起磁力
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起磁力(きじりょく、英: magnetomotive force)は磁気回路に磁束を生じさせる力。動磁力または磁動力ともいう。物理量としては複数の基本量から誘導される組立量の一つである。
電気回路の起電力に相当し、一つの磁束線上にある二点間の磁位の差といいかえることもできる。
電磁石では鉄心に巻いてあるコイルの巻き回数と、そこに流れる電流(アンペア)の積によって決まり、かつてはMKSA単位系ではアンペア回数(AT)という単位が用いられたことがあるが、現在のSIではSI単位としてアンペア(A)を用いる。
CGS電磁単位系ではギルバートという単位で表す。1ギルバートは10/4πアンペア回数に相当する。
関連項目
起磁力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 23:22 UTC 版)
起電力(EMF)が電気回路内の電荷の電流を駆動する方法と同じ方法で、起磁力(MMF)が磁気回路を通る磁束を「駆動」する。起電力の定義同様、閉ループ周りの起磁力 F {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {F}}} は次のように定義される。 F = ∮ H ⋅ d l {\displaystyle {\mathcal {F}}=\oint \mathbf {H} \cdot \operatorname {d} \mathbf {l} } 起磁力はループを完成させることにより仮想の磁荷を獲得するという可能性を表している。駆動される磁束は磁荷の流れではない。これは単に電流が起電力に持っているのと同じ関係を起磁力に対して持っているだけである(詳しい説明は下記の微視的な磁気抵抗の起源を参照)。 起磁力の単位はアンペア回数(At)であり、真空中で導電性材料の単一ターンループを流れる1アンペアの定常直流電流により表される。1930年にIECにより制定されたギルバート(Gb)は起磁力のCGS単位で、アンペアターンよりわずかに小さい単位である。この単位はイギリスの医師、自然哲学者のウィリアム・ギルバート(1544–1603)にちなむ。 1 Gb = 10 4 π At ≈ 0.795775 At {\displaystyle {\begin{aligned}1\;{\text{Gb}}&={\frac {10}{4\pi }}\;{\text{At}}\\&\approx 0.795775\;{\text{At}}\end{aligned}}} 起磁力はアンペールの法則を用いて迅速に計算することができる。例えば長いコイルの起磁力 F {\displaystyle {\mathcal {F}}} は F = N I {\displaystyle {\mathcal {F}}=NI} N は巻き数で、Iはコイルの電流である。実際にはこの方程式は現実のインダクタの起磁力に使われ、このときのNは誘導コイルの巻き数である。
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