2007年、愛媛県松山市で「日本を救え!農業で救え!」と一人の男が立ち上がった。楽天農業(株)代表取締役社長で楽天ファームの生みの親、遠藤忍(えんどうしのぶ)である。今回はその誕生秘話をお伝えしたい。 「ネットゲームで野菜を作る」 こんなバカなことを考え始めたのは、過疎に苦しむ地域の厳しい生活を目の当たりにしたことがきっかけでした。 検査技師として医療業界に勤め、検診で中山間地(ちゅうさんかんち)を訪れていた私は、痛い足腰を引きずりながら、ご先祖から受け継いだ大切な農地を一生懸命に耕していらっしゃる70歳~80歳の姿を見かけては「何とか出来んのか…」と、自分自身に叫んだものでした。 老人の孤独死が増え、学校は廃校になり、若者はますます減っていく… これではいけない。田舎の過疎地に何らかの産業を作らなくては! 若者がやりたくなるような産業を作って、農村地域にお金を生める仕組みをを作れないか?