タグ

ブックマーク / www.tokyoartbeat.com (10)

  • ホー・ツーニェン インタビュー。アウトサイダーの視点から日本の戦時中の歴史をどのように語ることができるか。(聞き手:相馬千秋)

    東京都現代美術館で、シンガポールを拠点に活動するアーティストの個展、「ホー・ツーニェン エージェントのA」が開催されている。会期は4月6日〜7月7日。 資料や言説を参照しながら、東南アジアの思想や歴史にもとづいた映像やヴィデオ・インスタレーション、パフォーマンスを発表してきたホー・ツーニェン(1976〜)。国際的にも注目されている作家のひとりであり、2011年には第54回ヴェネチア・ビエンナーレのシンガポール館の代表を務めた。日でも東京都現代美術館のグループ展などでの作品発表に加え、「あいちトリエンナーレ2019」の《旅館アポリア》(2019)、山口情報芸術センター[YCAM]での「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」(2021)、豊田市美術館での「百鬼夜行」(2021)など個展や新作発表の機会がつづき、国内で大きな話題を呼んできた。 今回は聞き手にNPO法人芸術公社代表理事/アートプロ

    ホー・ツーニェン インタビュー。アウトサイダーの視点から日本の戦時中の歴史をどのように語ることができるか。(聞き手:相馬千秋)
  • 『マッドマックス:フュリオサ』に登場する「ある絵画」は何を意味しているのか? ギリシア神話と「ファム・ファタル」から考察する

    アニャ・テイラー=ジョイ演じる若き日のフュリオサや、クリス・ヘムズワースによる敵役のディメンタスなど俳優陣の熱演、前作からさらにパワーアップした強烈かつアイデア満載のアクションシーン、そして崩壊した後の過酷な世界の描写など、作の見どころは枚挙にいとまがない。そして何より、あのフュリオサが主人公として戻ってくるということで、前作で叩きつけられた新しい女性表象やそこに見られたフェミニズム的メッセージが、作でどうアップデートされるのか、期待する人も多いのではないだろうか。私はまさにそのひとりだ。 ひと足早く試写で見る機会を得、手に汗握りながら見ていたところ、なんと見覚えのある絵画が登場して意表をつかれた。その絵は、19世紀後半から20世紀初頭に活躍したイギリスの画家、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849〜1917)の《ヒュラスとニンフたち》(1896)だ。

    『マッドマックス:フュリオサ』に登場する「ある絵画」は何を意味しているのか? ギリシア神話と「ファム・ファタル」から考察する
  • 「大吉原展」(東京藝術大学大学美術館)レポート。美術を通じて吉原の文化や街並みを検証し、そこで生きた人々に思いを馳せる

    1618年(元和4)、現在の中央区日人形町、日橋葺屋町に幕府公認の遊郭、吉原が誕生した。そして、明暦の大火直後に吉原は1657年(明暦2)に浅草寺北の日堤に移転、以後、新吉原と称される。展における吉原とは、この吉原と新吉原の両者を総称したものである。 独自のしきたりやルールが定められた非日常の空間である吉原は、多くの文化人が集い、浮世絵や文学をはじめ多様な文化の発信地となっていった。しかしながら、その華やかな世界は、多額の借金を背負わされた遊女たちの売春によって作り出されたものでもある。 展は開幕前、広報の在り方が吉原の華やかな部分のみに焦点を当てたもので、吉原で働き人権侵害されていた女性たちの扱いを軽視しているとの指摘や議論がSNSを中心に巻き起こった。これを受け、展は今日までに広報の方向性を大きく変え、「大吉原展 江戸アメイヂング」というタイトルを「大吉原展」に改め、開催

    「大吉原展」(東京藝術大学大学美術館)レポート。美術を通じて吉原の文化や街並みを検証し、そこで生きた人々に思いを馳せる
  • 「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)

