大阪市は17日、新型コロナウイルスの感染急増を受け、政府の情報共有システム「HER―SYS(ハーシス)」への入力作業を外部の業者に委託した際、必要な手続きを経ずに、口頭で9650万円の見積もりを取って発注していたと明らかにした。同日の市議会で自民党市議が指摘し、市側が「不適切だった」と認めた。 市によると、保健所によるハーシスへの入…
BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」を紹介するウェブサイト=2022年1月9日取得、NHKウェブサイトより NHK大阪放送局は9日、2021年12月に放送したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」について、字幕の一部に不確かな内容があったと発表した。「五輪反対デモに参加しているという男性」と「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という記述について、実際に五輪デモに参加した事実が確認できていないと説明した。NHKのディレクターらの確認が不十分だったとして、視聴者におわびした。 映画監督の河瀬直美さんは東京オリンピックの公式記録映画(22年6月に公開予定)の監督を務め、19年7月から撮影を進めた。番組はNHK大阪放送局の制作で、河瀬さんの撮影現場を長期にわたり密着取材し、21年12月26日に放送、同30日に再放送した。
倉庫に保管されている、国が用意した大量の布マスク=東京近郊で2021年12月1日午後2時33分、大西岳彦撮影 大量在庫が問題となっている布マスク「アベノマスク」に関し、岸田文雄首相が表明した2021年度中の廃棄に数千万円の経費がかかる可能性があることがわかった。複数の政府関係者が明らかにした。20年8月から21年3月までの保管料は6億円に達しており、首相周辺は「廃棄した方が費用対効果はいい」と理解を求めている。 新型コロナウイルス対策で安倍政権が20年に調達したアベノマスクは、約8000万枚が余剰在庫になっている。首相官邸関係者によると、マスクは「国有財産」として扱われるため、廃棄業者の選定には入札などの手続きが必要になる。廃棄費用は確定していないが、この関係者は「数千万円単位だろう」と見込む。
衆院選投開票日を迎え、投票する有権者=東京都千代田区で2021年10月31日午前10時17分、宮間俊樹撮影 全国で400万票もの票が「案分票」となっていたら、公正な選挙と言えるだろうか――。10月31日に投開票された衆院選の比例代表で、立憲民主党と国民民主党がそろって略称を「民主党」として届け出たため、得票の割合に応じて票を振り分ける「案分票」が大量に生じた可能性がある。静岡県の場合、静岡市葵区で7955票もの案分票が発生。有権者の「1票」にかけた思いが正しく反映されなかったといえる。【石川宏】 両党は公職選挙法に基づき、略称をともに「民主党」として中央選挙管理会に届け出た。中央選挙管理会は政党の略称について異議をとなえることができず、そのまま受理した。結果的に全国で膨大な案分票が出た。
当選確実となった自身の名前に花をつけ、記念写真に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表=東京都千代田区で2021年10月31日午後9時31分、吉田航太撮影 国民民主党の玉木雄一郎代表は1日、衆院選の結果を受けた今後の国会で、日本維新の会との連携を視野に入れる考えを示した。国民、維新の衆院議席を合計すると52人となり、衆院で予算措置を伴う議員立法を提出できる50人を超える。玉木氏は「国会で大きな力になる。政策の一致する範囲で協力できるところはぜひ取り組みたい」と意欲を示した。東京都内で記者団に語った。 維新は公示前議席の11から41へ躍進し、国民も8から11に増加。立憲民主党が野党第1党を維持したものの、維新、国民は10議席にとどまった共産党を抜いて、野党第2、第3党となった。
10月31日の衆院選と同時に実施された最高裁裁判官の国民審査は、1日夜に開票結果が発表され、審査対象の裁判官11人全員が信任された。今年6月の大法廷決定で、夫婦別姓を認めない民法の規定に「合憲」との意見を述べた4裁判官の罷免を求める率がいずれも7%台となり、上位4人となった。地方より都市部でこの4氏の罷免を求める傾向が顕著に出ていた。 審査対象となったのは、2017年の前回選挙後に任命された11人。6月の決定で「合憲」の多数意見に加わったのは、深山卓也、林道晴、岡村和美、長嶺安政の4氏(告示順)。罷免を求める票は、深山氏の449万554票(罷免率7・85%)が最多。林氏441万5123票(同7・72%)、岡村氏416万9205票(同7・29%)、長嶺氏415万7731票(同7・27%)と続いた。
