Alpha-ROM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:25 UTC 版)
韓国・SETTEC社が開発したパソコン向けCD-ROM用プロテクト。ディスク上に故意に重複したセクタを設置し、そのセクタがあるかどうかで正規品を見分ける(重複したセクタのアドレスや内容はコピーされない)。セクタの重複がなければデータとしても破損している。2003年1月(日本導入)以前のバージョンは一部ドライブメーカーのドライブで高い誤動作率を出した(この誤動作は、開発元の韓国、および日本国内の研究室ではほとんど使用されていなかったメーカーのドライブで発生した。特にパナソニック製で発生し、ピックアップ開始エリアが丁度エラーセクタの場所から開始していたため)。しかしそれ以降のバージョンはさほど多くなく強度が強い。このため美少女ゲーム界ではもっとも普及している。しかしこのプロテクトを採用したCDは構造上CD-ROM規格から外れているのではないかとの指摘もある。 2012年12月、Windows Vistaの32bit版のセキュリティアップデートにより、Alpha-ROM採用タイトルの一部が実行時エラーを起こすようになったため、SETTECはWindowsUpdateの更新プログラムであるKB2779030、KB2758857、KB2753842、KB2761465の4つを削除することで動作すると解決方法を提示した。これによりゲームは動作するが、リモートからのシステム制御をされる可能性のある脆弱性が修正されない。特にMS12-077(KB2761465)をアンインストールするとJVNのCVSS評価において最大値が10のところ、9.3という深刻な脆弱性を残すことになりセキュリティ面で問題が残る。 また特許の保有によりプロテクトを再現可能な状態でバックアップしたりプロテクトを回避したりするのは違法とされてきたが、2014年に特許権利抹消済となったことにより、違法ではなくなった。 SafeDisc同様、セキュリティリスクになり得るためWindowsでは動作不能となった。
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