    相次ぐ「大吉原展」への批判ここ数日、「大吉原展 江戸アメイヂング」(以下、展)がSNSを賑わせている。展は、かつて江戸/東京にあった公娼街・吉原遊廓を取り上げたもので、今年3月から東京・上野の東京藝術大学大学美術館で開催される美術展である。展公式サイトのステートメントには「『江戸吉原』の約250年にわたる文化・芸術を美術を通して検証(改行)仕掛けられた虚構の世界を約250件の作品で紹介する」とある。 マンガ家・瀧波ユカリ氏のX(旧Twitter)では、前述のステートメントに続く序文を指して、「ここで女性たちが何をさせられていたかがこれでもかとぼやかされた序文と概要。遊園地みたい。」と非難するコメントをポスト。ここを起点にSNS上での意見対立を生んでいたようだ。 筆者の私は遊廓を専門に扱う書店・カストリ書房を経営しているが、同店は吉原遊廓が戦後に何度か看板を掛け替えて現在は吉原ソープ街

    「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)
    dowhile
    dowhile 2024/02/09
    これで遊女の悲惨な面を宣伝に出したら歴史戦やってる連中に叩かれて中止になりそう
  • プロテストするレズビアンの美術【後編】1960年代以降の現代アートにおける女性同性愛表象から“プライド”を考える

    1960年代以降の表現をたどる 前回の記事では、世紀転換期におけるレズビアンをはじめとするバイセクシュアルやパンセクシュアルといった女性同性愛の表象を描いた作家たちを紹介してきた。 マリー・ローランサンとロメイン・ブルックスによるセクシュアリティの表現、アンリ・トゥールーズ=ロートレックやジャンヌ・マメンによるレズビアン・カルチャーの表象、ゲルダ・ヴィーグナーのエロティカに見えるレズビアンと視線の問題。 それらの表現と課題は、プライド・マンスの出発点でもあるストーン・ウォール・イン反乱のあとに現れた作家による表現や、レズビアンやバイセクシュアル、パンセクシャルの人々の置かれる状況のなかにも現れている。 プロテストするレズビアンの美術【前編】世紀転換期の女性同性愛表象を読み返す美術史においてほとんど語られてこなかった、女性同性愛を描いた作品やレズビアンのアーティストたち。稿ではその存在に光

    プロテストするレズビアンの美術【後編】1960年代以降の現代アートにおける女性同性愛表象から“プライド”を考える
    dowhile
    dowhile 2023/06/30
  • 東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat

    飯⼭由貴《In-Mates》《In-Mates》は、26分46秒の映像作品。作の概要として、小田原のどかによる解説を以下に引用する。 《In-Mates》は、1945年に空襲で焼失した精神病院・王⼦脳病院(東京)の⼊院患者の診療録に基づくドキュメンタリー調の映像作品だ。王⼦脳病院には、1930〜40年まで⼊院し、院内で病没した2⼈の朝鮮⼈患者の記録が残されていた。 作では、同院の診療録に記録された2⼈の朝鮮⼈患者の実際のやりとりに基づき、ラッパー・詩⼈で在⽇コリアン2.5世であるFUNIが、⾔葉とパフォーマンスによって彼らの葛藤を現代にあらわそうと試みる姿が記録されている。 また作品内では、当時の時代背景へ学びを深めるため、FUNIと飯⼭が精神医学史と歴史学のレクチャーを受ける様⼦も収められている。歴史学については、外村⼤が講師を務めた。 飯⼭はこれまでも、精神医療と⾃らの家族、障害者

    東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat
  • SNSで大きな反響:太田記念美術館の日野原健司に聞く、浮世絵の魅力と面白さ

