貴金属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/16 17:41 UTC 版)
貴金属(ききんぞく)は、金属のうち化合物をつくりにくく希少性のある金属の総称[1]。
英語ではprecious metalまたはnoble metalといい、precious metalは希少な金属、noble metalはイオン化(酸化)しにくい性質を持つ金属をいう[2]。なお、貴金属の対義語は卑金属である[1]。
定義
化合物をつくりにくく希少性のある金属という条件を満たす元素は、金 (Au)、銀 (Ag)、白金 (Pt)、パラジウム (Pd)、ロジウム (Rh)、イリジウム (Ir)、ルテニウム (Ru)、オスミウム (Os) の8つであり、これらを一般に貴金属元素という[1]。電気化学では銀よりも単極電位の大きい元素のことであり以上の8元素と同じである[1]。
また、貴金属(noble metal)は「標準水素電極と比較して高い正極電位をもつ金属」と定義されることがある[3]。この場合、相対的にイオン化しにくいほうを「貴」といい、例えば亜鉛 (Zn) との比較で銅 (Cu) は貴(貴金属)とされる[3]。イオン化傾向が水素より小さい金属という定義では水銀など上記以外の元素を貴金属に含めることもある。
これらはいずれもDブロック元素に属する。
性質
金・銀・白金
周期表の金、銀、白金は化学的、物理的、機械的に似た性質を有する[1]。金、銀、白金はいずれも、色が美しく、加工が容易、室温で変色しない(銀を除く)という三要素をもち工芸品や宝飾品に用いられている[1]。
白金族元素
ルテニウム、ロジウム、パラジウム(これら3つをパラジウム類と言うことがある)、オスミウム、イリジウム、白金(これら3つは白金類と言うことがある)の6つの元素を「白金族元素」と言う。
白金族元素はお互い性質が似通っており、融点が高く、白金、パラジウムはアルミニウム並に軟らかく、ルテニウム、イリジウムは硬く、オスミウムは非常に硬く脆い。ロジウムはその中間の硬さである。全体的にくすんだ銀白色を呈した金属である。
また白金類は密度が21から22と非常に高く、物質中最も重い元素になる。重白金族とも言う。パラジウム類は密度は12で、軽白金族とも言う。酸、アルカリなどにも侵されにくい。非常に有用な触媒となるものもある。
白金族元素はどれもかなり希少な金属だが、その中でもロジウム、オスミウム、イリジウムは特に希少な金属である。
レニウム
レニウムは、地球上においても、宇宙空間においても最も希少な金属である。(ビスマス以外のほぼ全ての高度放射性元素を除く)
レニウムは灰白色の非常に硬い金属で、過酷な条件下にも耐えうることから、ロケットエンジンにごく少量添加されたりしている。
密度に関しても、白金の21.45に次いで全元素中第4位の高密度である。
ジュエリー用貴金属
8種の貴金属の中で、金 (Au)、銀 (Ag)、白金 (Pt)、パラジウム (Pd) の4種とその合金を、ISO9202、JIS-H6309、及びCIBJO(国際貴金属宝飾品連盟)は、ジュエリー用貴金属合金として定め、品位区分を設けている。
イリジウム (Ir)、ルテニウム (Ru) は、白金 (Pt)(プラチナ)の割り金として用いられている。
ロジウム (Rh) は、ジュエリーやアクセサリーの表面めっきとして、広く利用されている。
ジュエリーの製造現場では、加工上の性質、用途と色調から、産出量は多いが銅 (Cu) を貴金属の一種と考えることもある。
出典
関連項目
貴金属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 19:36 UTC 版)
現在商品市場で取引されている貴金属は、トロイオンス単位で販売されている金、プラチナ、パラジウム、銀が含まれる。これらの貴金属の主な取引所の1つはCOMEXである。 ワールド・ゴールド・カウンシルによると、金への投資は業界の成長の主な推進力である。金の価格は非常に変動しやすく、投機的な資金の大量の流れによって引き起こされる。
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貴金属
「貴金属」の例文・使い方・用例・文例
- 時計は貴金属売り場にあります
- 貴金属
- 貴金属 《金・銀など》.
- 貴金属.
- 貴金属 《金・銀・白金》.
- 貴金属のように金線細工を作る
- (金属について)波状の異なった金属(特に貴金属)がはめ込まれたまたはそれで装飾された
- 貴金属は、金と銀とプラチナを含む
- 貴金属などの、たとえばリードからの分離による分析において使用される骨灰でできた小さな多孔性のボール
- 貴金属と宝石(あるいはイミテーションの宝石)からできた(ブレスレット・指輪・ネックレスなどの)装飾品
- 指につけられる貴金属(しばしば宝石と一緒に)の輪で成る宝石
- 特に貴金属の鉱脈の豊かな鉱脈
- 地中にある貴金属(特に金)の塊
- 貴金属のかたまり
- 貴金属や貴石のために使われる衡量単位
- 重貴金属元素
- 貴金属の表面に金の微粒で模様を表すこと
- 宝石や貴金属をつないで輪にし,首に掛ける装身具
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