
省エネで運べる超快適マイホーム「ヘリテイジ クロスオーバードーム〈2G〉 」レビュー【編集部の山道具】
軽量テントを探していると目に飛び込んでくる、シンプルなドーム型のフォルム。ヘリテイジの「クロスオーバードーム〈2G〉」は1〜2人用でわずか630gという驚異の軽さを誇りながら、自立式で扱いやすいドームシェルターです。
本記事では、実際にクロスオーバードーム〈2G〉を愛用する編集部員がレビューし、お気に入りのポイントや結露対策のコツなどをご紹介!
雨のときの使い勝手は?稜線でも使えるの?といった気になるギモンにもお答えします。
2023/08/21 更新
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目次
編集部の愛用ギアを紹介します!
登山を楽しむために大切な「体力」 「知識」 「計画」、そして「登山ギア」。ただひと言で「登山ギア」といっても、ひとによって選び方は千差万別。
普段はみなさんが「#私の山道具」とハッシュタグをつけて、SNSに投稿されたアイテムを「ふむふむ」と見ている編集部ですが、今回の企画では5名のYAMA HACK編集部員がそれぞれの「私の山道具」を紹介します。
いつもは最新のギアやウェアの情報をいち早くお届けしている編集部。意外なもの、「なるほど!」なもの、「それ私も持ってる!」なもの、どんなものが出てくることやら。
編集部のメンバーが山のお供にしているギアたちを熱く語ります!
マッチングまでに8年かかった!私の持ち運びマイホーム

第4回目は、宮下が担当します!大学時のワンダーフォーゲル部への入部をキッカケに登山にハマり、全国各地の山を登ってきました。山小屋泊りと売店での購入がNGだったので、基本衣食住すべて背負っての登山。10泊以上の山籠りをしたり、雪山登山をしたりとガッツリやってきました。
社会人になってからも基本的にテント泊。ただ悩みすぎてなかなか自分用を買えず、いろんな人に借りて5〜6種類ほどのモデルを山で試していました。
探すこと8年(長い…)、2020年の春にようやく私の欲望を満たすとっておきのテントに出会ったのです。
私の相棒「ヘリテイジ クロスオーバードーム〈2G〉」

ドームシェルターとしてヘリテイジ から販売されているモデル。カテゴリとしてはツェルトとテントの間に位置し、とにかく軽量でスピーディーに快適な空間を組み立てられるのが特徴です。
▼ツェルト・ドームシェルター・テントの違い
ツェルト エマージェンシー ツェルト2G | ドーム シェルター クロスオーバー ドーム2G | テント エスパース ソロアルティメイト | |
![]() | ![]() | ![]() | |
重量 | 220g | 630g | 1,340g |
奥行 × 間口 × 高さ | 190×80×90 (cm) | 210×100×105 (cm) | 210×100×105 (cm) |
長所 | ・超軽量でコンパクト | ![]() | ・快適で使いやすい ・耐久性が高い |
短所 | ・居住性が低い ・耐久性が低い ・設営に慣れが必要 | ・重くてかさばる |
商品名の〈2G〉は「2nd GENERATION(第2世代)」の意味。第1世代から素材が変わったことで、耐水圧1.5倍、透湿性1.9倍、約10%の軽量化と、性能が大きくアップデートしました。
長年マッチングできなかった私を惚れさせた「クロスオーバードーム〈2G〉 」。その理由は、
・とにかく軽くてすぐに乾く
・最低限の居住性
・設営が簡単
という3つの条件を見事クリアしてくれたからです。
まずは、そんな相棒のおすすめポイントを各項目ごとに詳しく紹介していきたいと思います!
良いところ【1】圧倒的な軽さと速乾力!負担を減らしてくれるイケメンなパートナー
山で連泊をすることが多く、重量はなるべく少なくしたいし、朝露や雨で濡れたテントは本当に重くて辛くなる。
だからこそ、この「軽くて乾きやすい」ドームシェルターは最高なんです。
ポールを入れて630g!圧倒的な軽さで身軽に動ける

1〜1.5kgが軽量とされている1人用のテントですが、これは630gという圧倒的な軽さを誇ります。大きさ・重さともに、500mlのペットボトルとほぼ同等のスペックです。

