【F-80】(えふはちじゅう)
Lockheed F-80(P-80)"Shooting Star(シューティングスター)"(流星の意).
1940年代、ロッキード社が開発したジェット戦闘機。アメリカ軍初の実用ジェット戦闘機でもあった。
当初は「P-80」の名称で運用されていたが、1948年にアメリカ空軍が発足したのを期に、名称が「F-80」に変更された。
第二次世界大戦中の1943年5月から開発が開始され、試作機「YP-80」が1944年1月に初飛行した。
しかし、量産機の生産が間に合わず、第二次大戦では戦果を上げることは無かった。
その後朝鮮戦争で初の実戦配備となり、MiG-15と史上初のジェット機同士の空中戦を行い勝利するなど、戦争初期の航空優勢確保の主力として一定の戦果はあげたものの、既にMiG-15に比べて時代遅れとなってしまっていた。
そのため、F-86に後を譲り、対地攻撃や低空写真偵察に使用された。
後に、本機を複座化して練習機としたT-33も造られ、こちらは長きに渡って使用された。
スペックデータ
乗員 | 1名 |
全長 | 10.51m |
全高 | 3.42m |
全幅 | 11.85m |
主翼面積 | 22.07㎡ |
空虚重量 | 3,820kg |
最大離陸重量 | 7,650kg |
エンジン | アリソン J33-A-35ターボジェット(推力24.0k)×2基 |
速度 (最大/巡航) | 516kt/382kt |
海面上昇率 | 2,094m/min |
実用上昇限度 | 14,265m |
航続距離 | 718nm(増槽使用時) |
兵装 | M2 12.7mm機銃×6挺 翼下に450kg通常爆弾、5inロケット弾ポッド、増槽等を搭載可能。 |
派生型
- XP-80(1機):
試作機。
エンジンはハルフォードH1.B(後のデハビランド ゴブリン)遠心式ターボジェットを搭載。
- XP-80A:
XP-80の試作型。
エンジンはI-40(GE社によるロールス・ロイス ダーウェントのライセンス生産版)ターボジェットを搭載し、翼面積の拡大や構造強化が施されている。
- YP-80A:
増加試作型。
- F-80A(P-80A):
初期生産型。
- XP-80R:
P-80Aを改修した高速度試験機型。1947年に速度記録を樹立。
- QF-80A:
F-80Aの無人標的機型。
- RF-80A(FP-80A)(38機(A型改修)+114機(新造)):
F-80Aの偵察機型。
- F-80B(240機):
中期生産型。
エンジンをGE製J33-A-21ターボジェットに換装し、射出座席を装備、JATOの装備が可能となった。
- F-80C(798機):
最終生産型で戦闘爆撃機型。
エンジンはアリソン社製J33-A-35ターボジェットエンジンが装備され、主翼も強化されている。
- RF-80C(FP-80C):
F-80Cの偵察機型。
- T-33(TF-80C):
練習機型。
- TO-1(TV-2):
海軍向け複座艦上練習機型。
- F-94:
練習機型であるT-33にレーダー(AN/APG-33)を搭載した夜間(全天候)戦闘機型。
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