatul; Haekal, Muhammad Husain; Fardiansyah, Yasri; Putri, Balqis Qonita; Amalludin, Fahmi Ikhlasul et al. (2021-12-16). “Microplastic Contamination in Human Stools, Foods, and Drinking Water Associated with Indonesian Coastal Population” (英語). Environments 8 (12): 138. doi:10.3390/environments8120138. ISSN 2076-3298.
- ^ Amaral-Zettler, Linda A.; Zettler, Erik R.; Mincer, Tracy J. (2020-03). “Ecology of the plastisphere” (英語). Nature Reviews Microbiology 18 (3): 139–151. doi:10.1038/s41579-019-0308-0. ISSN 1740-1534 .
- ^ Li, Changchao; Gillings, Michael R.; Zhang, Chao; Chen, Qinglin; Zhu, Dong; Wang, Jie; Zhao, Kankan; Xu, Qicheng et al. (2024-01-08). “Ecology and risks of the global plastisphere as a newly expanding microbial habitat”. The Innovation 5 (1): 100543. doi:10.1016/j.xinn.2023.100543. ISSN 2666-6758 .
- ^ 『Mincer, T. J., Zettler, E. R. & Amaral-Zettler, L. A. in Hazardous Chemicals Associated with Plastics in the Marine Environment (Editor: Takada, H. & Karapanagioti, H. K.)』Springer International、2016年、221–233頁。
- ^ Bowley, Jake; Baker-Austin, Craig; Porter, Adam; Hartnell, Rachel; Lewis, Ceri (2021-02-01). “Oceanic Hitchhikers – Assessing Pathogen Risks from Marine Microplastic”. Trends in Microbiology 29 (2): 107–116. doi:10.1016/j.tim.2020.06.011. ISSN 0966-842X .
- ^ Li, Lianzhen; Luo, Yongming; Li, Ruijie; Zhou, Qian; Peijnenburg, Willie J. G. M.; Yin, Na; Yang, Jie; Tu, Chen et al. (2020-11). “Effective uptake of submicrometre plastics by crop plants via a crack-entry mode” (英語). Nature Sustainability 3 (11): 929–937. doi:10.1038/s41893-020-0567-9. ISSN 2398-9629 .
- ^ Marfella, Raffaele; Prattichizzo, Francesco; Sardu, Celestino; Fulgenzi, Gianluca; Graciotti, Laura; Spadoni, Tatiana; D’Onofrio, Nunzia; Scisciola, Lucia et al. (2024-03-07). “Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events” (英語). New England Journal of Medicine 390 (10): 900–910. doi:10.1056/NEJMoa2309822. ISSN 0028-4793. PMC PMC11009876. PMID 38446676 .
- ^ Sun, Anqi; Wang, Wen-Xiong (2023-09-15). “Human Exposure to Microplastics and Its Associated Health Risks” (英語). Environment & Health 1 (3): 139–149. doi:10.1021/envhealth.3c00053. ISSN 2833-8278 .
- ^ Li, Changchao; Liu, Jian; Rillig, Matthias C.; Bank, Michael S.; Fantke, Peter; Zhu, Dong; Zhu, Yong-Guan; Jin, Ling N. (2024-10). “What harmful microbes are lurking in the world’s 7 billion tonnes of plastic waste?” (英語). Nature 634 (8032): 30–32. doi:10.1038/d41586-024-03150-6 .
- ^ EU、使い捨てプラ容器追放へ 再利用へ30年までに実現共同通信2018年1月17日(2018年2月8日閲覧)
- ^ 【大機小機】欧州のプラスチック規制『日本経済新聞』朝刊2018年2月2日
- ^ 海洋ごみシンポジウム2016 海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取組 平成28年12月10日
- ^ 大阪ブルー・オーシャン・ビジョン外務省2019年6月29日(2019年6月30日閲覧)
- ^ “東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成”. JST科学技術振興機構 SATREPS地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム. 2024年8月15日閲覧。
参考文献
- チャールズ・モア、カッサンドラ・フィリップス著、海輪明秀訳『プラスチックスープの海-北太平洋巨大ごみベルトは警告する』NHK出版、2012年8月25日、ISBN 978-4-14-081560-1 、pp 284-285 (Charles Moor and Cassandra Phillips, “PLASTIC OCEAN”, 2011).