片手で持てるほどコンパクトなので、ザックのちょっとしたスペースにもスッと入るのがうれしいポイント。
連泊時にうれしい!すぐに乾くから軽さや快適さが持続

雨が降ると濡れることによりテントの重さは倍増します。しかも再度設営する時に濡れていて不快……。
ただこのドームシェルターは速乾性に優れ、バサバサと風に当てれば濡れが解消!雨のあとでもほとんど重さが変わらないので、体力勝負の連泊時にはありがたみを実感。しかも早めにテント場に着いて干しておけば、次の日は乾いたテントの中で快適に過ごせます。

登山後のメンテナンス時もその機能が活躍。家のお風呂場やベランダに干しておけば、すぐに乾きます。
良いところ【2】心を満たしてくれる快適空間があっという間にできちゃう
軽さや乾きやすさにとどまらず、十分な居住性や設営の簡単さも魅力。知ったら惚れてしまう、その秘密をお教えします。
軽いのに十分すぎる居住性!

間口が210cmと一般的なテントと比べても十分な居住性。荷物がない状態であれば、身長155cmの私は寝転んでバンザイもできちゃうほどです。
同シリーズには、さらに小さくて軽い「クロスオーバードームf〈2G〉」というモデルも。ただ大人1人が入って、余白がないのでだいぶ窮屈です。ある程度の居住性も欲しかったので収容人数が2人の「クロスオーバードーム〈2G〉」を選びました。

テントの中はこんな感じ。左右上下共に十分なスペースがあるので、ストレスフリーに生活できます。
別売りのフロントフライを使えば前室も作れる

いくら居住空間が広くてもやっぱり前室は外せない……という人もいるでしょう。そんな人のために、前室が作れるフロントフライも別売りで用意。しっかり換気できるよう、本体と連動するベンチレーターも完備されています。
出入り口側だけを覆う最低限の大きさなので、重さはわずか140g。本体と合わせると770gになりますが、前室マスト派の人にとっては十分うれしい選択肢ではないでしょうか。
良いところ【3】1分強でスピーディーに設営完了!ひとりでも楽々
▼テントの組み立て方
①テントを広げる
②袋とじのスリーブにポールを挿入
③片側の差込みポケットにポールを入れて、一気に立ち上げ
④調節用のベルトで締める
⑤設営完了
スリーブ式構造のテントは組み立てるとき、ある程度の力が必要。腕の力が皆無なので苦労していたのですが、これは軽いので力をかけずに簡単に設営できます。1分弱で設営できるので、雨天時にもすぐにテント内へ避難が可能。
ここまではお気に入りのポイントを紹介してきましたが、ドームシェルターゆえに軽量化している分、気になるポイントも。
①出入り口に網戸がない
②シングルウォールのため、結露ができやすい
③風が強いときは設営や耐久性が不安
それぞれ解消しようと自分なりに工夫しているので、ここからは、気になるポイントと解決策をセットで紹介していきたいと思います。
気になるところ【1】出入り口に網戸がない
まずは、出入り口に網戸がない点。
入り口部分のベンチレーターには網戸がついていないため、開けていると虫が入ってきます。もう一箇所のベンチレーターには一応網もついているのですが、片方だけ開放しても空気がこもって夏場は暑くなってしまう……。
解決策:モスキートネットの取り付けで虫の進入を防ぐ

そこで活躍するのが、オプションで販売されている「モスキートネット」です。
被せるだけの簡単装着で、空気の出入りができるとともに虫をガード。これのおかげで虫を気にすることなく、安心して寝られるようになりました。
ただし気温が高いときはベンチレーターを開放しても暑く、フライがない分日差しを直接感じることも。そのためモスキートネットの装着に加えて、暑いときは日陰で使うようにしています。
気になるところ【2】シングルウォールのため結露ができやすい
雨が降っても水を通しにくい耐水性に優れているものの、朝や夜など気温差が激しい時は内側に結露が発生します。とくに底部分は対策をしないと置いている荷物が濡れてしまうほど。インナーマットとして敷いているオールウェザーブランケットも、防水効果はナシ。しかし解決策は身近なところにありました。
解決策:ビニール袋で結露対策

厚手のビニール袋をインナーマットとテントの間に敷いたところ、悩みが解消!ビニール袋が水を通さないので、これによって濡れが気にならなくなりました。

気になるところ【3】風が強いときは設営や耐久性が不安
とても軽い分、強風には弱いなと感じることも。
解決策:別売りのガイライン+石で耐久性アップ

とはいえガイラインで四隅を固定すれば、稜線のテント場や風が強い日でも問題なく使えます。ただしガイラインは別売りなので、購入時はご注意を。自在付きの4本セットで30gです。
また自分がテントの中にいない時は、石などを中に入れて動かないように工夫もしています。
とにかく軽さ重視!ハイスペックな相棒が欲しい人におすすめのテント

