濃厚飼料
乳牛の飼料に「粗飼料」と「濃厚飼料」があることは、今までもお伝えしてきました。牧草やわらなど繊維質が豊富な粗飼料に比べ、たんぱく質や炭水化物、脂肪などの栄養素を含む濃厚飼料。乳牛は、この濃厚飼料が大好物で、粗飼料といっしょに与えても、濃厚飼料だけを選んで食べようとするほどです。しかし、このバランスが偏ると、乳量が低下したり、健康を損ねたりすることもあります。ですから、酪農家は栄養が偏らないように工夫して餌を与えているのです。濃厚飼料は、120種類以上もの種類がありますが、代表的なものは、トウモロコシ、大麦などの穀類、そしてこの穀類から食用部を取り除いたふすまのような糟糖類、さらに脱脂粉乳、魚粉などの動物性飼料や大豆油粕などの油粕類があります。 酪農家は良質でおいしい生乳を生産するため、カロリーを計算したり、牛一頭一頭の発育や健康状態を考えて、濃厚飼料と粗飼料をバランスよく与えているのです。 |
<ミルククラブ情報誌'98 WINTER vol.30より> |
濃厚飼料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/26 06:37 UTC 版)
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濃厚飼料(のうこうしりょう)とは、家畜に給与する飼料の中で、粗飼料に対する言葉であり、近代的な畜産において用いられる、特にタンパク質が多い飼料である。
穀物を主とし、多種類を配合してペレット状に固めることも多く、長期保存・大量輸送・パイプライン給餌などあらゆる点で近代工業的な取り扱いに向いている。トウモロコシ・大麦・小麦・米などの穀物の種部、大豆などの豆類、また油を絞った後の油粕などが多く利用される。イネ科穀物種も豆類もタンパク質含有量が高く、それらを多量に与えることで、近代畜産の本質である(粗飼料では不可能な)短時間での肥育、莫大な産乳・産卵を可能とする。
さらに家畜の成長・産乳量・産卵量を高めるため、肉骨粉、魚粉、鶏糞なども配合される。さらにはウシが唾液・胃壁から本来なら排出されるべき尿素を、胃の微生物群に供給して、再度タンパク質に合成させる生理機能を真似、化学肥料と同様の合成尿素を供給することすらある。ペレット状に調整される濃厚飼料は、同時に多量の薬物を混ぜて投与することが可能で、調整も容易である。
ただし、単純に高タンパクな飼料だけではかえって家畜には有害であり、人が食物繊維も食べて健康を維持するように、粗飼料も同時に与える必要があり、その配分が畜産者の技術である。
穀物などは人間の食料と競合するため、社会問題ともなる。また、世界的な穀物価格の変動が肉・乳製品・卵などの価格変動につながったり、畜産コストを高めたりすることも問題とされる。
「濃厚飼料」の例文・使い方・用例・文例
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