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覚とは? わかりやすく解説

かく【覚〔覺〕】

読み方:かく

[音]カク(呉)(漢) [訓]おぼえる さます さめる さとる

学習漢字4年

外から来るものに触れて意識が起こる。意識。「感覚幻覚錯覚視覚触覚知覚聴覚味覚

今までわからなかった道理や意味に気づく。さとる。「覚悟才覚自覚正覚(しょうがく)・先覚直覚不覚

人に気づかれる。「発覚

眠りから目ざめる。「覚醒(かくせい)」

名のりあき・あきら・さだ・さと・さとし・ただ・ただし・よし

難読覚束(おぼつか)ない


かく【覚】

読み方:かく

仏語

対象覚知するもの。心。心所(しんじょ)。

心が妄念離れている状態。

涅槃(ねはん)の理を悟ったうえでの智慧菩提(ぼだい)。

仏陀(ぶっだ)。覚者


読み方:オボエoboe

文書一様式。


さとり 【悟・覚・証】

中村元著『仏教大辞典』には悟として「覚悟証悟真理目覚めること。また、その体験自覚的内容をいう。真実智慧古くは智または知を、さとりと訓じた」と説明し、覚も同意としている。また同編『新・仏辞典』では証の字だけを挙げ本能に基く精神動揺が全くなくなった時にあらわれた正智が、真理にぴたりと合致することをいう」とする。『岩波仏教辞典』は悟り覚り、として「覚悟・証・修証証悟菩提・道ともいう。真理(法)に目覚めること。迷い反対悟り仏教究極目的であり、悟るためにさまざまな修行説かれ実践される悟り智慧本質として成立する」と記す。仏教には「転迷開悟迷い転じて悟りを開く)」の語があり、一口でいえば仏教はこの一語尽きのである。ただしその内容は、直ちに悟る頓悟漸次に悟る漸悟など宗義により違いがあり、浄土教では悟りの場所を現世でなく極楽浄土とするなど、理解にも諸相がある。

作者夢枕獏

収載図書陰陽師 太極ノ巻
出版社文藝春秋
刊行年月2006.3
シリーズ名文春文庫


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 16:38 UTC 版)

さとりは、日本妖怪の一つ。鳥山石燕による江戸時代の妖怪画集『今昔画図続百鬼』に記述があるほか、日本全国で人のを読む妖怪として民話が伝えられている。

古典

鳥山石燕今昔画図続百鬼』より「覚」

『今昔画図続百鬼』には以下のように、飛騨美濃(後の岐阜県)の山奥に、人間の心を読む妖怪「覚」が住むと述べられている。

飛騨美濃の深山にかくあり 山人呼んで覚と名づく

色黒く毛長くして よく人のことをなし よく人のこころを察す あへて人の害をなさず

人これを殺さんとすれば、先そのこころをさとりてにげ去と云[1]

挿絵にある妖怪画は、江戸時代の類書和漢三才図会』にあるやまこをモデルにしたものと見られている[2]。「玃」は本来は中国の伝承上の動物であり[3][4]、人の心を読むという伝承はないが、『和漢三才図会』では人の心を読むといわれる飛騨・美濃の妖怪「黒ん坊くろんぼう」を挙げ「思うに、これは玃の属だろうか」と述べている[5]。『今昔画図続百鬼』にも、「覚」が人の心を読むという記述があるが、これは「黒ん坊」の記述を引いたものと見られている[6]

「玃」を「かく」とも読むことから、より簡単な漢字である「覚」が代字として用いられ、この「覚」が訓字で「さとり」と誤読されたことから、「玃」とは別種の「覚」という妖怪の伝承が生まれた、との解釈もある[3][7]

また、『今昔画図続百鬼』や『百怪図巻』などの妖怪画集に見られる妖怪「山彦」は玃がモデルとの説があるが、民俗学者・柳田國男は自著書『妖怪談義』において、覚が人の心を読むという昔話と、山彦が人の声を真似るという伝承を同根のものとしている[7]