おさらいすると……
【2】心を満たしてくれる快適空間があっという間にできちゃう
【3】1分強でスピーディーに設営完了!ひとりでも楽々
➜モスキートネットの取り付けで虫の進入を防止
【2】シングルウォールのため結露ができやすい
➜ビニール袋で結露対策
【3】風が強いときは設営や耐久性が不安
➜別売りのガイライン+石で耐久性アップ
オプションや対策グッズを増やしていくとその分荷物が増えてしまいますが、軽さと快適さはトレードオフなので致し方ないところ。
居住性や耐久性よりもとにかく軽さを重視したい!という人で、不便なポイントも工夫して改善できる人には、ぜひおすすめしたいアイテムです。
テント泊において、どんなポイントを優先したいのかをいくつか試しながら探っていくと、きっとベストマッチの相棒に出会えますよ。
クロスオーバードーム〈2G〉のラインナップは3種類!1人用から3人用まで
クロスオーバードーム〈2G〉には、3種類のサイズ展開があります。
クロスオーバードームf〈2G〉 | クロスオーバードーム〈2G〉 | クロスオーバードーム2〈2G〉 | |
収容人数 | 1人 | 1〜2人 | 2〜3人 |
奥行き×幅×高さ | 75×200×95(cm) | 100×210×105(cm) | 130×210×110(cm) |
重量 | 540g | 630g | 690g |
出入り口 | 短辺側 | 長辺側 | 長辺側 |
別売りのフロントフライ | なし | あり(140g) | あり(160g) |
ソロで使う場合、極限まで軽量化したいなら1人用もアリですが、荷物を置くスペースなどを考えると1〜2人用がおすすめ。1〜2人用に大人2人が寝ようとすると頭の向きを反対にする必要があるため、2人で使うなら2〜3人用が良いでしょう。
▼テント本体
ヘリテイジ クロスオーバードームf〈2G〉
収容人数 | 1人 |
---|---|
サイズ(奥行き×幅×高さ) | 75×200×95cm |
重量 | 540g |
素材 | 【パネル・グランド】10dnナイロン高強度ミニリップストップ・透湿防水PUコーティング 【ポールスリーブ】10dnナイロン高強度ミニリップストップ・ACコーティング 【ポール】アルミ合金中空ポール(7001-T6)7.5mm径ショックコード内蔵 |
耐水圧 | 1,230mm |
透湿性 | 367g/㎡/h |
出入り口 | 短辺側 |
別売りのフロントフライ | なし |
ヘリテイジ クロスオーバードーム〈2G〉
収容人数 | 1〜2人 |
---|---|
サイズ(奥行き×幅×高さ) | 100×210×105cm |
重量 | 630g |
素材 | 【パネル・グランド】10dnナイロン高強度ミニリップストップ・透湿防水PUコーティング 【ポールスリーブ】10dnナイロン高強度ミニリップストップ・ACコーティング 【ポール】アルミ合金中空ポール(7001-T6)7.5mm径ショックコード内蔵 |
耐水圧 | 1,230mm |
透湿性 | 367g/㎡/h |
出入り口 | 長辺側 |
別売りのフロントフライ | あり(140g) |
ヘリテイジ クロスオーバードーム2〈2G〉
収容人数 | 2〜3人 |
---|---|
サイズ(奥行き×幅×高さ) | 130×210×110cm |
重量 | 690g |
素材 | 【パネル・グランド】10dnナイロン高強度ミニリップストップ・透湿防水PUコーティング 【ポールスリーブ】10dnナイロン高強度ミニリップストップ・ACコーティング 【ポール】アルミ合金中空ポール(7001-T6)7.5mm径ショックコード内蔵 |
耐水圧 | 1,230mm |
透湿性 | 367g/㎡/h |
出入り口 | 長辺側 |
別売りのフロントフライ | あり(160g) |
▼オプションアイテム
ヘリテイジ リフレクティブ スーパーガイライン(テント用)
重量 | 30g |
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ヘリテイジ クロスオーバードーム用フロントフライ
重量 | 140g |
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