中国航天工業公司(CASC)
研究・開発活動を実際に指揮する国営企業
中国の宇宙開発における中心組織は、中国国家航天局 (CNSA)と中国航天工業公司(CASC)です。中国の社会主義市場経済化に伴い、政府予算とは独立した収益ベースで宇宙開発を進めるための機関として、1993年に共に設立されました。国家機関である中国国家航天局が政策決定を行う一方、国営企業の中国航天工業公司は国内の開発・研究機関および企業を管轄します。
管轄下には、衛星打上げロケット「長征」の開発・製造を行っている中国輸送ロケット技術研究所 (CALT)、「東方紅(DFH)」「風雲(FY)」等の人工衛星を製造している中国宇宙技術研究所(CAST)といった研究所や、「長征」ロケットによる衛星打上げサービスの販売を担当している中国長城工業公司などの国営企業が含まれています。
1999年現在で中国航天工業公司全体での職員数は、およそ20〜30万人と言われていますが、そのうち技術者や科学者など非軍事宇宙活動に関わっている人数はその3分の1ほどの9万人です。
写真:中国が開発した人工衛星「風雲(FY2b)」
「長征」シリーズを主力に衛星打上げ事業
中国は1950年代半ばから宇宙開発を始め、1966年には初の弾道ミサイル試射に成功、1970年には衛星打上げロケット「長征」シリーズ1号機で人工衛星の打上げに成功しました(世界では5番目)。「長征」シリーズはこれまでに(1999年6月現在)16モデル、計65回の打上げが行われ、1990年からは商業利用も始まっています。当初打上げ失敗が連続したため低コストによる人気も下がり気味でしたが、1996年10月以降は成功が続いています。
国内の主なロケット射場には、甘粛省酒泉(チウチュワン Jiuquan)、四川省西昌(シーチャン Xichang)、山西省太源(タイユワン Taiyuan)の各宇宙センターがあり、中国衛星打上管制局が管理しています。
写真:中国のロケット「長征4B」
CASC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/29 15:16 UTC 版)
CASC
- 中国航天科技集団 (China Aerospace Science and Technology Corporation)
- 中国会计准则委员会 (Chinese Accounting Standards Council)
- Computer Algebra in Scientific Computing (International Workshop)
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