Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

時水とは? わかりやすく解説

時水

読み方:トキミズ(tokimizu)

所在 新潟県小千谷市

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

〒947-0033  新潟県小千谷市時水

時水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 15:35 UTC 版)

時水

時水(ときみず)とは、福井県越前市味真野(あじまの)の山中[1]にある間歇冷泉蓑脇の時水(みのわきのときみず)とも呼ばれる。

概説

古来、山仕事をする人たちの間で、湧き出る水が谷を流れ下る音[2]が3回聞こえるとお昼になると言われ、時水と呼ばれてきた。1992年、福井県の文化財(記念物・名勝)に指定[3]されている。「残したい日本の音風景100選」に選ばれた[4][5]

味真野地区の蓑脇町大平山(標高611m)の北斜面中腹[5]、標高350m付近の小さな谷の中に湧く。湧き出しの有無が麓の里からも遠望できるよう、大きな時計のような装置が設置されている。谷奥に石灰岩の露出があり、石灰岩中の小空洞に地下水が一定量溜まると、サイフォンの原理によって間隔を置いて流出すると考えられている[5]

時水を守る会[6]の川上一馬[7]による長年の観測によれば、常時は毎秒1に満たない水が岩間の小穴から流れ出ているが、徐々に流量が増え始める。湧き出し開始から約8分後に最大流量に達するが、回ごとに流量が毎秒4ℓから7ℓ程度まで変わり、湧水量はおよそ4,000ℓ[8]。まれに毎秒10ℓを越える。その後は次第に流量を減じ、約30分でもとに戻る。間隔は不規則で、最短約20分から数時間、最大8時間の例があるという[9][10]。 湧き出しのたびの湧水量は約4,000ℓで回数は1日に8回から25回ほど[8]、平均18回前後[5](2017年時点)。

雨の多い時期には湧出の間隔が短く、少ない時期には長くなる傾向がある。

なお間歇泉(狭義)は熱水あるいはガスを多量に含んだ温水が突沸的に湧く型のものを、間歇冷泉はサイフォン構造によって地下水が湧くものを呼び、両者は湧出のメカニズムが全く異なる。間歇冷泉は国内に他に岡山県新見市潮滝広島県庄原市弘法の一杯水福岡県北九州市の満干の潮、熊本県球磨村の息の水の4ヶ所があるが、弘法の一杯水は1972年の豪雨以後、間歇性を失っている。

脚注

  1. ^ 味真野のんびりお散歩:自然探訪(14)時水」(pdf)『味真野物語観光パンフ』、越前市、中面。 
  2. ^ ブルーシグナル 蓑脇の時水の音”. www.westjr.co.jp. JR西日本. 2021年5月10日閲覧。
  3. ^ 福井の文化財「時水」- 県指定名勝”. 福井県. 2015年12月12日閲覧。
  4. ^ 北陸(49)福井県/越前市 蓑脇の時水、音風景の種類:陸水」『残したい日本の音風景100選』(pdf)環境省 (当時環境庁)、1996年(平成8年)、4, 14頁https://www.env.go.jp/air/life/nihon_no_oto/02_2007oto100sen_Pamphlet.pdf2021年5月10日閲覧 
  5. ^ a b c d 秘書広報課 (2017年2月23日). “残したい日本の音風景100選 「蓑脇の時水」”. 越前市ホームページ. 越前市. 2021年5月10日閲覧。
  6. ^ 越前市市民自治推進課(越前市公式ホームページ)「表2-11 緑化等に取り組んでいる活動団体の一覧」(pdf)『越前市緑の基本計画』、越前市、2008年(平成20年)3月、23頁。 
  7. ^ エントリーNO.125 越前市蓑脇町「神秘の泉 時水の守り人」”. 福井テレビ. 2019年12月15日閲覧。
  8. ^ a b 暮らしに息づく伝統文化を探る:福井県小浜市 御食国若狭」『ブルーシグナル Blue Signal』第164巻1月号、JR西日本、2016年、2021年5月10日閲覧 
  9. ^ 川上一馬、藤井厚志「福井県武生市の間歇冷泉「時水」 付.味真野の洞窟とケイビング」『日本洞窟学会第25回大会秋吉台大会講演要旨』1999年。 
  10. ^ 藤井厚志、川上一馬「福井県越前市のカルスト性間欠冷泉(時水)について」『大阪経済法科大学地域総合研究所紀要』第5号、2013年。 

関連項目

外部リンク

座標: 北緯35度52分37秒 東経136度16分03秒 / 北緯35.876846度 東経136.267509度 / 35.876846; 136.267509


「時水」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「時水」の関連用語

時水のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



時水のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日本郵政株式会社日本郵政株式会社
Copyright (C) 2025 JAPAN POST SERVICE Co.,Ltd. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの時水 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS