複数の種類の細胞に変化できる「幹細胞」を使って、神経や血管とつながる「生きた入れ歯」をつくることに、東京理科大のチームがマウス実験で成功した。 歯と歯茎の一部の組織からできており、移植した部分に定着する。科学誌プロスワン電子版に13日発表した。 同大の辻孝教授と大島正充助教らは、マウスの胎児から、「上皮」と「間葉」と呼ばれる2種類の幹細胞を採取し、歯と周辺組織に育つように培養。これらを混ぜて成形用の円柱形プラスチックに入れ、別のマウスの腎被膜へ移植した。その結果、歯と周辺組織の6種類の細胞ができて、約30日後に移植可能な状態になった。これを抜歯したマウスに移植したところ、約40日後に生きた歯として定着した。細胞の数や配置を調整すると、一度に5本の歯の組織を作れるという。