ディーディーアールスリー‐エスディーラム【DDR3 SDRAM】
DDR3 SDRAM
読み方:ディーディーアールスリーエスディーラム
別名:DDR3
DDR3 SDRAMとは、DDR SDRAMの規格のうち、1度に8ビットのデータを扱い、それによってDDR2 SDRAMの2倍のデータ転送速度を実現する規格の総称である。
DDR SDRAMは1度のやり取りで2ビットのデータを扱い、DDR2 SDRAMでは4ビット分のデータにアクセスするのに対して、DDR3 SDRAMは1度に8ビット分のデータにアクセスできる。これにより、より高速にデータ転送を行える。また、DDR2 SDRAMに比べてより低い電圧で動作するため、消費電力や発熱も抑えることができる。
DDR3 SDRAMには、クロック周波数の違いによって複数の規格が存在する。規格の例としてDDR3-800、DDR3-1066、DDR3-1333などを挙げることができる。
DDR3 SDRAM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/16 00:27 UTC 版)
Type of RAM | |
4 GB PC3-12800 ECC DDR3 DIMM | |
開発元 | JEDEC |
---|---|
タイプ | SDRAM |
世代 | 3rd generation |
発売日 | 2007年 |
規格 |
|
クロックレート | 400–1066 MHz |
電圧 | Reference 1.5 V |
前世代 | DDR2 SDRAM (2003) |
次世代 | DDR4 SDRAM (2014) |
DDR3 SDRAM (Double-Data-Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory) は半導体集積回路で構成されるDRAMの規格の一種である。
2007年頃からパーソナルコンピュータの主記憶装置などに用いられるようになり、2010年後半まで市場の主流として各種デバイスで用いられた。スマートデバイスなどの組み込み向けとしても、2013年以降の高性能品(ARM Cortex-A15など)に使われるようになった。インテルはNehalemマイクロアーキテクチャ(2008年)から使用している。
規格の概要
DDR3 SDRAMの規格として以下が定義されている。 DDR3 SDRAMのメモリにはチップ規格とモジュール規格の2つの規格が存在している。チップ規格はメモリチップの最大動作周波数を、モジュール規格はメモリモジュールの最大転送速度を示す[1]。 8ビットずつのプリフェッチ(prefetch, CPUがデータを必要とする前に、メモリから先読みして取り出す)機能をそなえ、データ転送最大速度は理論上DDR2 SDRAMの2倍である。
また、動作電源電圧は、DDR SDRAMの2.5V/2.6V、DDR2 SDRAMの1.8Vに対し、DDR3 SDRAMは1.5V、DDR3L SDRAMは1.35V動作となっており、より一層の消費電力の低減、低発熱が実現されている。
2005年に、主にパーソナルコンピュータやサーバのメインメモリ用の規格として策定され、2007年から市場に出回り始めた[2]。DDR3 SDRAMに最初に対応したチップセットは、インテルでは2007年中頃にリリースされた3 Seriesチップセット、AMDでは2009年第1四半期にリリースされたSocket AM3である。インテルの場合、主に Core i シリーズのCPU世代から主流になったメモリ規格である。DDR3-1333×2 (21.3GB/s)や DDR3-1066×3 (25.6GB/s) という組み合わせから始まった。
発売当時はDDR2 SDRAMの値ごなれが進んでおり、それとの価格差が大きかったため[3]、当初DDR3専用だったインテルプラットフォーム用チップセットも、結局DDR2 SDRAMにも対応した。2010年にはIntel Core i7の登場(内蔵のメモリーコントローラがDDR3専用)や、AMDのSocket AM3の登場もあり、DDR3とDDR2の価格差は小さくなった。[4]
2012年には低電圧・低消費電力仕様のLPDDR3が発表され、2013年頃からLPDDR3を内蔵したSoCを搭載したスマートフォンやタブレットコンピュータが市場に出回りはじめている。
後継として、DDR4 SDRAMが予定されており、2015年ごろから市場に出回ると予想され[5]、2017年にはDDR4が市場シェア50%を越え世代交代が進んでいった。
なお、VRAM用のGDDR3と混同されやすいが別の規格であり、互換性はない。
