Workbench
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:08 UTC 版)
「AmigaOS」の記事における「Workbench」の解説
WorkbenchはAmiga用の標準のグラフィカル・デスクトップ環境である。WorkbenchはOSそのものではなく、その上で動作するデスクトップ環境である。ソフトウェアを動作させるのにWorkbench環境は必須ではない。実際多くのゲームは自前でハードウェアとメモリを制御するため、Kickstartから直接ブートできるようになっていた(フロッピーディスク上にブートブロックがある)。 名前が示す通り、作業台(ワークベンチ)のメタファーを使っており、厳密にはデスクトップではない。ディレクトリは「引き出し」、実行ファイルは「工具(ツール)」、データファイルは「プロジェクト」、GUIウィジェットは「小道具(ガジェット)」とされている。多くの面でインタフェースはMac OSに似ている。メインデスクトップには挿入されているディスクのアイコンとハードディスクドライブのパーティションのアイコンが表示され、それぞれのスクリーンの上部に1つのメニューバーがある。Macintoshとは異なり、マウスは2ボタン式だったが、右ボタンだけでMacintoshのようにプルダウンメニューを操作できる(ボタンを離したときに選択される)。 AmigaOS独特の機能として「マルチスクリーン」がある。AmigaOSのスクリーンはWorkbenchのデスクトップ環境を必要としない。それらのスクリーンは概念的には X Window Systemの仮想デスクトップやワークスペースに似ているが、必要に応じてアプリケーションプログラムが動的に生成する。それぞれのスクリーンは解像度や色深度をそれぞれ別々に設定できる。スクリーンの右上端のガジェットでスクリーンを切り替える。OSが全スクリーンの内容をメモリ上に保持しており、描画をその時点で素早く行う。スクリーン上端のタイトルバーでスクリーンを上下にドラッグすることもできる。かつてのAmigaは専用チップセットの機能を使ってこれを実現していたが、AmigaOS 4では新たな技法を採用しており任意の方向にスクリーンをドラッグできる。異なるスクリーン間でのドラッグ・アンド・ドロップもできる。 Workbenchの基盤となっているのがIntuitionというウィンドウシステムである。スクリーン / ウィンドウ / ガジェットの制御と描画、キーボードとマウスの入力の処理、プログラムへのメッセージパッシングなどを行う。
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