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伊勢踊りとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 伊勢踊りの意味・解説 

いせ‐おどり〔‐をどり〕【×勢踊(り)】

読み方:いせおどり

伊勢の神を諸国伝え神送り踊り近世初期起こり、たびたび流行。のちに伊勢音頭交じりあった。


伊勢踊り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/31 02:29 UTC 版)

伊勢踊り(いせおどり)は、日本で近世に流行した舞踊の一種。

起源

伊勢踊りの先駆は室町時代に現われたとされる[1]松坂の伊勢踊りが伊勢神宮の信仰とともに日本各地に広まったといわれている[2]。ただし、四国地方には鎌倉時代元寇(特に弘安の役)のとき大風が吹き、これを「伊勢の神風」といい、この神風をたたえて神前で踊ったのが伊勢踊りの起こりであるとする伝承がみられる[3][4][5]

名古屋市史 風俗編』(1915年)によると、『三河記』にある文明11年(1479年)7月の安祥城攻めの時に松平信光(左京亮信光)の軍が伊勢踊りの踊り子に紛れて城内に入った記述が最古という[6]。異説もあり『舞曲扇林』(河原崎権之助著)は桂甚内ら伊勢山田の一行が京都へ途上する際に始まったとする[6]

日本各地の伊勢踊りに関しては、後述の慶長19年(1614年)の伊勢地方での風流踊りの流行のときに広まったものともいわれる[7]

なお、折口信夫は伊勢神宮の万度祓(まんどはらい)との関連性を指摘している[8]

近世の流行

『張州旧話略』によると慶長18年(1613年)8月に伊勢踊りは諸国に流行し、清須の町中でもみられ稀有の珍事としている[6]

智仁親王御年暦』によると慶長19年(1614年)9月に「洛中伊勢おとりアリ」と記され、このときには「伊勢大明神御夢想」と称され(『言緒卿記』慶長十九年九月廿四日)、規模は「京中町々毎四五十人」(『孝亮宿弥日次記』同九月廿三日)で「一躍笠鉾三ツ計、金銀花餝衣裳」(『梵舜日記』同十月二日)と様子が記されている[9]。このときの伊勢踊りは畿内から関東に至るまで大流行がみられた[9]

その後も元和元年(1615年)、元和二年(1616年)、寛永元年(1624年)、承応2年(1653年)などたびたび流行した[6]

近世の伊勢神宮への庶民信仰の昻揚が背景にあるとされ、幕末のええじゃないかとの関連も指摘されている[10]

文化財

  • お伊勢踊り(愛媛県西予市三瓶町二及、西予市指定文化財)[3]
  • 僧都の伊勢踊り(愛媛県愛南町若宮神社、愛南町指定文化財)[3]

脚注

  1. ^ 林 謙三「江戸初期俗謡の復原の試み―特に糸竹初心集の小唄について―」『奈良学芸大学紀要』第7巻第1号、奈良学芸大学、1957年12月15日、21-44頁、NAID 120002695841 
  2. ^ 頸城松坂”. 頸城松坂. 2023年4月18日閲覧。
  3. ^ a b c 市指定 お伊勢踊り”. 西予市 (2018年). 2023年4月18日閲覧。
  4. ^ 僧都の伊勢踊り”. 愛南町. 2023年4月18日閲覧。
  5. ^ 三崎地域の行事・イベント”. 伊方町. 2023年4月18日閲覧。
  6. ^ a b c d 『名古屋市史 風俗編』266-267頁”. Google books. 2023年4月18日閲覧。
    名古屋市『名古屋市史』 風俗編、名古屋市、1916年、163頁。doi:10.11501/950890全国書誌番号:43018669https://dl.ndl.go.jp/pid/950890/1/163 
  7. ^ 伊勢踊り衣装”. 文化遺産オンライン. 2023年4月18日閲覧。
  8. ^ 折口信夫. “感謝すべき新東京年中行事――第四回郷土舞踊と民謡の会・批判――”. 青空文庫. 2023年4月18日閲覧。
  9. ^ a b 井出幸男「「上覧風流踊」のおどり歌 -江戸初期歌謡資料の考察-」『国文学研究』第74巻、早稲田大学国文学会、1981年6月、47-65頁、hdl:2065/43019ISSN 0389-8636CRID 1050001202459129472 
  10. ^ 『愛媛県史 学問・宗教』”. データベース『えひめの記憶』. 2023年4月18日閲覧。


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