記者会見で自民党の政権公約を発表する高市早苗政調会長=東京都千代田区の同党本部で2021年10月12日午後1時33分、竹内幹撮影 自民党は12日、衆院選(19日公示、31日投開票)の政権公約を発表した。「新しい時代を皆さんとともに。」をキャッチフレーズに、岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実現などを主張した。総裁選に立候補した4人の主張もそれぞれ盛り込まれたが、国家観を巡り「国の使命は、国家の主権と名誉を守り抜くこと」というフレーズが採用されるなど、とりわけ高市早苗政調会長の主張が色濃く反映されたようだ。 政権公約は、新型コロナウイルス対策や経済対策、経済安全保障、憲法など八つの重点項目で構成。コロナ対策では、人の流れの抑制や医療提供体制確保のため「国民的議論を踏まえ、行政がより強い権限を持てるための法改正を行う」とし、公衆衛生分野の司令塔機能の強化も盛り込んだ。
岸田文雄首相による内閣が発足し、記念撮影にのぞむ岸田首相(前列中央)と閣僚たち=首相官邸で2021年10月4日午後10時45分、宮武祐希撮影 毎日新聞の全国世論調査で岸田文雄内閣発足直後の支持率が49%と5割を切ったことに、政府・与党内の見方は割れた。迫る衆院選をにらみ、直近の菅義偉内閣の支持率を超えたことを歓迎する一方、その菅内閣の発足時を大きく下回る結果に不安もよぎる。野党は「岸田政権は安倍・菅政治の継承だと世論が受け止めた」と勢いづくが、与野党双方とも衆院選の展望はまだ見えない。 「この際、菅さんとの比較で」強調も 「せめて50%は行くと思ったが……」。調査結果を聞いた自民党幹部の一人は落胆を隠せなかった。内閣支持率が49%と知り、多くの自民議員らの第一声は「低いね」。岸田首相は総裁選で争った高市早苗政調会長と衆院3期の福田達夫総務会長を登用。13人を初入閣させたが、党関係者は「やは
「金持ち優遇だ」との批判が強かった金融所得課税の見直し論が加速している。自民党総裁選でも税率を引き上げるべきだとの声が強く、年末の2022年度税制改正議論でも大きな焦点になりそうだ。金融所得課税の何が問題なのか、なぜこれまで見直しの動きが進んでこなかったのか、問題を一から探った。 所得税との違いは? 多くの人になじみ深い税といえば、所得税だろう。会社からもらう給与や商売で稼いだお金に課税され、所得が多くなるほど段階的に税率も高くなる。現在は課税所得195万円未満の税率は5%であるのに対し、同4000万円以上は最高税率の55%(うち10%分が住民税)が課される。お金持ちほど支払う税金が多くなる仕組みだ。 これに対し、株式の譲渡益や配当金など金融取引によって得た利益である金融所得は、給与などの所得とは合算されないうえ、税率は所得や、得た利益に関係なく一律20%(うち5%分が住民税)課税される。
平井卓也デジタル改革担当相(現デジタル相)が出席したオンライン定例会議の音声データの多くが保存されていなかった問題で、デジタル庁は21日、音声データはいずれも公文書扱いしたうえで、官僚の判断で廃棄可能な「保存期間1年未満」の文書だとして廃棄したと説明した。同庁は当初、音声データの一部は「担当者が個人の備忘として利用していた」として私文書扱いだったと説明していたが、説明を事実上修正した。識者は、恣意(しい)的な文書管理だと批判している。 同庁によると、当時の内閣官房IT総合戦略室が今年3~6月に12件のオンライン会議を録音した。このうち4月7日の音声データは、平井氏が東京オリンピック・パラリンピック向けアプリの事業費削減に関し、発注先を「脅しておいた方がいい」などと発言したことが報道された後、「保存期間10年」にした。
閣議後記者会見で質問に答える麻生太郎財務相=東京都千代田区の財務省で2021年9月21日午前11時31分、町野幸撮影 森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、メディアが記者会見などで自民党総裁選候補者に再調査するかどうか意向をただしていることについて、麻生太郎財務相は21日の閣議後記者会見で「これからの政権に前の政権の評価を聞いて読者の関心があるのかねえ」と述べた。森友問題を「すでに終わったこと」にしたい麻生氏の姿勢がにじみ出た格好。これまでの財務省による調査は不十分だとの声が根強い中、問題のある発言と言えそうだ。 この問題では、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、値引きが問題視され、財務省の決裁文書の改ざんや近畿財務局職員の自殺に発展した。財務省は2018年に調査報告書を公表している。
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)=1審で実刑判決、控訴中=と、妻の案里元参院議員(47)=1審で有罪確定=から現金を受け取ったとされる地方議員ら100人について、東京地検特捜部は全員を不起訴処分とする方向で調整を始めた。公職選挙法違反(被買収)容疑で刑事告発されていたが、無理やり現金を渡されるなどしており、刑事責任を問うほど悪質性は高くないと判断した模様だ。上級庁と協議して最終決定する。 克行元議員の1審判決によると、19年3~8月、地方議員や首長ら44人、後援会関係者50人、選挙スタッフ6人が案里元議員の票をとりまとめる趣旨で現金を受け取った。最高額は、亀井静香・元金融担当相の元公設秘書の300万円で、次いで元広島県議会議長の奥原信也県議(78)の200万円。1人当たり10万~20万円が多く、最も少ない人で5万円だった。
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