壁のコンセントの位置が、どんどん上にずれていく。 関西空港で知り合った整備士から、こんな話を聞いた。 はじめは冗談だと思ったが、その人は「本当だ」と言い続ける。 取材を始めると、関西空港で安全を確保するために、開港から30年にわたって行われている、ある工事にたどりついた。 その工事は、大規模なのに、まったく目立たない。 しかし、これがなければ、関空は成り立たない。 (大阪放送局 関西空港支局 記者 高橋広行) 関西空港の駐機場に面した、整備士のオフィスを訪ねた。 「これです」 驚いた。 身長175センチの私が手を思い切り伸ばしても、届かないところにコンセントがある。 しかも、以前はもっと低いところにあったが、年が経つにつれ、どんどん上がっているという。 オフィスを見回してみると、おかしな光景は、そこかしこにあった。 窓の位置も妙に高い。 「もとは、大人の目線くらいの高さにあったそうですが、