民話

竜斎閑人正澄画『狂歌百物語』より「覚」

山梨県西八代郡富士山麓の「おもいの魔物[8]」や相州神奈川県)の「山鬼[9]」をはじめ、東北地方[8][10][11]中部地方[8][12]中国地方[8][13]九州地方など日本各地に[8]サルのような姿の怪物[14][15]、または山男[12][14]天狗[13]タヌキなどが人間の心を読む妖怪の民話が伝承されており、これら一連が「サトリのワッパ」として分類されている[8]

多くの民話では、山中で人間の近くに現れ、相手の心を読み「お前は恐いと思ったな」などと次々に考えを言い当て、隙を見て取って食おうとするが、木片や焚き木などが偶然跳ねて覚にぶつかると、思わぬことが起きたことに驚き、逃げ去って行ったとされている[2][8][9]。同様の伝承は南北朝時代の『荊楚歳時記』でも紹介されており、こちらには漢代の『神異経』・『西荒経』に記載がある西方の山奥に住む人間の姿をした一本足の怪物山魈が登場する。この山魈は人の心は読まないものの遭遇すると高熱を発して死に至る妖怪であり春節の時期には人里に下りてくるとして非常に恐れられていたが、杣人が暖を取ろうと燃やしていた伐採した竹が爆ぜるのに驚いて逃げ帰って行き、春節に爆竹を鳴らす由来となっている。古典でこうした話を綴った文献としては、妖怪をテーマとした江戸時代の狂歌本『狂歌百物語』に「べきぞと気取りてそまが火を焚けば さとりは早く当たりにぞ寄る[16]」「人の知恵さとり難しと恐れけり ぽんと撥ね火の竹の不思議を[16]」などの狂歌がある。

前述のように民話の類型としての名は「サトリのワッパ」だが、「ワッパ」は童子を指すことから、本来は人の心を読み取る童子の話の意味で「サトリのワッパ」として伝承されていたとの指摘がある[13][17]。また、童子を山神の化身と見なし、「覚」は山神の化身である童子が零落して妖怪化した姿との解釈もある[1]

脚注

  1. ^ a b 稲田他編 1992, p. 114
  2. ^ a b 村上 2005, p. 155
  3. ^ a b 多田 2004, p. 154
  4. ^ 實吉達郎『中国妖怪人物事典』講談社、1996年、53-55頁。ISBN 978-4-06-207883-2 
  5. ^ 寺島良安『和漢三才図会』 6巻、島田勇雄・竹島純夫・樋口元巳訳注、平凡社東洋文庫〉、1987年(原著1712年)、142-143頁。ISBN 978-4-582-80466-9 
  6. ^ 村上 2005, p. 339.
  7. ^ a b 多田 2000, p. 154
  8. ^ a b c d e f g 丸山他, p. 1955
  9. ^ a b 藤沢 1976, pp. 137–141
  10. ^ 渡部豊子 (2006年4月9日). “サトリの化物”. スーちゃんの妖怪通信. 2014年4月19日閲覧。
  11. ^ 石川純一郎「檜枝岐昔話集」『あしなか』通巻70号、山村民俗の会、1960年9月、48頁、NCID AN004063522014年4月13日閲覧 
  12. ^ a b 早川 1927, pp. 172–173
  13. ^ a b c 五来 1984, pp. 32–35
  14. ^ a b 南方 1926, pp. 562–563
  15. ^ 宗優子 (2005年9月15日). “No17.覚(さとり)”. 宗優子の妖怪キッズ. 2012年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月19日閲覧。
  16. ^ a b 多田編 2008, p. 232
  17. ^ 豊島 2005, pp. 260–261

参考文献

関連項目


覚(さとる)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/21 02:52 UTC 版)

モントリヒト -月の翼-」の記事における「覚(さとる)」の解説

月の一族の元リーダー少年。かぐやを殺そうとしたF11からかぐやを庇って殺されとなった。この死がF11の魂を解き放つきっかけとなった

※この「覚(さとる)」の解説は、「モントリヒト -月の翼-」の解説の一部です。
「覚(さとる)」を含む「モントリヒト -月の翼-」の記事については、「モントリヒト -月の翼-」の概要を参照ください。

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