京都府には、かつて「丹波国(たんばのくに)」と称されていた地域がある。現在の亀岡市、南丹市、京丹波町などがそれにあたり、いずれも緑豊かな山地や美しい川など、手つかずの自然が残るエリアだ。こうした豊かな自然とともに暮らす人々が、守り育んできたもののひとつが、「かやぶきの里」の美しい景観である。この「かやぶきの里」をはじめ、京都の食文化に合うワイン造りを目指している「丹波ワイン」など、「森の京都」として近年脚光を浴びる“丹波の国”の注目スポットを巡った。 美山かやぶきの里 山の麓に抱かれるように点在する、茅葺の民家 京都駅から車で約1時間20分。なだらかな稜線を描く山々の麓に抱かれるように、茅葺(かやぶき)の民家が点在する。「美山かやぶきの里」だ。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたこの集落に建つ茅葺の民家は全部で39棟。江戸時代中期から明治時代初期にかけて建てられたものが多く、正式には
