等号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 13:45 UTC 版)
等号(とうごう)は、「=」の形をした数学記号である。「イコール」と読むことが多い。
等号の左右が等価であることを表し、等号で結ばれた数式を「等式」と呼ぶ。
1557年にウェールズの数学者ロバート・レコードによって発明された[1][2]。レコードは、この記号"="を使った理由を「2本の平行線ほど等しいものは存在しないから」としている[3]。
歴史
等号の「=」は国際的に認知された記号であるが、最初に使用したのは、ウェールズの数学者ロバート・レコードである。1557年、著書『知恵の砥石』において「…に等しい」という言葉を何度も使うことを避けるために2本の平行線を使った[4][5]。2本の平行線ほど等しいものは存在しないという理由による[5]。そのときの字形は現在よりもとても長いものであった。
その当時、他に伝統的に使用されていた等号としては、「‖」や「æ」、「œ」がある。
自然言語中の読み方
数式「A = B」と表記したとき、日本語では「AイコールB」または「AはBに等しい」と読む。英語では“A is equal to B”または“A equals B”と読む[6]。後述の区切り文字として使われる場合は記号自体は発音されないことが多い。
関連記号
恒等
常に等号が成り立つ恒等式を、方程式と明確に区別したいとき「≡」が使われる。ただし「=」を使っても間違いではない。
A ≡ B (A と B は恒等的に等しい)
「=」と「≡」の違いは次の例でわかりやすい。
x + 1 = 0 (方程式) x + 1 ≡ 1 + x (恒等式)
また、定義を通常の等式と区別したいときも「≡」が使われる。ただし「=」を使っても間違いではない。
A ≡ B (A を B と定義する)
等号否定
「≠」は等号の否定を表し等号否定と呼ばれる。この符号は ≠ の左右が等価でないことを示す。
A ≠ B (A と B は等しくない)
これと「A = B でない」は全く同じ意味である。
ほぼ等しい
「∼」「≃」「≈」「≒」などは「ほぼ等しい」「おおよそ等しい」「近似的に等しい」「約(およそ)」などを表し、近似式や近似値などに使われる。
それぞれの記号は用途によって使い分けられるが、記号ごとの意味の対応は明確ではなく、厳密な定義は著者に委ねられている。
A ≒ B (A は B にほぼ等しい)
日本などの東アジアの一部地域では「2 項がほぼ等しい」という意味で「≒」が用いられるが、その他の地域や数学などの専門的な文献においては「≃」を用いることが多い。また、数学的な意味以外でも、日本語の文章では「ほとんど同じ」という意図で使用されることもある。
定義
ある記号 A が意味するものを、ある記号 B が意味するものと同じであると定義するには「≔」を用いて
A ≔ B(A を B によって定義する)
と書く。
この他にも、「=」の上に小さく "def"[注 1] や "△"[注 2] などを書いた記号が用いられることもある。
A B A B
「≕」については、「A ≔ B」と同じ意味で
B ≕ A
と書くこともある。
つまりは「コロン“:”のある側の内容を、無い側の内容(こちらはその文脈において既に定義されているものに限る)で定義する」という使い方をする。
例えば、
等号
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