仕入
仕入
姓 | 読み方 |
---|---|
仕入 | しいれ |
仕入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/12 14:04 UTC 版)
仕入(しいれ)とは、消費者や小売業者、卸売業者などへ販売したり製品化する目的で商品・材料などをメーカー、卸売業者から購入すること。また、簿記・経理用語として勘定科目の一つで、勘定科目の5要素では費用に属する。通常物品を購入した場合には借方に「仕入」として仕訳され、反対勘定には掛による仕入れの場合は「買掛金」、現金による購入の場合には「現金」勘定に仕訳される[1][2][3]。
概要
商品や材料を調達する行為、およびその価格を指す。会計では、主要な勘定科目のひとつで、通常借方勘定となる。日常の仕訳では「仕入」と表現されるが、損益計算書上は「当期商品仕入高」と表記される。決算整理後の「仕入」は、前期繰越商品が加算され、当期繰越商品が減算されているため、商品仕入高と異なる。 通常商品の仕入は売上原価に計上され、製品を生産する目的の原材料の仕入については製造原価に計上される。また、仕入れにかかる運送料などの費用は購入費とともに仕入れに計上されるのが一般的[4][1][3]。
例えば、不動産会社が主たる事業で販売目的で土地・建物などの不動産を購入した場合には、仕入勘定で処理をするが、一般の法人や個人が、自己使用目的で購入した土地・建物を転売した場合は、購入代金は、仕入には計上できない[3]。
仕入後の商品は販売までは、資産とみなされ、決算期には棚卸資産として貸借対照表に計上される。また決算整理時に、費用収益対応の原則の要請により、売上原価として算定し直される[3]。
関連項目
脚注
- ^ コトバンク - 仕入
- ^ a b c d 経済 簿記勘定科目一覧表
- ^ マネー辞典
仕入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 01:52 UTC 版)
百貨店が誕生した当時は欧米などと同じく、現金販売による資金回収の速さと大量販売・大量仕入による低価格戦略を採っていたため、「買い取り仕入れ」と呼ばれる完全に買い取り、売れ残っても返品しない仕入形態を採るのが普通であった。 下表の通り1958年(昭和33年)にはまだ70%近くを買い取り仕入で行っており、在庫リスクを自社で背負いながらも高い粗利益率を確保する欧米と同様の営業形態が残っていたが、1987年(昭和62年)には逆に一時的に買い取りはするが、商品が売れ残ると返品できる「委託仕入れ」が約3分の2を占め比率が完全に逆転し、「買い取り仕入」は約20%にまで減少している。そして現在では推計が正しければ売れた時点で仕入と見なす「売上げ仕入れ(消化仕入)」と一段と百貨店側のリスクも関与も少ない仕入形態の比率を高めており、幅広くきめ細かな品揃えを可能にしてきたが、アメリカの百貨店の最終粗利益率は40%に対して、日本の百貨店は26%程度ときわめて低収益で、売り方や価格設定などの自主性もほとんどなくしてしまったとの厳しい評価がされることも多い。 しかし、こうした批判に対して大丸や松坂屋を傘下に持つJ.フロント リテイリングのCEO奥田務はむしろ日本特有のユニークな制度として強みとしてとらえ、「買い取り仕入」による「自主運営売場」と「売上仕入」による「ショップ運営売場」を混同して各々に合わせた管理・運営を行ってこなかったために高コストになり、その結果として「粗利益率は低いが顧客が求める新鮮な商品やショップを導入できなかった」ことにより「顧客の求める商品やブランドが百貨店に少なくなり、お客様が離れる」という悪循環に陥ったことこそが問題だとしている。 全売上の80%を占める“売上仕入”中心の「ショップ運営売場」を最終粗利益率は低いものの、低経費で高収益な売場であるとして、運営方法の見直しによる低コスト化を推進することで「粗利益率や既存の取引先にこだわりすぎずに新たなショップやブランド導入」を進めて魅力的な売り場作りを行うことが重要だと反論しており、専門家と実際の経営を行う経営者との間で見解の相異があることが浮き彫りになっている。 なお、2021年4月1日以降に開始する事業年度から強制適用される企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」では、消化仕入は「本人取引」ではなく「代理人取引」とみなされるため、売上-仕入の純額のみを売上高とする必要があり、利益は変わらないものの売上高は大きく下がる可能性がある。 仕入形態1958年1987年現在(推定)買い取り仕入れ 69.1% 21.0% 10.0% 委託仕入れ 23.6% 66.4% 40.0% 売上げ仕入れ(消化仕入) 7.3% 12.6% 50.0% 「百貨店返品制度の研究」江尻弘著 中央経済社 2003年より
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「仕入」の例文・使い方・用例・文例
- 仕入れ帳
- 当店ではこの3月に水着を仕入れます
- 彼が商品をメーカーから直接仕入れます
- いつもの仕入れ先は近ごろ、特定のプリンターカートリッジを切らしているので、その注文に応じるにはさらに時間がかかる可能性があります。
- そのバーは、最高級のワインしか仕入れないことで定評があります。
- 我々は机を仕入れすぎてしまっている。
- OTB法は、仕入れすぎにブレーキをかける役割を果たしている。
- 価格差異とは実際の仕入れ価格と標準価格の差を意味する。
- 課税仕入とは課税売上から控除できる仕入額のことである。
- 我々は、共同仕入を行うことで価格を抑え、より良い資材を低価格で提供することがでる。
- 当店は現金仕入を行っているので、お客様に低価格で商品を提供出来ます。
- 仕入割引は、損益計算書では営業外収益として計上される。
- 仕入債務とは、通常の営業取引で発生した支払手形と買掛金の合計をさす。
- 仕入債務回転率は、売上原価を仕入債務残高で割って算出する。
- 集中仕入方式は効率、在庫管理および購買力を強化する。
- 日本の百貨店がとる三つの仕入れ方法の一つが売上仕入である。
- 量販店は一次卸から直接仕入れることでコストを削減する。
- 入札は企業が使うことができる仕入方法の一つである。
- 買掛金勘定は、決済が仕入れの後になされたときに行われる。
- 当店では商品を二次卸から仕入れている。
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