キタイ【Khitai】
読み方:きたい
4世紀以来、遼河支流シラ‐ムレン流域にいたモンゴル系の遊牧民族。10世紀初めに耶律阿保機(やりつあぼき)が周辺の諸民族を統合し、その子太宗のとき国号を遼とした。12世紀初めに宋と金に滅ぼされたが、一部は中央アジアに移動して西遼(カラキタイ)を建てた。契丹(きったん)。→契丹文字(きったんもじ)
[補説] 「契丹」とも書く。
きったん【契丹】
読み方:きったん
⇒キタイ
けいたん【契丹】
読み方:けいたん
⇒キタイ
契丹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 02:23 UTC 版)
契丹(きったん、キタン、キタイ、拼音: 、英:Khitan)は、現在のモンゴル、中国東北部、極東ロシアに相当する地域に4世紀頃から居住していた北東アジアの歴史上の民族である。遊牧民であったとされている。
注釈
- ^ 契丹の動静が描かれた現存する最古の文献として『魏書』があるが、さらに早く書かれた記録を遼寧省義県城の西北にある万仏堂岩窟中の、北魏「景明三年五月九日造」の銘のある刻文に見ることができる。記録の内容そのものは『魏書』が古い年代に遡る。
- ^ 遼太祖の弟、耶律羽之の墓には、奇首可汗の子である檀石槐以来、代々君長である「其先宗分佶首,派出石槐,歴代漢魏隋唐以来,世為君長」の一文がある。
- ^ 契丹が宇文部の別種であることにつき、古松崇志『草原の制覇――大モンゴルまで(シリーズ中国の歴史3)』岩波書店〈岩波新書〉、2020年、64-65頁。ISBN 978-4-00-431806-4。参照。
- ^ (達稽部-峭落州、紇使部-弾汗州、独活部-無逢州、芬問部-羽陵州、突便部-日連州、芮奚部-徒河州、墜斤部-万丹州、伏部-匹黎・赤山の両州)
- ^ 契丹語はモンゴル語族に属するか或はモンゴル語と非常に近しい[7]。
- ^ 『魏書』契丹伝および『遼史』は『魏書』顕祖紀、勿吉伝と記述が異なり、匹黎爾部を匹絜部と黎部の2つの部と錯誤。また、羽真侯部を契丹古八部から漏らしたとされる。
- ^ 新唐書には紇便部とあるが、音的に後の乙室活部に対応すると思われるので、誤字とされる。
- ^ 但し、現代のロシア語では契丹のことは普通Киданиと呼び、中国と混同することはない。
- ^ これらの名称は本来、シルクロードで結ばれた陸にある中国という概念を指した。マルコ・ポーロで有名な「カタイ」がこれと同じである。一方、China系の名称は海から行く中国という概念を指した。ヨーロッパでは長い間中国はひとつなのかふたつなのかという論争があり、これら二系統の名称は、どちらも同じ国のことを指しているのだということが明らかになる明〜清初期まで西欧で用いられた。西欧ではその後China系に淘汰されていったが、逆にロシアやモンゴルといった「海の中国」と関わりの薄い地域では「陸の中国」であるCathay系の名称が現代に至るまで使われている(ロシア語にはChinaに相当する単語は存在しない)。
出典
- ^ “China's Liao Dynasty”. Asia Society. 2023年2月4日閲覧。
- ^ Xu Elina-Qian (2005). Historical Development of the Pre-Dynastic Khitan. University of Helsinki. p. 99. quote: "According to Gai Zhiyong's study, Jishou is identical with Qishou, the earliest ancestor of the Khitan; and Shihuai is identical to Tanshihuai, the Xianbei supreme chief in the period of the Eastern Han (25-220). Therefore, from the sentence "His ancestor was Jish[ou] who was derived from Shihuai" in the above inscription, it can be simply seen that the Khitan originated from the Xianbei. Since the excavated inscription on memorial tablet can be regarded as a firsthand historical source, this piece of information is quite reliable."
- ^ Janhunen, Juha (2006). "Para-Mongolic". In Janhunen, Juha (ed.). The Mongolic Languages. Routledge. p. 393 of pp. 391–402.
- ^ Li Jinhui (2001年8月2日). “DNA Match Solves Ancient Mystery”. china.org.cn
- ^ 『魏書』列伝第八十八、『北史』列伝第八十二
- ^ 島田正郎編『契丹国 遊牧の民キタイの王朝【新装版】』(東方書店、2014年)p99-100
- ^ 『契丹小字研究』
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