道路に大穴が開いたり、まさかの候補が当選したり、立て続けに世間を騒がす事件が続いていますが、そうなると地味で目立たない(失礼)科学ニュースは、派手な見出しの狭間に埋没してしまいます。 先日2016年10月31日、慶応大学において、理論物理学の重要な成果が記者発表されました。 ですが、「一般の熱エンジンの効率とスピードに関する原理的限界の発見」という、この難解な題は果たして日本語なのでしょうか。さっぱり意味が分からないという反応が普通でしょう。よほど注意深く報道記事を追う人か、はじめからこの分野が大好きでたまらないマニアでもないと、どこが重要なのか認識できないでしょう。 けれどもこれは、熱力学・統計力学という古典的で正統的な理論物理学の分野でなされた、たいへん美しい鮮やかな成果なのです。物理学業界大興奮です。 アメリカの45代目大統領なんか1万年経てば誰も覚えていませんが、熱力学の法則は10
Klaus Schulten, professor of physics and Beckman faculty member for nearly 25 years, has died after an illness. A memorial service will be held at 10 am Mon, Nov. 7, at St. John’s Catholic Newman Center, 604 E. Armory Ave & 6th Street, Champaign. A reception will follow in the Newman Center. Schulten, who led Beckman’s Theoretical and Computational Biophysics Group, was a leader in the field of bi
時空の歪みは伝わるのか エネルギーや運動量の存在が周囲の時空を曲げるというのがアインシュタイン方程式が意味するものである.そしてその理論はかなり正しそうだという実験結果も次々と見つかっている.ということは,その「エネルギーや運動量」が移動したならば,周囲の時空の歪み方もそれに応じて変化することになるわけだ.例えば,離れた場所に止まっていた巨大な質量が移動を開始すれば,その移動開始の事実を伝える情報が時空の歪みという形で徐々に伝わってくる感じになるはずだ. しかし本当にそんなことになるのだろうか?物体が何の作用もなしに突然動き出すなんてことはない.静止していた質量を動かそうと思ったら,別のところからやってきた運動量がその物体に乗り移る必要がある.あるいは,静止していた物体が内部に抱え込んでいたエネルギーの一部を使って爆発などを起こし,自らを分裂させて互いを押し合うようにしなくてはならない.い
2015年のノーベル物理学賞は、東京大学の梶田隆章博士と、クイーンズ大学(カナダ)のアーサー・マクドナルド博士に輝きました。受賞テーマは「ニュートリノが質量を持つことを示したニュートリノ振動の発見」です。ニュートリノって何? 震えてるの? 自分とは関係ない話に聞こえるかもしれませんが、とんでもない。「私たちはなぜ宇宙に存在するのか」。そんな好奇心をくすぐる謎に迫るかもしれない研究なのです。 【図】ノーベル生理学医学賞 大村智氏が着目した「放線菌」とはどんな微生物? ニュートリノには「大気ニュートリノ」と「太陽ニュートリノ」にまつわる2つの謎がありましたが、それらを解明する鍵を握っていたのがニュートリノ振動でした。 ニュートリノは何者なのでしょうか? 身の回りのものをどんどん細かくしていくと、分子、原子、原子核などと進み、最終的にアップクォークとダウンクォークと電子という3つの粒に行き着きま
大栗 博司 Kavli IPMU 主任研究員 1.発表者 大栗 博司(おおぐり ひろし) 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 主任研究員 2.発表のポイント 重力の基礎となる時空が、さらに根本的な理論の「量子もつれ」から生まれる仕組みを具体的な計算を用いて解明した。 物理学者と数学者の連携により得られた成果であり、一般相対性理論と量子力学の理論を統一する究極の統一理論の構築に大きく貢献することが期待される。 成果の重要性等が評価され、アメリカ物理学会の発行するフィジカル・レビュー・レター誌(Physical Review Letters)の注目論文(Editors’ Suggestion)に選ばれた。 3.発表概要 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の大栗博司主任研究員とカリフォルニア工科大学数学者のマチルダ・マルコリ教授と大学院生らの物
Caltech's Division of Physics, Mathematics and Astronomy and The Feynman Lectures Website are pleased to present this online edition of Now, anyone with internet access and a web browser can enjoy reading2 a high quality up-to-date copy of Feynman's legendary lectures. This edition has been designed for ease of reading on devices of any size or shape; text, figures and equations can all be zoomed
ちょっと複雑に見えるかも知れないが、説明を加えればすぐに意味をつかんでもらえるだろう。 自分はある点 における関数 の振舞いについては良く知っているとする。 この式の右辺には やら やら やらが出ているだろう。 これらは全て での値である。 つまり におけるこの関数の値、この関数のグラフの傾きの値、2 階微分の値、3 階微分の値・・・、 そういった情報はみんな持っているのだとする。 それらの「溢れんばかりの情報」を使って、 からわずかに離れた 地点での関数の値 を 言い当てることができるか、というのが与えられたテーマである。 さあ、このような「直接的ではない情報」をどう活用したらいいのか? なんと、(1) 式の右辺のように計算すれば、それができるというのである。 と との間のわずかな距離は と表せるが、 これは (1) 式の右辺に や や という形で何度も出てきている。 そうやって落ち着い
