EAPS
EAPS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/08 08:17 UTC 版)
「Counter-RAM」の記事における「EAPS」の解説
アメリカ軍は、82mm迫撃砲弾などのRAM(ロケット弾、砲弾、迫撃砲弾)に対する迎撃シミュレーションを行い、20-75mmまでの機関砲において、榴弾、徹甲弾、弾道修正の有無といった弾種の中で最も有効な組み合わせを、ブッシュマスターIII 50mm機関砲で弾道修正弾とした。この研究を基に開発されているC-RAM兵器がEAPS(Extended Area Protection & Survivability)である。 弾道修正弾とは、弾丸にアンテナ、電子回路、軌道修正用側方スラスターを持ち、射撃後、砲口を離れた空中で自身の軌道を修正する機能を持つ砲弾である。 砲側のATSレーダーが敵の弾道と10発程度バースト射撃され、飛翔中の弾道修正弾の軌道を追跡し、射撃管制装置内での演算によって必要な軌道修正を求めて、別のアンテナにより空中の弾道修正弾へ電波で指令する。 EAPSでの弾道修正弾は、さらに前方飛散型破片弾頭を弾体先端部に備えており、ATSレーダーでの敵味方の空中距離と速度を測定し、最適なタイミングでこの弾頭を起爆するように指令する。前方飛散型破片弾頭は前方に向けて円錐形に多数の破片を投射し、敵弾を撃破するもので、現在すでに実用化されている、MEFP(Multiple Explosively Formed Penetrator、多目的破片爆発成形弾)弾頭や、LOS-MP(Line of Sight-Multi Purpose、見通し内・多目的)弾を基に、DiFrag(Directional Fragmenting)弾頭を開発中である。弾頭には前方飛散型破片弾頭の他にも徹甲弾頭型も考慮されている。 この弾道修正弾は、当初は尾翼を備える形式のみであったが、フレアを備えた形式も検討されている。 システムは複数の敵弾に対して同時に誘導するよう求められており、50mmの弾丸内に高度なスラスター機能を組み込むなど弾道修正弾の開発が最も技術的な困難が伴う。本システムの要求レベルは高い。 2連装のブッシュマスターIII機関砲とATSレーダーを含むシステム全体を、装軌車両であるMLRSや装輪車両であるLAVの車台上に搭載することが検討されている。 アメリカ陸軍とATK社、Arrowtech社、Technovative Applications社などが開発を進めているが、開発途上であり今後も長時間が掛かると考えられている。
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