VEAK 40
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 08:54 UTC 版)
Lvkv VEAK 40(Luftvärns artilleri kanonvagn VEAK 40)とも呼ばれる、Strv.103のエンジンおよびトランスミッションと走行装置を流用した車体を持つ自走式対空砲。"VEAK 40"とは「Vagn, Eldledning, AutomatKanon, 40mm」の略で、スウェーデン語で「射撃管制装置付機関砲搭載自走砲、40ミリ型」を意味する。 走行装置およびエンジンは同一だが、Strv.103とは形状の異なる車体を持ち、重量は29トン、最高時速60km/h。装甲厚は5-15mm。車体後半部に40mm連装機関砲と対空レーダーを装備した多面体構成の大型回転砲塔を搭載している。操縦席は車体ではなく砲塔左側前部にあり、乗員は3名(車長/砲手/操縦士)で、全乗員が砲塔内に配置される方式であった。Strv.103と同じく油気圧式可変懸架装置を備えるが、全体車高の上下が可能なのみで、Strv.103のような前/後傾機構はない。 Strv.103と並行して1960年より開発計画が開始され、ランズベルク社が開発主体として選定された。1962年には試作車の製作を開始したが、車格的に軍が当初要求していた「自車のみで目標の捜索/評定が可能で、独立した全天候対空戦闘が可能なもの」という性能を達成する事が可能なレーダー(波長3cm、捜索範囲:周囲20km/高度10,000mのものが搭載される予定であった)と情報処理装置を搭載することが難しく、要求性能は「目標情報は別個の広域捜索レーダーより伝達され、その情報に従い自車は目標追尾と射撃照準のみを行う」ものに下方修正された。新たな車載レーダーはエリクソン社が開発を担当したが、これも砲塔にレーダーアンテナと情報処理装置を搭載することが重量的に難しく、最終的には射撃照準のみが可能な小型のものが搭載され、このレーダーは旧式で捕捉範囲が非常に短かった。 1964年には試作1号車が完成したが、開発当初に予定した全天候射撃性能を発揮することが不可能になった上、開発に想定以上の期間と費用を要し、1両あたりの価格が予定した配備数を調達することが難しいものとなる、と結論された。「高度な射撃管制装置と大口径機関砲を備えた自走対空砲」というもの自体に対する費用対効果も疑問視され、量産は行われず試作のみに終わった。
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