レンタルされるのは核ミサイル搭載可能な戦略原潜ではなく、敵の潜水艦や水上艦艇への攻撃を担う攻撃型原潜(写真は米海軍のロサンゼルス級) 「背中を刺された」「やり方がトランプ並み」――。フランスがアメリカやオーストラリアに対して激怒し、両国から大使を召還する騒ぎになった(その後、駐米大使は復帰が決定)。 理由は、オーストラリアがフランスと2016年に結んだ通常動力型潜水艦の共同開発の計画を破棄したこと。 そして、代わりに米英豪による新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の中で、当面はアメリカから原子力潜水艦をレンタル、そしてその後は米英と共同製造するという計画が発表された。つまりフランスからすれば、いきなり巨額の開発契約を横取りされたという構図になる。 まずは、オーストラリアが現在保有している「コリンズ級」に代わる新型潜水艦12隻の開発計画をめぐる"迷走"の経緯を振り返ろう。 ●14
