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製本とは? わかりやすく解説

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せい‐ほん【製本】

読み方:せいほん

[名](スル)印刷物原稿などを綴じ合わせて、1冊の書物にまとめること。洋装本和装本とに大別できる。「論文を—する」


せいほん 【製本】

印刷終わった用紙刷本)を折って綴じ本に仕上げること。
製本の種類には、中綴平綴・かがり綴(糸綴り)・無線綴並製本上製本などがある。

製本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/19 20:17 UTC 版)

西暦870年にトレジャーバインディング英語版された福音書『Codex Aureus of St. Emmeram英語版』。

製本(せいほん、: Bookbinding, PostPress)とは、筆記または印刷した本文の料紙に表紙などを付けの形に整えること。

西洋における製本

洋式の場合、上製本(本製本)と仮製本(並製本)があり、仮製本は耐久性が低い。

製本の際に印刷された紙を折り込んだものを「折り丁」という。また、ページの余白部分のうち綴じられる側を「のど」と呼び、これが見開き状態で中央にくる部分となる。製本の方式によってこの「のど」の余白部分として必要な量(「のどの開き」という)が異なってくるため、どのような綴じ方とするかはページレイアウトの点でも基本的な情報であり、綴じ方を決定したのちに最終的にページレイアウトが決定される。

製本が完全になされていない段階のものを入手し独自の製本を行い書庫を充実させていくといったことがヨーロッパでは行われている。

伝統的な製本作業

綴じ方

西洋式手製本

革に金箔の幾何学模様と花をあしらったグロリア式装丁の手製本。16世紀の政治家で愛書家のジャン・グロリエが好んだことからそう呼ばれる[1]

西洋には製本を手作業で工芸的に行なう伝統があり、一般にルリユールフランス語: reliure)と呼ばれる[2]山羊仔牛の革を貼り、さまざまな装飾を加えて美しく飾り立てる工芸的な製本で、昔は職人が行なっていたが、現在は趣味のひとつとしても楽しまれている。ルリユール作家も世界中にいる。

こうした西洋における手製本の伝統は、キリスト教の出現により、神の言葉である聖書を大切に保存するために始まった。堅牢性から革で製本するだけでなく、信仰の重要性を印象付けるためにそれらを豪華に装飾することも始められた。イスラムでもコーランを美しく飾り立てる習慣があり、それがイベリア半島経由でフランスイタリアに伝わった。グーテンベルクの印刷術の発明で書物が大衆化すると、たくさんある中の「自分が所有する一冊」を際立たせるために、装飾に紋章が取り入れられ、所有者の個性を強調する装丁が生まれた。その後、贅沢を嫌うプロテスタントの諸国ではこうした豪華な製本が廃れたが、宮廷文化が華やかだったフランスではその伝統が生き残った[3]

なお、こうした美しい私家版が高値で取引される古書の世界においては、(当時の所有者を表す)紋章のあるなしが重要で、紋章のないものは一気に価値が落ちるという[4]

製本機の発達

アメリカでは1868年、アイルランド出身の発明家デヴィッド・マコーネル・スミスが、史上初の製本機の発明で特許を取得した[5]。1879年にスミス製造社(the Smyth Manufacturing Company)が設立されたのち、製本機はさらに飛躍的に進化し[6]、本の出版冊数の増加を齎した。

東洋における製本

東洋における本の体裁は、本文料紙を横につないだ巻子装本及び折本装本と、本文料紙を重ね合わせて糊や糸で留めた草子本及び冊子装本の4種に大別される[7]。なお、紙が出現する以前の時代には竹簡木簡を閉じたものや貝多羅樹の葉を利用した貝葉経のような形態のものもあった[7]。和式の場合は綴じ方が外部に見えるので装飾的な綴じが施されている。

教育・資格

フランスでは以下の国家資格が存在する[8]

  • 資格レベルV - 職業適性証(CAP) Arte de la reliure
  • 資格レベルIV - BMA Arts de la reliure et de la dorure[9]
  • 資格レベルIII - DMA Arts graphiques option reliure[10]

日本では製本技能士が存在する。

脚注

  1. ^ グロリエ式装丁(読み)ぐろりえしきそうてい
  2. ^ ルリユールとはkotobank
  3. ^ 『西洋製本図鑑』書評鹿島茂、雄松堂広報誌2009/01/30
  4. ^ The curious tale of the stolen booksBBC World Service, 24 April 2013
  5. ^ The book boom: Early bookbinding inventions.
  6. ^ BOOK SEWING MACHINES - Significant Progress in Bookbinding Technology. (Archive.)
  7. ^ a b 山本信吉『古典籍が語る - 書物の文化史』八木書店、2004年、51頁。 
  8. ^ Décoration d'objets d'art et artisanaux” [書籍ならびに文書の製本技術] (フランス語). Pole Emploi. 2017年10月14日閲覧。 資格名は通称Code ROME: B1302。公共職業安定所 Pôle emploi による資格の解説。
  9. ^ Décoration d'objets d'art et artisanaux (ROME : B1302)” [美術工芸品の装飾] (フランス語). Orientation pour tous. 2017年10月14日閲覧。公共職業訓練機関 Conseil en évolution professionnelle (CEP) による職業訓練の解説。
  10. ^ Reliure et restauration de livres et archives” [書籍ならびに文書の製本技術] (フランス語). Orientation pour tous. 2017年10月14日閲覧。公共職業訓練機関 Conseil en évolution professionnelle (CEP) による職業訓練の解説。

参考文献

関連項目

外部リンク


製本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 08:29 UTC 版)

岩波文庫」の記事における「製本」の解説

創刊当初は、活版印刷・糸かがり・天アンカット・スピン(栞ひも)付きグラシンカバー掛け等の造本であった天アンカット体裁採用したのは「フランス装風の洒落た雰囲気を出すため」とされるが、現在一般的になった三方裁ち比べると製本上手間がかかる。岩波文庫では、栞ひもは1970年廃止されたもの天アンカット維持している。

※この「製本」の解説は、「岩波文庫」の解説の一部です。
「製本」を含む「岩波文庫」の記事については、「岩波文庫」の概要を参照ください。

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