岸田文雄首相は8日の所信表明演説で、外交・安全保障政策の基本方針「国家安全保障戦略」を初めて改定すると表明した。同戦略は第2次安倍政権が2013年に策定したが、安全保障環境の緊迫化を踏まえて見直す。防衛政策の指針「防衛大綱」や、5年間の防衛費の規模を示す「中期防衛力整備計画」(中期防)を改定する方針も打ち出した。菅前政権が昨年末に結論を先送りした「敵基地攻撃能力」保有などが今後の焦点となる。 首相は演説で「安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の領土・領海・領空、国民の生命と財産を断固として守り抜く」と強調。安保戦略、防衛大綱、中期防の改定に意欲を示した。政府関係者は戦略の改定時期について「1年かそれ以上の期間が必要になる」とみている。首相は今後、政府・与党内の議論の加速化を図る方針だ。
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