僕は食品会社に勤める営業部長だ。まだ給食営業の仕事も続けている。昨年12月頭に、得意先の紹介でとある静岡県のメーカーE社の社員食堂の案件が飛び込んできた。E社は現在委託している給食会社が一年間で三回も値上げを打診してきたのをきっかけに交渉が決裂、4月から運営してくれる会社を探しているという。取引先の手前、絶対にしくじってはいけない案件だった。E社の担当者との初めての面談で3社に声がけしたと伝えられた。僕は、70食程度の小さい社員食堂とはいっても年末年始が入るので時間がないこと、提案や試食等の選定を急ピッチで進める必要があること、取引確認や調査は先行して勧めてほしいことを依頼した。 で、順調に企画提案とプレゼンをクリアして最終候補の1社に残り、試食会を実施する段階になった。担当者は「最終確認です」と言った。担当者からは6名参加と告げられた。「飾ることなく普通に社員食堂で提供される内容の食事」