- European Commission, GREEN PAPER On a European Strategy on Plastic Waste in the Environment, COM(2013)123 final, 7.3.2013, p 6, pp 14-16.[1]
- Lusher, A.L., et al. Occurrence of microplastics in the gastrointestinal tract of pelagic and demersal fish from the English Channel. Mar. Pollut. Bull. (2012), doi:10.1016/j.marpolbul.2012.11.028
- 小島あずさ・眞淳平 著、『海ゴミ-拡大する地球環境汚染』中公新書、2007年7月25日、ISBN 978-4-12-101906-6、pp77-83、pp 99-100、pp 137-158、pp 212-222.
- 人工芝の微プラ、河川に、グラウンドから流出、12都道府県で確認、海洋汚染の原因。,2020/04/07,日本経済新聞,夕刊
- マイクロプラスチックの発生源は?,2022/06/19,株式会社ミタデン
- 海の豊かさを壊すマイクロプラスチックとは?【SDGs】でも課題になっている海洋プラスチックの問題を考えよう!,ベネッセ教育情報サイト,2022/06/19
- 第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失,環境省,2022/06/19
- コロナ禍における海洋プラスチック汚染を考える,原田禎夫,2021,森林環境,p17~20
- Moore, Charles James (2008). “Synthetic polymers in the marine environment: a rapidly increasing, long-term threat”. Environmental research (Elsevier) 108 (2): 131-139. doi:10.1016/j.envres.2008.07.025 .
関連文献
- 中嶋亮太『海洋プラスチック汚染: 「プラなし」博士,ごみを語る』岩波書店〈岩波科学ライブラリー〉、2019年9月。ISBN 978-4000296885。
- 磯辺篤彦『海洋プラスチックごみ問題の真実:マイクロプラスチックの実態と未来予測』化学同人〈DOJIN選書〉、2020年7月。ISBN 978-4759816860
関連項目
- 海洋プラスチック汚染
- 漂流・漂着ごみ
- 太平洋ゴミベルト
- 内分泌かく乱物質
- 生分解性プラスチック
- ごみ問題
- ダイオキシン
- 温室効果ガス
- 黄砂
- 粒子状物質
- 公害
- アスベスト
- 海洋汚染
- 大気汚染
- 下水道
- プラスチック汚染
外部リンク
- NOAA Marine Debris Program
- Algalita
- チャールズ・ムーアが語るプラスチックの海の講演映像 - TEDカンファレンス
- Microplastics
- International Pellet Watch
- プラスチックを含む海洋ごみ(漂流・漂着・海底ごみ)対策 - 環境省
- マイクロプラスチック問題 - ecosci.jp(生活環境化学の部屋)
- マイクロプラスチック、ナノプラスチックの問題点と対策 - ナノ粒子応用研究会
- 高田 秀重、マイクロプラスチックの地球化学 日本地球化学会 『2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集』 p.222-, doi:10.14862/geochemproc.64.0_222
- プラなし生活 - 海洋研究開発機構研究員である中嶋亮太氏が運営者の一人
- マイクロプラスチック調査及び発生減対策- 埼玉県
- マイクロプラスチックって何?- 山梨県
- マイクロプラスチックについて - 大阪市
- 海の豊かさを壊すマイクロプラスチックとは?【SDGs】でも課題になっている海洋プラスチックの問題を考えよう! - ベネッセ教育情報
- 『日本経済新聞』、2014年3月6日、"洗顔料のプラスチック粒子、米で規制へ 湖沼汚染を懸念"
- 動画
-
- Addicted To Plastic - YouTube
- Addicted to Plastic at Bullfrog Films and at Cryptic Moth
- マイクロプラスチックのページへのリンク