孫正義
孫正義とは、ソフトバンクグループの創業者として知られる実業家・投資家である。世界有数の資産家でもある。1957年、佐賀県鳥栖市生まれ。在日朝鮮人2世の次男であり、日本に帰化している。
孫正義は幼少期を九州で暮らし、16歳で高校を中退し単身渡米した。1980年にカリフォルニア大学バークレー校を卒業。大学在学中にさまざまなビジネスや発明に没頭した孫は、「音声装置付き多国語翻訳機」の試作機を開発し、これを売り込んでおよそ1億円の資本を得たという。
大学卒業後に日本へ帰国し、「株式会社日本ソフトバンク」を設立。米国で急成長するビジネスやビジネスモデルを日本で展開する「タイムマシン経営」をスローガンに掲げ、ソフトウェアの卸売り業や出版業などを始めた。これがソフトバンク(ソフトバンクグループ)の前身となる。創業まもなく重病に倒れ、一度は代表の座を退くが、療養中は読書に没頭するなどして雌伏したという。復帰後「NCC BOX」と呼ばれる「電話をする際に自動的に一番安い回線を選ぶ装置」を発明し、約20億円にのぼる利益を得る。
1990年代の米国はインターネット関連のスタートアップ起業が数多く登場して急成長していた。孫正義は1995年に米国のYahoo!(ヤフー)社に多額の出資を行っている。翌1996年にはYahoo!との共同出資により日本法人ヤフー株式会社を設立。米国Yahoo! は世界で最も人気のあるウェブサイトのひとつに成長し、日本のYahoo! JAPANも日本を代表するポータルサイトに成長する。
2000年には中国のAlibaba Groupに出資。2005年に同社Directorに就任。同社は後に中国を代表するテック企業に成長する。
2001年にはインターネット接続サービス「Yahoo! BB」事業を開始、ADSLモデムの無料配布などで注目を集めブロードバンドサービスの普及に貢献する。2005年には福岡ダイエーホークス(現ソフトバンクホークス)を買収。2006年にはボーダフォンを買収・子会社化し「ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)」に改称、移動体通信事業に参入した。日本ではじめてiPhone(当時iPhone 3G)を販売したのはソフトバンクモバイルである。
2013年、米国の移動体通信事業者スプリントを買収・子会社化。2016年、プロセッサの設計・開発を手掛ける英国企業ARMを買収・子会社化。2017年、米国の投資ファームFortress investment Groupを買収・子会社化。
孫正義の2022年現在の主な役職は、Arm Limited, Chairman and Director、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長執行役員、ソフトバンク創業者取締役、などである。
ソフトバンクグループは、ソフトウェアの卸売りに始まり、出版、eコマース、金融、証券、ベンチャーキャピタル、通信事業、放送事業、等々、さまざまな分野に進出しており、もはや「IT企業」の括りを超えて日本を代表する企業のひとつに成長している。
参照リンク
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