浜岡原発の運転を止める理由として、菅首相は「今後30年以内に震度6以上の地震が来る確率は87%」という地震調査研究推進本部のデータ(参考値)をあげ、「危険が切迫している」と強調した。もし政府が、本当に「まもなく東海地震が来る」と判断したのなら、事は重大である。 政府の被害想定によれば、最悪の場合、死者は9200人に達する。放射能による死者の出ていない福島原発事故より3万人近い死者の出た津波のほうが重大であるように、静岡県でも津波で死ぬ人のほうが原発事故よりはるかに多いだろう。原発を止めた以上は、静岡県全域に15mの防潮堤を建設しなければ辻褄が合わない。 そもそも東海地震は、本当に来るのだろうか。これは東大の石橋克彦氏が1976年に提唱した説で、その基本的な考え方は「東海地震は1944年の東南海地震の割れ残りなので、数年以内に起こる」というものだ。一般的な可能性ではなく、すぐにも大地震が起こ