初等関数
初等関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/19 15:06 UTC 版)
∀ A ∈ C n × n , f : C → C {\displaystyle \forall A\in \mathbb {C} ^{n\times n},\quad f:\mathbb {C} \to \mathbb {C} } が与えられたとする。このとき f ( z ) {\displaystyle f(z)} がどのような関数であれば f ( A ) {\displaystyle f(A)} に行列としての意味を持たせられるかを考える。自然に思いつくのは多項式の場合: f ( z ) = c 0 + c 1 z + ⋯ + c m z m {\displaystyle f(z)=c_{0}+c_{1}z+\cdots +c_{m}z^{m}} このときは当然ながら、 f ( A ) = c 0 I + c 1 A + ⋯ + c m A m {\displaystyle f(A)=c_{0}I+c_{1}A+\cdots +c_{m}A^{m}} と定義するのが合理的である。この考えを発展させることで f ( z ) := ∑ k = 0 ∞ c k z k {\displaystyle f(z):=\sum _{k=0}^{\infty }c_{k}z^{k}} と定義されているときには f ( A ) := ∑ k = 0 ∞ c k A k {\displaystyle f(A):=\sum _{k=0}^{\infty }c_{k}A^{k}} と定義すればよいということが言える (もちろん行列からなる無限列の収束を適切に定義することも必要不可欠である)。例えば行列指数関数などの初等関数は次のように定められる: exp A := ∑ k = 0 ∞ 1 k ! A k , {\displaystyle \exp A:=\sum _{k=0}^{\infty }{\frac {1}{k!}}A^{k},} sin A := ∑ k = 0 ∞ ( − 1 ) k ( 2 k + 1 ) ! A 2 k + 1 , cos A := ∑ k = 0 ∞ ( − 1 ) k ( 2 k ) ! A 2 k . {\displaystyle \sin A:=\sum _{k=0}^{\infty }{\frac {(-1)^{k}}{(2k+1)!}}A^{2k+1},\quad \cos A:=\sum _{k=0}^{\infty }{\frac {(-1)^{k}}{(2k)!}}A^{2k}.} もしも f ( z ) {\displaystyle f(z)} がベキ級数表示を持たない場合はLagrange-Sylvester 多項式という道具を使って f ( A ) {\displaystyle f(A)} を定めることができる。
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