レイテンシ
典型的なSDRAMモジュールへのアクセスレイテンシを比較すると、JEDEC準拠のDDR2デバイスはCL=5、5-5-5-15であったが、DDR3標準では、DDR3-1066(CL=7、7-7-7-20)、DDR3-1333(CL=9、9-9-9-24)、DDR3-1600(CL=11、11-11-11-28)である。
DDR3のレイテンシの数値はDDR2より大きい。それはI/Oバスのクロックサイクルがより短いからである。実際の時間間隔はほぼ13 nsと、DDR2のレイテンシと似通っている。新しいプロセスルールで製造されるDDR3はさらに改善が見込まれる。
以前のメモリ世代と同じように、初期のバージョンのリリースの後に、より速いDDR3メモリも利用可能になった。 DDR3-2000メモリは9-9-9-28レイテンシ(9ns)がIntel Core i7が間に合うようリリースされた[6]。 CASレイテンシの9とは1000MHz(DDR3-2000)において9nsであり、CASレイテンシ9の667MHz(DDR3-1333)は13.5nsである。
例:
(CAS / DATA RATE) * 2000 = X ns
(9 / 1333) * 2000 = 13.5 ns
拡張機能
インテルは拡張メモリプロファイル(eXtreme Memory Profile) (XMP) の仕様を2007年3月23日に公式に発表した。これはDDR3 SDRAMにおける伝統的なJEDEC SPD仕様に対して、オーバークロック動作のためのプロファイルを追加する規格である。[7]
メモリモジュール
JEDEC標準モジュール
チップ規格 | モジュール規格 | メモリクロック (MHz) | バスクロック (MHz) | 転送速度 (GB/秒) | データ転送速度 (サイクル) (MHz) | データ転送速度 (転送回数) (MT/秒) | モジュールのデータ転送速度 (64ビットデータ=8バイト(B)(1バイト=8ビット)) (MB = それぞれのピンの機能について説明する。
コマンドとオペレーション電流スペックと測定条件機能概略
市場に対する進出2007年に開始されたDDR3であるが、インテルのブレインであるCarlos Weissenbergは2008年8月ロールアウト時の講演で、2009年終わりもしくは2010年初期までDDR2の需要に追いつかないだろうと語った[13] (同じ見通しは市場調査会社DRAMeXchangeが1年早い2007年4月に発表している[14])。 DDR3の採用の増加は、新しいAMD Phenom IIおよびIntel Core i7プロセッサによる。これらはメモリコントローラーを内蔵しており、前者はDDR3を推奨し、後者は必須である。 2009年1月のIDCではDDR3の販売が2009年のDRAM市場の29%を占め、2011年には72%になるだろうとしている[15]。 上位規格「DDR4 SDRAM」を参照 2008年サンフランシスコで開催されたIntel Developer Forumで明らかにされた話では、DDR3の上位規格はDDR4であろうとのことであった[16]。現在設計段階であり、2012年にリリースされ、リリースされたときには1.5Vで動作するDDR3に比べ1.2Vもしくはそれ以下で動作するであろう[17][18]。毎秒20億回のデータ転送が行えるだろうとした。 脚注
関連項目
外部リンク
DDR3 SDRAM出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 03:53 UTC 版) 「Dynamic Random Access Memory」の記事における「DDR3 SDRAM」の解説 詳細は「DDR3 SDRAM」を参照 DDRでの同期クロックを4倍に高めそれぞれの立ち上がりと立ち下り時にデータ入出力を確定するのでSDRに比べて8倍のデータ転送速度となる。動作周波数は800MHz、1066MHz、1333MHzの3種類があり、単体での半導体パッケージの容量では512Mビットや1Gビット、2Gビットのものが多い。電源電圧は1.5Vと1.35V。 ※この「DDR3 SDRAM」の解説は、「Dynamic Random Access Memory」の解説の一部です。 ウィキペディア小見出し辞書の「DDR3SDRAM」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ。
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