Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

国際紛争とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 社会運動 > 紛争 > 国際紛争の意味・解説 

こくさい‐ふんそう〔‐フンサウ〕【国際紛争】

読み方:こくさいふんそう

国家間生じ紛争

「国際紛争」に似た言葉

国際紛争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 16:17 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

国際紛争(こくさいふんそう、: international conflict, international dispute, international controversy)は、国家をはじめとする行為主体の間において国際的な価値・利益の対立によって起こる紛争。一方の当事国が明確な請求を出し、他方の当事国がこれを拒絶して反対の請求を出している状態である。広義には戦争も含まれるが、一般的には戦争に至らない国家間の紛争をいう。

国際紛争の形態と要因

国際紛争の形態は、主に大国間、大国と小国間、小国間同士、国家対脱国家主体間、国家集団間、脱国家主体間同士、支配民族対少数民族間の紛争などに分類することができる。そして、国際紛争の要因とは、戦略的帝国主義による紛争、冷戦以降の大国間の覇権争いを背景とする代理戦争、国家の威信をめぐる紛争や帝国主義による侵略戦争、限定的な領土をめぐる紛争、国家の統一をめぐる紛争や正当な政府の地位をめぐる紛争、民族独立・解放戦争、その他分類不能な紛争があげられる。

国際紛争の類型としては単一の国際紛争もあれば複数の国際紛争が複雑に絡み合う複合的国際紛争の場合もある。いずれも国際紛争は対立点が明白かつ具体的であるのに対して、争点が特定されない国際抗争(または国際対立、international conflict)という事態も発生している。国際紛争が処理(settlement)の対象であるのに対して国際抗争では解決(resolution)の対象となる。国際紛争の処理によって国際抗争が消滅する場合もあればしない場合もある。但し、国際抗争が国際政治学的アプローチであるのに対して国際法学としては国際紛争の処理のみを対象として考察される。

大国間の紛争とは、イギリスフランスなど欧州列強同士の戦争や太平洋戦争終了後のアメリカソ連冷戦体制の紛争など政治経済面で世界を巻き込む影響力を持つ紛争があげられる。まさにこれは戦略的帝国主義や国家の威信をかけた紛争であったといえる。これに対して小国間同士とは国境をめぐる紛争はタイカンボジアの国境紛争などがある。

国際紛争において戦争はすべではない。冷戦のように外交上の対立関係にあってもすべてが軍事衝突を伴うものではなかった。しかし、世界の歴史において過去3500年の間に紛争がなかった年は270年程度であり、有史以来、人類は国家・民族紛争の中心に戦争があったことは事実であろう。

国際紛争の平和的処理

国際社会は19世紀以来、幾度となく国際法において戦争の違法化を推進してきた。しかし、それは歴史的にも困難をきわめてきた。たとえば、国際法上において初めて国際紛争における戦争違法化を果たした不戦条約であるが、しかし、不戦条約が第二次世界大戦の阻止につながらなかったように、それは徹底して遵守されなかった。

国際紛争の平和的処理がはじめて採択されたのは、1899年に開催された第1回ハーグ平和会議であり、1907年の第2回ハーグ平和会議で修正された国際紛争平和的処理条約が成立した。これが第一次世界大戦後の1921年、国際連盟規約につながり、1928年の国際紛争平和的処理一般議定書、第二次世界大戦後の国際連合憲章と続けて採択されてきたのも、まさに世界政府のないアナーキカルソサイエティ(無政府社会)といわれる国際社会において、「国際法という規範」と「各国家の利益または武力を中心としたパワー」とが相剋関係にあるためである。

国際法上、国際紛争の処理手続きには、交渉(negotiataion)、周旋(good office)、仲介(mediation)、調停(conciliation)、審査(inquiry)がある。法律的紛争は裁判手続きをとるが、政治的紛争に対しては調停などにより処理を図ることとされる。即ち、国際紛争を平和的処理を履行する上ではこれらの手法に基づき、国際司法裁判所国際海洋法裁判所などにおいて国際司法の判断を仰ぐか、或いは外交努力により解決するのが望ましい。しかし、紛争当事国が原告として国際司法に提訴した場合、被告となる国が応訴しなければ国際裁判として成立せず、この場合、国際司法は国際紛争の平和的処理に十分な機能を果たせない。これはそもそも国家は国際司法における応訴義務を批准しない限り、国家に裁判義務がないことによるものである。

日本などでは、憲法において自国が国際紛争において武力の行使を禁止するなどとしているが、その他の諸外国にあっては、けっしてそれら戦争の違法化が徹底されていないことも国際紛争の解決を困難としている。

関連項目

参照資料

  • 下中弘編『大百科辞典』(平凡社、1996年)
  • ジョセフ・ナイ・ジュニア著田中明彦・村田晃嗣訳『国際紛争』(有斐閣、2003年)

外部リンク


国際紛争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 21:57 UTC 版)

国際関係」の記事における「国際紛争」の解説

紛争とは二者上の当事者の間に、価値対立状況認識相互にあり、かつ各当事者自己の価値実現するために競合する状況意味し物的な強制力を伴うような場合狭義武力紛争である。しかし対立関係協力関係が完全に区分できるわけではなく、常に曖昧な要素含まれる国際紛争とは一義的国家間生じ紛争であるが、非国家主体との紛争をも近年では状況によって呼ばれる場合がある。政治紛争経済紛争民族紛争武力紛争分けられる国際関係このような紛争により形成されるものと考え国益権力重視する立場現実主義と言う。 国際紛争を現実主義立場から説明する場合には勢力均衡理論適用される勢力とは国家保有する国力であり、均衡とは二国間または多国間同等ものになることを指す。国家外国勢力下におかれることを避けるために、もし外国勢力増大させるとそれに対抗して国家勢力増強する動機づけが働く。この原理によって秩序勢力均衡によって形成されていく。勢力均衡超大国覇権主義軍拡競争同盟戦争などの事象合理的に説明することに役立つ理論である。

※この「国際紛争」の解説は、「国際関係」の解説の一部です。
「国際紛争」を含む「国際関係」の記事については、「国際関係」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「国際紛争」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「国際紛争」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



国際紛争と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「国際紛争」の関連用語

国際紛争のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



国際紛争のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの国際紛争 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの国際関係 (改訂履歴)、シエラレオネの国際関係 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS