単項式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/25 04:49 UTC 版)
数学における単項式(たんこうしき、英: monomial)とは、大ざっぱに言えばただひとつの項しかもたない多項式(整式)のことをいう。単項式は多項式(あるいは形式冪級数)の項として、一般の多項式(形式冪級数)を構成する構成ブロックの役割を果たす。"polynomial"(多項式)という単語は「多数」を意味する接頭辞 "poly-" に(「部分」を意味する)ギリシャ語 "νομός" (nomós) を足したものに由来するので、monomial(単項式)は理論上は "mononomial" と呼ばれるべきであり、"monomial" は "mononomial" の語中音消失 (haplology) である[1]。
定義
単項式とは、変数の冪積(べきせき、power product)[注釈 1]と係数と呼ばれる定数との積として書ける多項式の一種を言う。任意の変数 x に対する x0 に関して空積の規約のもと 1 (=x0) と見なされるから、定数も定数項のみからなる単項式と考えるのが普通である。
変数を x, y, z とし、係数を複素数にとれば
- −7x5 や (3 − 4i)x4yz13
などを単項式の例に挙げることができる。多項式における変数の冪指数は非負整数に限られるから、ここでの冪積に現れる冪指数もそのようなものに限る。ただし、特定の文脈において多項式を一般化する概念を単に「多項式」と呼ぶような場合には、それに対応する意味での「単項式」の冪指数も非負整数以外の値を取り得る。例えばローラン級数の文脈における「単項式」(ローラン単項式)の指数は負でもよく、ピュイズー級数の文脈における「単項式」(ピュイズー単項式)の指数は有理数となり得る。
係数を持たない変数の(非負整数冪の)冪積という意味に限って「単項式」と呼ぶ場合も少なからずある[注釈 2]。この意味における単項式は、一変数の場合 非負整数 n を冪指数とする x の冪 xn に限られる(n = 0 のときは 1 になる)。多変数の場合、例えば変数が x, y, z のとき任意の単項式は a, b, c を非負整数として
「単項式」の例文・使い方・用例・文例
- 単項式という数式
- 単項式のページへのリンク