V-2
名称:V-2(A-4)
打ち上げ国名・機関:ドイツ
開発機関・会社:ドイツ陸軍兵器局
運用機関・会社:ドイツ武装親衛隊
打ち上げ場所:北フランス/オランダ等(移動式)
運用開始年:1944年
運用終了年:1945年
V-2は、現在のすべての宇宙ロケットや弾道ミサイルの遠い先祖にあたるミサイル兵器です。ドイツ陸軍の兵器局に所属する、ヴァルター・ドルンベルガー少将とウェルナー・フォン・ブラウン博士らが開発しました。V-2(Vergeltungswaffe Zwei)とは、ナチスが付けた呼び名で、設計名はA-4と言います。
フォン・ブラウン博士らは小型のロケットによる実験の後、1936年からA-4の開発に着手し、1942年6月には試射に漕ぎ着けました。バルト海に面した寒村ペーネミュンデの秘密試験場で行われた最初の試射は爆発して失敗に終り、8月の2回目の試射でも墜落、10月3日の3回目の試射でようやく計画通りの飛行に成功しました。その後も困難な開発が続きましたが、1944年9月6日にはドイツ占領下のベルギーからパリに向けて、V-2の第1弾が打ち込まれました。戦争が終わる2カ月前の1945年3月までに、合計3255発のV-2がイギリスやオランダに向けて発射されています。戦争終結直前にフォン・ブラウンら百人を超えるロケット技術者はA-4の資料と共にアメリカ軍に投降し、戦後はアメリカに渡って市民権を取り、アメリカのミサイルと宇宙ロケットの開発において欠くことの出来ない存在となりました。
1.どんな形をし、どんな性能を持っているの?
A-4は円錐形の胴体に、4枚の大きな尾翼を持ち、底部には推力25トンのロケット・エンジン1基があります。このエンジンには、燃料のエチル・アルコール(燃焼室の冷却のため水を25%混合)と、酸化剤の液体酸素が、過酸化水素の分解ガスで駆動されるターボポンプで加圧して送り込まれます。エンジンのノズルの周囲には、4枚のグラファイト製の噴流舵があって、排気を変向して姿勢を制御します。A-4の全長は14.04m、直径は1.65mで、尾翼の幅は3.56mあり、離床重量は12.9トンになります。
2.打ち上げや飛行の順序はどうなっているの?
A-4は移動式の発射台から打ち上げられ、上昇しながら徐々に目標に向けて姿勢を傾け、離床66秒後に速度が1,540m/s、高度28kmに達して、エンジンを停止します。その後A-4は弾道飛行を続け、発射地点から147km離れたところで高度82kmの上昇限度に到達します。この後は下降に転じ、発射地点から290kmはなれた目標地点に約マッハ3で落下します。発射から着弾までは310秒です。
3.どんなものを打ち上げたの?
A-4の頭部には重量1トンの弾頭があり、約0.75トンの高性能炸薬が充填されていました。
4.どのくらい成功しているの?
A-4は、3255発ほどがロンドンやパリ、アムステルダムに落下していますが、どのくらい発射されたのか、正確な数は分かっていません。
V2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/14 03:37 UTC 版)
V2
- V2レコード - ヴァージン・グループ会長リチャード・ブランソンが設立した2つ目のレコードレーベル。
- V2ロケット - 第二次世界大戦中にドイツ軍が開発したミサイルの一種。
- V2ガンダム - アニメ『機動戦士Vガンダム』に登場するモビルスーツ。
- V2語順 - ゲルマン語(特にドイツ語)で、動詞・助動詞が文の二番目の句となる語順。
- V2 (ユニット) - TM NETWORK(当時「TMN」)の小室哲哉とX JAPAN(当時「X」)のYOSHIKIが結成したスペシャルユニット。
- V2/ビジターの逆襲 - アメリカのTVドラマ「V ビジター」の続編。
- Yamaha V2 - ヤマハのシンセサイザーの型番。TX81Zのキーボード版。
- 仮面ノリダーV2 - 『とんねるずのみなさんのおかげです。』のコント、『仮面ノリダー』の続編。
- 航空機における安全離陸速度。Velocity-speed 2。
- スポーツなどにおいて、2回連続して優勝すること。
- V型2気筒 - レシプロエンジンの1形式。
- TAKAによる楽曲。
関連項目
V2
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「Ju 390 (航空機)」の記事における「V2」の解説
Ju 390 V2号機はベルンブルク(Bernburg)で組み立てられ1943年10月に初飛行を行った。この機体は洋上哨戒機型仕様であったと言われている。胴体は8.2 feet (2.5 m)延長されFuG 200 ホーヘントヴァイル(Hohentwiel)空対艦(ASV、Air to Surface Vessel)レーダーと5門の防御用の20mmMG 151/20 機関砲を装備していた。ウィリアム・グリーン(Green, William)は自著の中で4門の20mmMG 151/20 機関砲と3門のMG 131 機関銃という異なる防御用の武装を記している。 テストパイロットのアイゼルマン(Eisermann)中尉は1944年の2月には試作V2号機(RC+DA)を飛行させたと飛行記録に記載している[要出典]。しかしケスラー(Kössler)とオット(Ott)はJu 390 V2号機がようやく完成したのは1944年の6月で、テスト飛行が始まったのは1944年9月の下旬であったと述べている。 1944年初めにドイツからケープタウンまでのテスト飛行を行ったJu 390はV2号機であるとかないとか言われている。この話の唯一の情報源は1969年のデイリーテレグラフ紙に掲載された「ヒトラーのニューヨーク爆撃計画」という憶測記事である。この記事によればハンス・パンヘルツが問題の飛行を実施したと言ったとされている。執筆者のジェームズ・ダフィー(James P. Duffy)はこの発言に対して広範囲な取材をおこなったが成果はなかった。ケスラーとオットは彼ら自身がパンヘルツにインタビューしたにもかかわらず、両人ともこのことについては何も言及してはいない。
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