身代金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/19 20:28 UTC 版)
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身代金(みのしろきん、英語: ransom)とは、人質の解放と引き換えに支払われる金銭のこと。一般には身代金と表記されるが、現代の刑法では身の代金と表記されており、公的な資料では「の」を挿入して表記される場合が多い。
概要
身代金は、誘拐された人を解放させる場合に、対価として差し出される金銭である。
日本において誘拐犯は、身代金の受け渡し時に警察に確保される場合が多い。それゆえ身代金目的の誘拐が成功する可能性は低いとされる。戦後日本で未解決となった身代金目的の誘拐事件は1984年の江崎グリコ社長誘拐事件や1987年の功明ちゃん誘拐殺人事件など8件のみと97%近い解決率であり、8件とも身代金奪取には成功していないため、犯人から見た成功率は0%である(1960年に起こった吉展ちゃん誘拐殺人事件は犯人が身代金奪取に成功した上で身代金の受け渡し現場から逃亡したために迷宮入り寸前になっていたが。1963年に犯人が逮捕されて解決した)。ただし、これはあくまで捜査機関によって認知された身代金目的誘拐の成功率であり、誘拐の被害にあった家族等が、犯人の脅迫に屈して捜査機関に届け出ず、秘密裏に犯人に身代金を渡して解決した事例が隠されている可能性がある[要出典]。なお、刑法(第225条の2)では身の代金を目的とした誘拐(身の代金目的略取等の罪)は他の誘拐よりも比較して重い刑罰(無期又は3年以上の懲役)が課せられる[1]。
過去に要求された身代金で最も高額だったのは1973年12月にアルゼンチンで米国エクソン石油の総支配人が過激都市ゲリラに誘拐され、3ヶ月後に解放された際に支払われた1420万ドル(約42億6000万円)である。
特異な事件としては、アメリカ・ユタ州で中国人留学生が行方不明になり2023年12月31日に発見されたケースで、この留学生は、何者かからの指示によってホームステイ先を自ら離れ、本国である中国に滞在する家族が身代金を支払うよう脅迫を受け、8万ドルを中国の銀行口座に振り込んでいた。地元の警察当局と連邦捜査局(FBI)は、誘拐を装い金銭を要求する「サイバー誘拐」事件として捜査を行っており、過去にも中国人留学生がこの手の事件の標的になるケースが報告されていたという[2]。
関連項目
- マンキャッチャー - 中世ヨーロッパでは、戦争の際に貴族や騎士を捕虜にして身代金を要求する慣習(法律書ザクセンシュピーゲルなどに記載)であったため、捕まえる道具が作られた。
- 人質
- 捕虜交換、犯行声明 - 金銭以外にも、捕虜や主張などを人質交換の対象とする場合がある。
- 中世の身代金 ‐ 戦争でとらえた捕虜の身代金。
- 誘拐
- ハイジャック
- 略取・誘拐罪
- ランサムウェア - マルウェア(いわゆるコンピュータウイルス)の一種で、パソコン内のデータを勝手に暗号化して読めなくするなどシステムにアクセスできなくし、正常化(暗号化解除)のために身代金を要求してくる。
- 人身売買
- Weregild - 身分による価値の違いについて。
- 保釈 - 被告人は保釈金(保釈保証金)によって一時解放され、裁判所に出廷すると全額戻ってくる(被疑者の段階では保釈はできない)。
脚注
- ^ “刑法”. elaws.e-gov.go.jp. 2024年1月26日閲覧。 (身の代金目的略取等)第二百二十五条の二
- ^ 監禁偽装を強要 米国で中国人留学生が標的の「サイバー誘拐」とは 毎日新聞 2024年1月3日
身代金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/30 07:14 UTC 版)
男児らの父親クリスチャン K. ロス(Christian K. Ross)は、明らかな誘拐犯人から身代金の要求を受けはじめた。それらはフィラデルフィアその他の郵便局から郵送された短い手紙(note)というかたちで届き、いずれもへんな文字で、読み書きが少ししかできない粗いスタイルで、多数の簡単な単語で、書かれていた。意思疎通はだいたい2万ドルの身代金を要求した。短い手紙は、警察の介入に警告し、もしクリスチャンが協力しないならロスを殺すぞと脅かした。クリスチャン・ロスは服地店を所有していたし、一家は大きな家に住んでいた。誘拐犯人が考えたかもしれないこととは反対に、ロス家は裕福ではなく、実際は1873年の株式市場の暴落のために多額の借金があった。身代金を支払う方法がわからないので、クリスチャン・ロスは警察に行った。この誘拐事件はやがて国民的なニュースになった。 激しい報道にくわえて、一部の有名なフィラデルフィア人は、有名なピンカートン探偵事務所(Pinkerton detective agency)の助力を求め、事務所は何百枚ものロスの画像を載せたチラシやポスターを印刷した。この犯罪にもとづいたポピュラー・ソング『"Bring Back Our Darling"』がデクスター・スミス(Dexter Smith)とW. H. ブロックウェー(W. H. Brockway)によって作曲された。数回、手紙に指示された身代金を誘拐犯人に支払おうという試みもなされたが、毎回、誘拐犯人は姿を現わさなかった。結局のところ、連絡はとだえた。
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「身代金」の例文・使い方・用例・文例
- 身代金目当てに子どもを誘拐する
- そのハイジャック犯は200万ドルの身代金を要求した。
- 身代金を要求する.
- 誘拐犯たちは彼女を無事に引き渡すのと引き換えに身代金を要求した.
- 彼はその子供を誘拐して身代金を要求した.
- 身代金の支払いのために改心させる
- 彼らの意志に反して、通常、身代金を引き出すために、明らかにされていない場所に奪い去る
- (通常、身代金のために)犠牲者を不法に捕らえ拘禁する人
- 誘拐や身代金のための保険
- 身代金誘拐罪という,誘拐とともに身代金を要求することで成立する犯罪
- 身代金をとって約束の期間つとめ,奉公する
- しかし,彼らが一緒にいるところを多くの人が目撃しており,そして彼は決して身代金を要求しない。
身代金と同じ種類の言葉
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