大学と大学院の,理工系の講義ノートPDFのまとめ。 PDF形式の教科書に加え,試験問題と解答,および授業の動画も集めた。 学生・社会人を問わず,ぜひ独学の勉強に役立ててほしい。 内容は随時,追加・更新される。 (※現在,60科目以上) カテゴリ別の目次: (1) 数学の講義ノート (2) 物理学の講義ノート (3) 情報科学の講義ノート (4) 工学の講義ノート ※院試の問題と解答のまとめはこちら。 (1)数学の講義ノート 解析学: 解析学の基礎 (大学1年で学ぶ,1変数と多変数の微分・積分) 複素解析・複素関数論 (函数論) ルベーグ積分 (測度論と確率論の入門) 関数解析 (Functional Analysis) 代数: 線形代数 (行列論と抽象線形代数) 群論入門・代数学 (群・環・体) 有限群論 (群の表現論) 微分方程式: 常微分方程式 (解析的および記号的な求解) 偏微分方程
東京工業大学フロンティア研究センター&応用セラミックス研究所の細野秀雄教授が、超伝導材料開発の際に失敗した材料約1000種類のデータベースを公開するとのこと(日刊工業新聞)。 失敗したデータを公開することは珍しいが、これによりほかの研究者が同じ失敗を避けることができ、研究効率が向上するという。
シリコン単結晶のインゴット 半導体(はんどうたい、英: semiconductor)とは、金属などの導体と、ゴムなどの絶縁体の中間の抵抗率を持つ物質である。半導体は、不純物の導入や熱や光・磁場・電圧・電流・放射線などの影響で、その導電性が顕著に変わる性質を持つ。この性質を利用して、トランジスタなどの半導体素子に利用されている。 良導体(通常の金属)、半導体・絶縁体におけるバンドギャップ(禁制帯幅)の模式図。ある種の半導体では比較的容易に電子が伝導帯へと遷移することで電気伝導性を持つ伝導電子が生じる。金属ではエネルギーバンド内に空き準位があり、価電子がすぐ上の空き準位に移って伝導電子となるため、常に電気伝導性を示す。 半導体のバンド構造の模式図。Eは電子の持つエネルギー、kは波数。Egがバンドギャップ。半導体(や絶縁体)では、絶対零度で電子が入っている一番上のエネルギーバンドが電子で満たされ
Figure 1Schematic of the communications scheme. Messages s1,…,sn are encrypted through their modulation of the coupling functions connecting the two oscillators of the transmitter. Only two signals are transmitted through the public domain. For the particular realization of the cipher discussed in the text, Eqs. (5) and (6), they are x1 and y2. The receiver consists of the same kind of oscillators
ポイント 既存の半導体技術との融合によって界面ディラック状態を観測 量子振動の観測によりディラック状態が界面にも存在することを確認 トポロジカル絶縁体の組成調整で表面電子状態の制御が可能なことを実証 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)は、近年見いだされた新物質のトポロジカル絶縁体「(Bi1-xSbx)2Te3薄膜」とインジウムリン(InP)半導体を接合した素子を用い、トポロジカル絶縁体に特徴的な「ディラック状態[1]」を固体と固体との「界面」で検出することに初めて成功しました。これは、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程大学院生の吉見龍太郎(強相関物性研究グループ研修生)、菊竹航(強相関理論研究グループ研修生)と、東京大学大学院工学系研究科の塚﨑敦特任講師(現 東北大学金属材料研究所教授・理研客員研究員)、ジョセフチェケルスキー特任講師(現 マサ
東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授らは、光での量子もつれ生成を時間的に多重化する新手法を用いて、従来に比べ1000倍以上となる1万6000個以上の量子がもつれ合った超大規模量子もつれの生成に成功したと発表した。古澤氏は「量子コンピュータ実現に向け、大きな課題の1つだった『量子もつれの大規模化』に関しては、解決された」とする。 東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授らは2013年11月18日、光での量子もつれ生成を時間的に多重化する新手法を用いて、従来に比べ1000倍以上となる1万6000個以上の量子がもつれ合った超大規模量子もつれの生成に成功したと発表した。量子コンピュータの実現に向け超大規模量子もつれが不可欠とされ、古澤氏は「今回の成果により、量子コンピュータ研究は新たな時代に突入した」という。 これまで最高14量子間だったところ、一気に1万6000量子間の量子もつれの生成を実現 実
インターネットフォーラム『Fusor』によると、アメリカ合衆国ミシガン州オークランドの高校生・オルソン君がガラクタを集めて核融合が可能な原子炉を作り、信じられないことに重水素核融合に成功したという。しかも、成功した場所というのが自宅というから仰天だ。 普通の高校生がプラモデルを作るのとはワケが違うため、ご近所さんたちはドン引き……。気が気じゃない毎日を過ごしているという。近所の空気を読んでいないのか、オルソン君はインターネット掲示板で「紫色のプラズマが見られてサイコーだぜ!!」とご満悦だ。 オルソン君は原子炉に必要な数々の機器をすべて地元のホームセンターや『eBay』(インターネットオークション)から調達。重水素核融合に自宅で成功し、2億度のプラズマを発生させた。2億度といえば太陽の中核より高温だ。いやはや、天才はどこにいるのかわからない。 ちなみに写真は実際のオルソン君の手作り原子炉。と
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