    「江戸時代、すでにカットスイカはあったようです。染付の大きなお皿に、カットされたスイカが山のように積まれていて美味しそうです。ちゃんと楊枝も刺さっています」。この、歌川国貞(三代歌川豊国)の浮世絵《十二月ノ内 水無月 土用干》安政元年(1854)に描かれたスイカについてのTwitterの投稿が3万5000いいね(8月末時点)という大きな反響を呼んでいる、太田記念美術館。 原宿駅より徒歩5分の場所に位置する太田記念美術館とは、東京都では唯一の浮世絵専門の私設美術館。かつて東邦生命保険相互会社の社長を務めていた五代太田清藏(1893~1977)が蒐集した浮世絵コレクションを広く公開するため、1980年に設立された。 同美術館は2012年にTwitterアカウントを開設し、フォロワーは約14万人(8月末時点)。これは国立新美術館の約26万人、森美術館の19万人、東京都美術館の18万人などに次ぐフ

    SNSで大きな反響:太田記念美術館の日野原健司に聞く、浮世絵の魅力と面白さ
    dowhile
    dowhile 2020/09/05
  • 「盗めるアート展」が7月開催へ:来場者は作品を自由にお持ち帰りください

    来場者は24時間、ギャラリーの作品をいつでも自由に持ち帰ることができる。そんな珍しい展覧会「盗めるアート展(Stealable Art Exhibition)」が7月10日〜19日の10日間、品川区荏原のsame galleryで行われる。 参加作家は、五味彬、エキソニモ、伊藤ガビン、中村譲二、NAOKI “SAND” YAMAMOTO、平野正子(skydiving magazine)、村田実莉(skydiving magazine)、Merge Majordan、ヌケメ、やんツー、加賀美財団コレクション。 国内外で活躍するアーティストの作品で構成される展は、ノーセキュリティで24時間無人営業。アーティストの作品は、来場者が自由に持ち帰ることができるものとして展示される。 盗んでよいものとして作品が展示され、ギャラリーや美術館という守られた展示空間との既存の関係性が壊された空間において、

    「盗めるアート展」が7月開催へ:来場者は作品を自由にお持ち帰りください
    dowhile
    dowhile 2020/06/22
  • 美術館を安全にオープンするために:大分県立美術館(OPAM)の徹底した取り組み

    新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、臨時休館を行なった全国各地の多くのミュージアム。感染防止の観点から避けるべきとされる3つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)には、行列のできるブロックバスター展を除いて多くの展覧会が該当しないのではないかと、再開が望む声が早期から多数上がっていた。 そして5月に入り、地方の県立美術館を中心に再オープンの動きが拡大。ほぼすべての館がアルコール消毒、マスク着用などの対策を取っているなか、特に厳密な対応を行なっていると話題になったのが、5月11日に再開した大分県立美術館(OPAM)だ。 大分県立美術館(OPAM)の全対策リストは公式ウェブサイトで確認できるが、以下にその一部を紹介する。 – 入館時のサーモカメラによる体温測定 – 保健所等の行政機関による聞き取り調査等の可能性。そのため出入口を1階のみに限定し、入館時に日時・代表者氏名・連絡先電話番号・住所

    美術館を安全にオープンするために:大分県立美術館(OPAM)の徹底した取り組み
  • 中身が透けて見える、吉岡徳仁氏デザインのauスマートフォンが発売

    KDDIは、国内通信事業者として初めて、モバイルプラットフォーム「Firefox OS」を搭載したスマートフォン「Fx0」を2014年12月25日より発売した。 そのプロダクトデザインを、世界的に著名なデザイナーである吉岡徳仁氏が担当。Firefox OSのオープン性と未来感を表現した。 デザインでもっとも特徴的なのは、透明なポリカーボネート越しに、端末の内部にあるパーツが見えること。そのほか、ホームボタンにはFirefoxロゴが配置され、前面・背面のいたるところに商品名「Fx0」が描かれている。 ■ウェブサイト TOKUJIN YOSHIOKA Inc. 執筆:岡徳之(Noriyuki Oka Tokyo)

    中身が透けて見える、吉岡徳仁氏デザインのauスマートフォンが発売
  • 1