蛹化
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蛹化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:53 UTC 版)
水中に適応したゲンゴロウでも一生の全てを水中で過ごすわけではなく、成熟した3齢(終齢)幼虫は孵化から約40日ほど経つと日没後約1, 2時間後に上陸する。野生下で上陸が始まる時季は6月下旬 - 7月初めごろで、蛹化直前の幼虫(体長約80 mm)は上陸が近づくと餌に見向きもしなくなり、飼育下では飼育容器の中を泳ぎ周り出たがる様子を見せる。幼虫が土に潜ってから成虫へ羽化するまでには約20日間かかるが、個体差および温度などの条件によりさらに10日ほど要する場合がある。 幼虫は適当な場所を見つけると固くなった頭部と胸部をスコップのように使って土中に潜り、球形(直径40 mmほど)の蛹室を形成してから蛹室内で前蛹になる。蛹化に際しては水際から20 - 30センチメートル (cm) 程度の土中などあまり水際から離れない場所の土に潜るほか、内山りゅうの記録により「飼育環境下では斜面が土であればかなりの角度でも登る」ことが判明している。一方で幼虫は土に潜ることはそれほど得意ではないため、土の硬さは「指を差し込んでみて簡単に指が沈み込む程度」の柔らかさが好ましく、(コンクリートなどで覆われていなくても)土木機械で硬く固められた畔の土には潜れない。 蛹室内で約10日間の前蛹期を経て、地中に潜ってから約8日 - 10日後に脱皮して蛹化する。蛹化する際は2齢幼虫が3齢幼虫へ脱皮する際と同様に頭部・胸部の背中側の中央が割れ、中から真っ白な蛹の頭部・胸部が現れ、蛹化開始から約25分後に腹部が幼虫の抜け殻から抜け出して蛹化完了となる。
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